大げさとかそんなのではなく、・・・

万博行って参りましたが、東京の雑踏に慣れている私にとっては混雑具合は大して酷いとは思えませんでした。でも心の故郷大阪の来訪者は口々に混雑に対して文句言ってました。もうかつての雑踏を雑踏と思えないほどの少子化が進んでいるのは理解しています。でもここまで意識的な差も広がっているんだろうな、とあらためて実感しました。

 

本日の話題はそんな少子化に大いに関係する「 地域医療の崩壊 」の可能性について。

地域医療拠点として町医者がこれから数年間で多くが閉鎖されていくことが判っている。

具合が悪くなっても医者は近くに無い生活を今後イメージしていく必要があるかも知れない。そんな危惧を感じざるを得ないことをデータを使って解説してみたい。

この状態に文句を言ってもそれはあまりに他責で無責任な発言になるので、やめた方が良い。少子化や、文系偏重社会を作って来たのは政治ではない。我々社会全体の責任だ。尤も、それも含めて本来政治でコントロールして欲しい部分ではあるが個人の考え方を尊重する自由主義の社会で強制は難しい。左翼主義で言論を弾圧して強制的にコントロールするやり方はあるが。

今色々大学が批判されているところだけど、今回特に注目するのは医学部を持つ全ての私立大学。

これを2024年度入学定員充足率の悪い順に並べてみるとどうであろう。

01位 岩手医科大学(岩手県) 55.6%
02位 日本医科大学(東京都) 59.6%
03位 聖マリアンナ(神奈川) 61.4%
04位 埼玉医科大学(埼玉県) 66.9%
05位 川崎医療福祉(岡山県) 68.8%
06位 東北医科薬科(宮城県) 69.2%
07位 東京女子医科(東京都) 70.6%
08位 東京慈恵医科(東京都) 70.8%
09位 金沢医科大学(石川県) 73.5%
10位 大阪医科薬科(大阪府) 73.9%
11位 兵庫医科大学(兵庫県) 76.0%
12位 東京医科大学(東京都) 77.2%
13位 昭和大学  (東京都) 78.3%
14位 自治医科大学(東京都) 83.4%
15位 関西医科大学(大阪府) 86.0%
16位 愛知医科大学(愛知県) 91.9%
17位 獨協医科大学(埼玉県) 94.0%
18位 東邦大学  (東京都) 94.4%
19位 杏林大学  (東京都) 96.7%
20位 帝京大学  (東京都) 98.3%

志願者を集められない大学上位は、定員の半分しか学生が集まっていない(医学部が定員割れとは限らない)。21位以降は定員を満たしているが、次の通り大学数自体が少ない。

21位 日本大学  (東京都)103.4%
22位 国際医療福祉(栃木県)
23位 藤田医科大学(愛知県)
24位 北里大学  (東京都)
25位 福岡大学  (福岡県)
26位 久留米大学 (福岡県)
27位 慶應義塾大学(東京都)
28位 近畿大学  (大阪府)
29位 佐倉順天堂大(東京都)
30位 東海大学  (神奈川)124.2%

由々しき状況。
入学定員を満たしていない大学において、主たる収入である学費の収入学納金収入の状態と、支出で最も大きい額である人件費を追記してみると見えてくるものがある。

大学名、入学定員充足率、学費収入(百万)、人件費支出(百万)、人件費比率

01位 岩手医科大学 55.6%  7,153  23,192  324.2%
02位 日本医科大学 59.6%  5,831  46,648  800.0%
03位 聖マリアンナ 61.4%  4,230  32,382  765.5%
04位 埼玉医科大学 66.9%  7,202  49,076  681.4%
05位 川崎医療福祉 68.8% 12,257  29,721  242.5%
06位 東北医科薬科 69.2%  7,149  14,581  204.0%
07位 東京女子医科 70.6%  5,315  34,116  641.9%
08位 東京慈恵医科 70.8%  3,035  43,875   1445.6%
09位 金沢医科大学 73.5%  5,010  14,175  282.9%
10位 大阪医科薬科 73.9%  8,933  26,028  291.4%
11位 兵庫医科大学 76.0%  7,239  23,594  325.9%
12位 東京医科大学 77.2%  4,166  38,825  931.9%
13位 昭和大学   78.3%  9,690  53,443  551.5%
14位 自治医科大学 83.4%  3,571  39,108   1095.2%
15位 関西医科大学 86.0%  4,562  34,426  754.6%
16位 愛知医科大学 91.9%  4,901  22,781  464.8%
17位 獨協医科大学 94.0%  9,203   5,804   63.1%
18位 東邦大学   94.4% 12,799  41,905  327.4%
19位 杏林大学   96.7% 11,666  23,674  202.9%
20位 帝京大学   98.3% 36,405  42,748  117.4%

例えば、08位の東京慈恵医科大学だと、学生の学費収納金は 30億35百万円 であって、人件費は、438億75百万円 となる。

つまり、主たる学費収入の14.456倍もの人件費がかかっていることになる。

比率的に、100万円売り上げたけど、人件費が1,445万円かかっている、というのと同じだ。

ところが、皆さまご承知の通り大学設置基準上大学附属病院が併設されており、そこの日銭で何とか収益を稼いで均衡化しようとしている。勿論資金運用もして収益を出している場合もあるだろう。損だってすることもある。

