米食品医薬品局(FDA)は、インフルエンザ治療薬のタミフル(リン酸オセルタミビル)を飲んだ後、日本の16歳以下の子供12人が死亡していたと発表した。
日本の厚生労働省は、薬品との因果関係は薄いと見ていたため、死亡例は把握しながらも、その死亡数を副作用によるものとして統計にまとめていなかった。
今回、インフルエンザ流行シーズンを前にして、日本国民は、厚労省から直接にではなく、何と米国の米食品医薬品局から、タミフル薬害の深刻な実態を聞いた。
私達は何と言うべきであろうか。
さらに米国が死亡例として公表した12人のうち、何人を死亡例として日本で公表してきたかは、同省でも「すぐには分からない」というのが実情だ。
米食品医薬品局からの「日本での死者は13人か」との問い合わせに対しても、確認に苦労した。
そのため、米国の調査対象外となった16歳をこえた人を加算されても死亡患者は全く不明という体たらくなのである。
米食品医薬品局は、今回、2階の窓から飛び降りた日本の少年2人と、おびえた様子で車道に飛び出した日本の少年1人を、直接の薬害の死亡例ではないが、タミフル服用後の異常行動の例として公表した。
しかし、厚労省は「異常行動の可能性は薬の添付文書に盛り込んだ。行動の具体例は医学的には必要ない」として、三人についても公表しなかった。
タミフルの輸入販売元の中外製薬によれば、12人の死者のうち、7人はタミフルと死亡との因果関係を否定できないが、残る5人は主治医が因果関係を否定している。
いつものことながら、日本の厚労省と薬剤会社の破廉恥体質には呆れ果てるばかりではないか。
タミフルの背後には誰が居るのか・・
既に承知のように、このタミフルを製造・販売しているのはスイスのロシュ社だ。
この薬をわが国で独占販売してるのは中外製薬である。
しかし、この会社はロシュ社の関連会社が五割の株主で、要するに中外製薬はロシュ社のグループ会社だ。
さらに追求すると実際にこの薬を開発したのは、米国のバイオ企業・ギリアド・サイエンシズ社(本社・カリフォルニア州 米ナスダック上場)なのである。
かくして、タミフルが評判となりロシュ社が儲かればギリアド社、そして中外製薬も儲かるという構図となる。
実際、三社ともこの間株価が急騰した。
そして、ギリアド社の元会長で大株主はといえば、イラク戦争で悪名轟くラムズフェルド米国防長官その人である。
『最新・アメリカの政治地図 地政学と人脈で読む国際関係』には、「1996年にはジョージ・P・シュルツが取締役に合流し、そして1997年に会長として迎えられたのが現在のドナルト・ラムズフエルド国務長官である」と明記されている。
このように、元国務長官のシュルツ氏も、同社出身ともなれば、マスコミの鳥インフルエンザ等の騒ぎの深層に何があるかは、誰にも否定しきれない現実性がある。
再度確認しておこう。
タミフルはインフルエンザに係った場合平均八日続く症状を一日早目に回復させる程度の効果しかない。
ヨーロッパの合理思想、つまりレイシオの観点からは全く説明が付かない事だ。
したがって、世界ではそれほどこの薬は使用されてはいない。
ところが、日本では、健康保険制度とも関わって、インフルエンザの症状緩和にと、多くの医師が処方しており、このため世界のタミフルの実に八割も消費しているのである。
仮にインフルエンザ流行が始まっても、ウイルス感染は、じっと発熱の時期を耐え安静にしているしかないが、医師の指摘のように、発熱に耐えられない子供・高齢者に対しては、少しだけ解熱剤を使うというのが基本だ。
しかし、罹患した子供や高齢者に対して、タミフルを使えば抵抗力が弱い分、深刻な副作用が出て、過去大問題となったサリドマイドやエイズの非加熱製剤のような薬害被害を起こすことになりかねないのである。
医師が人間に本来的に備わっている自然治癒力を強調した事に対応して、社会的には公衆衛生を徹底することが求められている。
近代に入って病原菌による病気の流行が抑えられたのは、主として公衆衛生の徹底のためだとの細菌学者ルネ・デュボスの見解は、実に歴史的に検証された真実なのである。


