重松清さんの小説『ひこばえ(上・下)』を読み終えました。

2018年6月~2019年9月の間、全471回、朝日新聞に連載され、2020年3月に単行本が刊行、2023年2月に細かい推敲を経て文庫本化された作品です。

僕が重松さんの作品を読むのは『とんび』『ニワトリは一度だけ飛べる』に次いで、3本目です。

映画やドラマにもなった『とんび』は読んでいた時に3度も涙がでるほど感動したのに対し『ニワトリは一度だけ飛べる』は共感できるところがなく面白いと思えなかったというのが正直なところでした。

もう1作品くらい読んでみて自分の好みにあうかを判断しようと思って、重松さんの著書を調べたら、この『ひこばえ』はご本人が『流星ワゴン』『とんび』と同じカテゴリーと位置付けておられる父親と息子の関係を描いたものということでした。

『とんび』に凄く感動した訳ですから、ならばこの作品を読んでみようと選びました。

 

表紙の画像をネットからお借りし、出版元の朝日新聞出版のHPに上下各巻の単行本発刊時に掲載された紹介文と文庫本の裏表紙に記載されている紹介文を以下に転載させて頂きます。

 

単行本発刊の紹介文

世間が万博に沸き返る1970年、洋一郎の父は母と離婚後音信不通に。48年ぶりに再会した父は、既に骨壺に入っていた。
遺された父の生の断片とともに、洋一郎は初めて自分と父親との関係に向き合おうとする。朝日新聞好評連載、待望の刊行!

 

文庫本裏表紙の紹介文

小学校2年生の時に別れたきりの父が亡くなった。報せを受けた長谷川洋一郎は、48年間の空白を胸に、父の人生に向き合おうとする。父は、死の直前に「自分史」を書こうと思い立っていたらしい。なぜ? そして、誰に読ませたかったのか。

 

単行本発刊の紹介文

父の数少ない知り合いたちから拾い集めた記憶、やがて自身の内からよみがえる記憶──果たして父は、どんな父親になりたかったのだろうか、洋一郎の思いはあふれる。『流星ワゴン』『とんび』に続く、父から息子へと受け継がれる感動の物語。

 

文庫本裏表紙の紹介文

父は、どんな父親になりたかったのだろうか?父の知人たちから拾い集めた記憶と、自身の内から甦る記憶──。父の足跡を巡る旅は、自分自身のこれまでの、そして、これからの人生と向きあう旅でもあった。やがて、洋一郎は、ある決断を下す。

 

今回もネタバレは最小限に留めます。

まず、僕自身の感想をいうと『とんび』のような感動はありませんでしたショボーン

紹介文に記載されているように、主人公の洋一郎は小学2年の時に別れた父親が亡くなってから連絡を受け、48年ぶりに遺骨と再会します。バックリいうと、その後、父の知人と接触し、その方々から聞く人物像や自分の中で蘇る記憶、更に父が自分史を書こうと思っていた事実などに触れることで、父に対する想いがどう変化し、現在の自分をどう見直してゆくかが描かれている訳です。

 

文章が読みやすいのでストーリーも分かりやすいんですが、上巻405頁、下巻本文393頁と長く、同じような表現が繰り返されているのでは?というくどさみたいなものが感じられたのと、父の知人として登場する人物に普通でないというか、そんなアホなっていうレベルの図々しさや軽さを感じられる人がいるように思えたことなどが、僕が感動に至らなかった要因です。

 

この作品は僕の好みではなかったというのが今回の結論です。

 

さて、今夜はこちら。

明日は、関西フィルの定期演奏会に行きたくなったので、京響のほうを今夜のフライデーナイトスペシャルに振替ました。