では、ここに経常収支差額(所謂儲け)がどの程度であったかを更に追記してみよう。

大学名、入学定員充足率、学費収入(百万)、人件費支出(百万)、人件費比率、経常収支差額(百万)

01位 岩手医科大学 55.6%  7,153  23,192  324.2% ▲5,214
02位 日本医科大学 59.6%  5,831  46,648  800.0% ▲4,732
03位 聖マリアンナ 61.4%  4,230  32,382  765.5% ▲4,782
04位 埼玉医科大学 66.9%  7,202  49,076  681.4%  5,978
05位 川崎医療福祉 68.8% 12,257  29,721  242.5%  17,471
06位 東北医科薬科 69.2%  7,149  14,581  204.0% ▲1,172
07位 東京女子医科 70.6%  5,315  34,116  641.9% ▲6,399
08位 東京慈恵医科 70.8%  3,035  43,875   1445.6%  3,034
09位 金沢医科大学 73.5%  5,010  14,175  282.9% ▲1,747
10位 大阪医科薬科 73.9%  8,933  26,028  291.4%   893
11位 兵庫医科大学 76.0%  7,239  23,594  325.9%  3,980
12位 東京医科大学 77.2%  4,166  38,825  931.9%    ▲77
13位 昭和大学   78.3%  9,690  53,443  551.5%  6,236
14位 自治医科大学 83.4%  3,571  39,108   1095.2% ▲4,244
15位 関西医科大学 86.0%  4,562  34,426  754.6%  8,527
16位 愛知医科大学 91.9%  4,901  22,781  464.8%  ▲2,689
17位 獨協医科大学 94.0%  9,203   5,804   63.1%    531
18位 東邦大学   94.4% 12,799  41,905  327.4%  ▲332
19位 杏林大学   96.7% 11,666  23,674  202.9%  ▲266
20位 帝京大学   98.3% 36,405  42,748  117.4%  13,076

繰り返すが単位は(百万)円である。

07位である東京女子医科大学は、単年度で63億99百万円の超巨額赤字をたたきだしている。これはかなりマズい。

単年度だけでみれば、東京慈恵医大学、兵庫医科大学、昭和大学、関西医科大学、獨協医科大学などが経営的に安泰に見えるが、これも単年度のみではなく、推移で見ていかなければ本質的な経営状況は判らないため、正確な事は言えない。

ただ、巨額損失の大学が、2023、2024、2025年度と著しく増加してきているのも間違えない。

このまま2024年度決算上の巨額赤字を続ければどうなるか日を見るよりも明らか。赤字額が尋常ではないのだ。

厚労省の研修医関連予算は7,600名分でしたか。この人数分確保していますが、今後定員割れが続けば医学部設置大学は危機的な状況に陥る可能性がある。それを避けて医学部に本当の意味で人が集まらなくなると、学力の低い層からも受け入れをせざるを得なくなり、基準点をクリアできずに医者になれない国家試験浪人が増えていくだろうと考えられる。

一方で地域の拠点病院でさえ全ての診療科に医者を配置できずに非常勤で穴埋めをしている状況だ。

私の自宅最寄りの地域拠点病院には小児科医がいない。非常勤で来てもらえる距離にある都市部だからまだマシだが、今後の地域医療は崩壊の一途を辿るであろう。

昔ヤブの医者という大変な名医がいた。有名な名医「ヤブ医者」だ。

それにあやかって、銀座のヤブ医者、船橋のヤブ医者、水戸のヤブ医者と自称名医のヤブ医者を名乗る医者が一気に増加した時代があったそうだ。

中には自称ヤブ医者でも相当いい加減な者もいたそうで、庶民はその信用ならぬ医者のことをヤブ医者がまた来た、というように揶揄するようになったそうだ。

医師国家資格今は60%の正答率だったかな?通過は。まぁ論点はそこではない。
40%に基準下げて医者の数だけ確保する、という方法は有るが・・・・そうしてもらう?


ネガティブな記事になってしまったが、これも少子化が問題として根底にあり、特に都市部以外で顕著な影響が出る可能性が高い。


地域医療崩壊への心づもり、準備できていますか?

どうなんだろうか・・・


私立大学の状況について、データを落とせたのでそれを利用して分析している。
粉飾決算が無ければデータの羅列としては正確なのだが必ずしも医学部だけに特化した数値ではない。

関連した話をすれば、地方の私立大学の苦境が手に取るように見えてくる。

はたして。




次回予告:
日本八州(ひのもと やしま)における律令國域にはそれぞれ最も大切な総社が設置
された。その総社を筆頭に、一宮、二宮、三宮、・・・と格式順に神社が置かれている。

例えば、武蔵総社は大國魂神社(府中 おおくにたまじんじゃ)、相模総社は六社神社(大磯 ろくしゃじんじゃ)、尾張総社は大國靈神社(名古屋 おおくにたまじんじゃ)という感じ。

この神社に纏わるお話を。

乞うご期待。