④ のつづきです。


いよいよ移植の日が近づいてきました。

「寛解」になっていて、
この頃がいちばん元気だったので
もうこのまま抗がん剤だけで治ったりしないのかな・・・と、ふと願ったりもしたけれど
白血病の威力は凄くて、すぐ再発してしまうのだそうです。

相変わらずコウさんは
淡々と現実を受け入れていたけれど
説明を聞いたばかりのわたしのほうが
逃げ出してしまいたいような、弱い気持ちに何度も襲われました。


でももうここからは、信じて応援することしかできません。
気持ちを立て直して、応援団長として出来ることだけを考えることにしました。


 

移植 前処置がスタート

"10倍の抗がん剤"が始まる前夜のこと。


その日、コウさんの入院している病院の隣では

恵比寿講の花火大会が、3年ぶりに開催されました。


病室からは特等席です。

明日からの抗がん剤で、
これまでずっと自分の身体を守ってくれていた血液細胞とはお別れ。

「最後にいい"打ち上げ"になったよ!」とラインがきました。


翌日、抗がん剤がスタート。

自分の造血幹細胞を再生不可になるまで叩くことが目的です。
「お別れが寂しくて涙が出る」とラインがきました。
わたしもコウさんの血液細胞たちに感謝の気持ちをこめて祈りました。


翌日から、激しい吐き気。

食事も、食べる直前に殺菌のため完全に熱を通して出されるので、美味しくなくなったそうです。

通常の抗がん剤の時点では完食していたコウさんも、さすがに食べられなくなりました。
でも、ここからは「食べる」ことも無理をしないようにと言われます。
栄養は点滴で。
無理に食べて吐いてしまったりして、傷が出来たりするほうが危険なのだそうです。

他にもつらい副作用が続きます。



がんばって!がんばって!
コウさんの身体、がんばって!!



 

臍帯血移植

12月1日、ついに移植の日を迎えました。


朝10時の移植スタートの前に、

わたしは自分のSNSで呼び掛けました。

「力を貸してください」


本当に、本当にたくさんの皆さんから

「一緒に祈ります」「パワー送ります」

とメッセージをいただきました。


人の思いの強さを信じています。


間違いなくコウさんに届いたと思っています。



わたしはというと、この時間は神社にいました。


軽井沢の氏神様である、熊野神社。

いつも通るたびにお祈りしている、

油井地区にある無人の神社です。

コウさんが一時帰宅してきたときは一緒にお参りしました。


石段に落ち葉が積もって歩きにくかったのが気になっていたので

この日は箒を持っていき、移植の時間、祈りながら掃き掃除していました。


涙が溢れて止まりません。

でも悲しい涙じゃありません。

ただただ、感謝が溢れていました。


夏の終わり、手遅れにならずに入院出来たこと。

コロナが流行っていなければ、37度の熱くらいでは病院には行かなかったはずです。
あの時 病院で白血病だとわからなければ
1日でも遅れていたら、もうコウさんはこの世にいなかったかもしれません。


担当の先生は、とても丁寧に説明してくださる先生で、理屈っぽいコウさんに合ってる!(笑)


病棟の看護師さんたちは「事務の人も含めてひとりも嫌だと感じたことがない」というほど、
良くしていただいているそうです。
わたしも荷物を届けるたびに、感じが良くて、あたたかい気持ちになります。


骨髄は見つからなかったけれど、
今回移植している臍帯血(へその緒)。
2021年生まれの赤ちゃんのものだそうです。
1歳になるその子は、どんな子でしょうか?
あなたの「生」が、ひとりの人の命を救ってくれています。
何より、臍帯血を提供してくださったお母さん
本当にありがとうございます。


コウさんのTwitter、わたしのSNS
友だち、家族、クライアントさん
たくさんの人にたくさんの思いをいただいて
どれだけ心強いかわかりません。


そしてコウさん。
わたしを頼ってくれてありがと。
わたしたちはいったん別れていたけど、
コウさんの病気をきっかけに縁がまた繋がりました。

人に頼ることがとても苦手なコウさん。
わたしに連絡するのも勇気がいったと思う。
白血病だと聞いたとき、わたしはコウさんに言いました。

「弱音を吐いて。人に頼って!甘えて。
今はそれが出来なければ治らないよ」

そしてその言葉は、そのままわたしにブーメラン!

わたしも人に頼ることが苦手です。
だから今、コウさんの病気を通して
人に頼る・甘えることをやらせてもらってる。


正直、最初の頃は悩みました。

"元彼女"なのに、どこまで関わればいいのか?
いったいどんな立場で?どんな立ち位置で?

だけど途中で吹っ切れた!

彼がわたしを頼ってくれて、
出来る限り支えると決めたときから
わたしたちは間違いなくパートナーだ。

肩書きだとか立場とかどうでもいい。
恋愛感情とか、男女も超えて。


むーちゃんとほーちゃんと一緒に、
フォルテでコウさんを待つことが出来て
今は本当に良かったと思っています。


どうか、どうか
ここから3~4ヶ月という
大変な時期を乗り越えて、
桜が咲く頃にコウさんが
元気になって帰ってきますように!!!


⑥ へつづく。