ホント久しぶりにジャズのライブに足を運んだ。
その先はブルーノート東京。
何年ぶりになるか思い出せない。
骨董通り沿いにあったときは何度か行ってたし、一度企画もので自分もライブをやったものだ。
今のブルーノートは実に立派なライブレストラン。
財布の中と相談すると普段はなかなか足を運ぶまでにはならないが(^-^;、このときはそんなことは言ってられない。
もちろん出演者のためである。
いま現役のサックス奏者の中で最も敬愛するCharles Lloydがその人。
普段自分はジャズをやらなくても、好きなジャズは今でもずっと聞いているのだ。
御年81歳。
この先果たして日本までやってきてくれるか分からない。
実はブルーノートの公演の前に都内の某ジャズフェスでも出演し、そこでは若手で最も注目しているカマシ・ワシントンも両方体験できたのだが、自分の出演ライブ当日であった。
まあカマシはこれからも機会があるだろう。
というわけで、久しぶりにライブに大枚投入となった![]()
このロイドさん(以下そう呼ばせていただきます)、サイドマンとしてのキャリアを積みつつ1965年から自分のバンドで活動を始めるのだが、当時と今のサウンドを聴き比べてその世界観の継続に全くブレがない。
コルトレーン直後の人で非常にモダンなフレージングでの演奏もするが、他のサックス奏者が同じ音列を吹いてもゴリゴリと威圧系になるのに比べ(それはそれでよいところもあるが)、ロイドさんのサックスはどんどん浮遊していく。
フリージャズのアイラーみたいな浮遊感とはまた違うが、ぼくにはロイドさんの音楽世界が昔から楽園に聴こえるのだ。
本人はどう思ってるかは知らないが。
その楽園もただキレイなところだけを並べたコマーシャルなそれでなく、闇の部分もしっかりある混とんとした楽園。
齢を重ねるごとに音はどんどんささやくような表現になり、浮遊の高さもどんどん上がって行き、楽園度もますます増す。
…語りだすと止まらないので店内へ。
↑これは閉演直後の写真だが、お客さんの入りはほぼ満員。
若い人が結構多いのが良かった。
ぼくの隣に座った地味なメガネの青年は、まるで三十数年前のぼくだった![]()
さて、飲み物は何にしようか。
出演者にちなんだカクテルもあるのだが、ぼくは下のIPAのビールにした。
これ、とても美味しかった![]()
量もしっかりあり、まあお値段もするけど、また来たときはこれを注文しそう。
このレコードみたいなのはコースターではなく会計時に渡すやつ(何て言うんだっけ(^-^;)
記念に持って帰ることができる。
開演前のステージ。
ドラム側のすぐ近くの席だったが、バンド全体の音はまずはよい塩梅に聞き取れた。
音の良さはさすがブルーノートなのである。
このときのメンバー。
Charles Lloyd (ts,fl)
Gerald Clayton (p)
Julian Lage (gt)
Ruben Rogers (b)
Eric Harland (ds)
ピアノのジェラルド・クレイトンはここのところよく一緒にやっているという認識。
ロイドさんのバンドのピアニストと言ったらキース・ジャレットやミッシェル・ペトロチアーニなどが輩出されているのだが、ジェラルドもかなり信頼感を持たれているのが分かった。
ギターのジュリアン・ラージもバンドの音をとてもよく聞いていて、ロイドさんもたびたび目を細めていた![]()
ベースもドラムも素晴らしかった。
そしてそんな才能溢れる若手を自由に演奏させながら、しっかりロイドさんの楽園サウンドになってしまうのだから、やはりバンドリーダーとしてロイドさんは素晴らしいのである。
そのロイドさんの楽器。
テナーはもちろんコーン(楽器メーカーね)![]()
ぼくは楽器オタクではないのでそれ以上の型までは分からない。
いずれにせよぼくが知る限りむかしからずっとコーン。
ロイドサウンドはセルマーではなくコーンでないとダメであろう。
マウスピースはよく見えなかったが、やはりオットーリンクのメタルだろうか。違っていたらゴメンナサイ。
一時期ラバーにしていたが、いずれもリンクとコーンのかけ合わせがロイドさんというイメージ。
柔らかでフニャフニャしているのだけど、まとわりついて離れないサウンド。
この日も非常に軽やかに耳の近くで語りかけるように吹き始めた。
当然音量は大きくないが、その分バンドもお客も耳を澄ます。
耳を澄まさせる音色であり音世界なのだ。
そしていつの間にかバンドは熱い演奏になっているのに世界観はまったくブレてない。
相変わらず耳を澄ませ続けずにはいられない。
フルートは最近よく使っているアルトフルート。
メーカーは分からない。
サックスと同じように自由でいてモダン、でも浮遊するアプローチ。
どの楽曲も一見シンプルに聞こえ、非常に繊細に作られ構成されている。
これも昔からそうだ。
しかしそんな音楽の「型」の部分を全く意識させない有機体のようなバンドサウンド。
それぞれのプレイヤーはロイドさんを含め非常に高いテクニックをもって演奏しているのだが、そういうことが枝葉に聴こえる音の世界観。
清濁あわせもった極上の心地よさ。
こんな域、どうやったら到達できるのだろう。
だからこそ楽園という言葉が浮かんだのであった。
ロイドさん、その楽園にある一番大きな木に住む妖精に見えた![]()
普段ジャズの話などしない相方も、そんなロイドさんが大好きになったようだ。
演奏中の写真はもちろん無し。
もし興味を持たれた方がいたら、ぜひ検索してみてください。









