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●「 「あまりに傲慢(ごうまん)」 自民・村上議員が「安保法制反対集会」で自民党執行部を批判(全文)」
2015年6月10日 弁護士ドットコム
http://www.bengo4.com/other/1146/1287/n_3220/
自民党の村上誠一郎(むらかみせいいちろう)衆院議員が6月10日、日弁連が主催した安保法制に反対する集会に出席し、自民党の執行部を「あまりに傲慢(ごうまん)」と批判した。
会場 には弁護士や野党議員ら190人が参加し、それぞれ安保法制に批判的な意見を述べていたが、集会の途中で、与党・自民党に所属する村上議員が姿を見せ、マイクを握ると大きなどよめきが起きた。
村上議員は6月9日の自民党総務会で、安保法制について
「党議拘束を外(はず)すべきだ」
と発言したところ、執行部の一人から
「最高裁判決(砂川判決)を読ん だことがあるのか」
と問われたという。
そこで村上議員が
「あなただけですよ、砂川判決が(集団的自衛権の)根拠だと言っているのは」
と反論する と、
「学者は、最高裁判決までおかしいというヤカラだから、話を聞く必要がない」
と言われてしまったのだという。
村上議員はこうしたやり取りに激怒したとして、
「学者がそろって違憲(いけん)だと言っているのに、自民党がそれを無視することは、あまりにも傲慢ではない か」
と、強い口調で自らの所属する自民党を批判した。
「民主主義の危機にある」
集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈の変更について、村上議員は
「このことで突破口を開けば、たとえば主権在民や基本的人権に至るまで、時の政府の恣意によって、実は憲法を曲げることができてしまう。たいへん民主主義の危機にあるということです」
と警鐘を鳴らした。
そのうえで、
「本当にこういうことを、党内でひとりで言うことは結構しんどいんです。ですから先生方、みなさん方も本当にこの問題の重要性にお気づきであるわけですから、一人でも多くのみなさん方にその問題点を伝えていただきたい」
と、集まった弁護士・国会議員、市民らに呼びかけていた。
● 村上誠一郎議員の発言全文は次の通り
ただいまご紹介にあずかりました村上誠一郎であります。
実は私は、そこにいらっしゃる山岸(良太・日弁連副会長)先生と、大学の同級生、同じクラスでした。
まさか、43年後に、こういう集会に出るとは、夢にも想像していませんでした。
正直申し上げます。私も自民党員です。
本来ならば、こういう集会は、実はご遠慮申し上げようと思っていたんです。
だけど昨日の総務会で執行部とやりあって、これはもう困ったなあと。
やはり本当のことを国民のみなさん方に知っていただくことが大事だと。
特に私は、柳澤先生(※集会で講演した元内閣官房副長官補の柳澤協二氏)に申し訳なく思っているんですが、昔の政治家は、柳澤さんのようなきちっとした議論をみんな聞く耳を持っていました。
ところが昨今、やはりこれもマスコミの人に反省してほしいんですが、小選挙区になって、公認と比例 と、人事まで党幹部に握られてしまって、なかなか昔のように自分の考えていることが言いにくくなってしまいました。
もっと反省してほしいのは、特定秘密保護法のとき。
28年前には(※1985年に国会提出されたいわゆる『スパイ防止法案』について)、大島(理 森 おおしま・ただもり)さんや谷垣 禎一(たにがき・さだかず)さんまでが「おかしい」と言って廃案にしたんです。
ところが(2013年の特定秘密保護法については)、いちばん被害を受けるというか、当事者であるマスコミの人たちが、最後の総務会で私が指摘するまで、誰も指摘しなくなった。
それからもう一つ、バッジを付けている先生方に反省してほしいのは、去年の公務員法の改正ですよ。
私は最後まで反対した。
なぜならば、600人の 人事を全部官邸に持っていった。
こうなれば官僚諸君は、もう正論も本音も言わなくなるよ。
私は最後まで総務会で抵抗したんですが、これも官邸の意 向ということで通ってしまった。
案の定、それから、公務員は正論も本音も言わなくなりました。
もっと重要なのは、そのように外堀を埋められるために、今回の安保法制について、本来いちばんモノをいわなきゃいけない国会議員が、口を閉ざしたままになっている。
●6月9日の自民党総務会で
今回、まず昨日のことから申し上げますと、私が申し上げたのは、このような問題は、国会議員の政治的良心・使命に関わる問題であるから、党議拘束を外すべきだと。
そしたらですね。
ハッキリ言いますよ。
あなたたちの先輩の、ある代議士が
「お前は最高裁判決を読んだことがあるのか」
と言ってきた。
砂川判決を。
だから私は言った。
「あなただけですよ、砂川判決が根拠だと言っているのは」。
そしたら何て言ったと思いますか?
「学者は、最高裁判決までおかしいというヤカラだから、話を聞く必要がない」
と言ったんですよ。
それで、私は激怒したんです。
3人のオーソリーな学者が違憲だと言っていることに対して、自民党がそれを無視するということは、あまりにも傲慢ではないか。
●安保条約の時を思い出して
まさにこのような重要な問題を、本当に国民の皆さん方が、お一人お一人本当に理解なさっているのかと。
みなさん、思い出してください。
いまから55年前の、日米安保条約のときには、この国会の周りに十重二十重とみなさんが集まって、全国民、全マスコミ、全学者で喧々がくがくと議論しておりました。
いま、どうでしょうか。
ハッキリ申し上げましょう。
2年前に、私が「この問題は実は民主主義の根幹に関わる問題である」と。
こんなことを天下の自民党がやっていいのかと言ったときは、マスコミは無視したものでした。
私がどうしても、ここへ来てお話したくなったのは、今いちばん問題なのが「ダブル先生」ですよ。
ダブル先生って分かりますか?
議員バッジと弁護士のバッジを付けている、その先生たちです。
責任、大きいんですよ。
結論を言うと、議論して、つくづくおかしいと思うのは、弁護士の資格を持っているものですから、自分の言っていることが正しいんだと。
他の学者さんや、他の普通の国会議員が言っていることは、とるに足らないんだ。
そういうような、いまの状況であります。
特に、執行部に、3人の先生がおります。
言わないでも分かっていると思います。
結論は、もう簡単です。
今日お集まりのみなさん方は、そうそうたるみなさんです。
それぞれの国会議員や、多くのマスコミの方を知っていると思います。
我々が財政の危機を言っても、この憲法の危機を言っても、残念ながら門前の小僧でしかありません。
説得力がありません。
(弁護士の)先生方 が、お一人お一人の国会議員や、国民や、マスコミのみなさん方に説明していただきたい。
●「自民党は、いつからこんなに惻隠(そくいん)の情のない党になってしまったのか」
なぜ私が、あえてこのような場所に来たか。
2つあるんですよ。
ひとつは、前から申し上げているように、もし憲法に書いていないことを、内閣の一部局である法制局が解釈で変えることができたら・・・。
まあ、自民党のある方(副島隆彦注記。麻生太郎のこと)が「ナチス憲法のマネをしろ」と言ったんですが、もちろんナチス憲法(というもの)はありません。
戦前のドイツで、議会において、全権委任法を通して、民主的なワイマール憲法を葬り去ったという、一番悪しき例があるんです。
すなわち、このことで突破口を開けば、たとえば主権在民や基本的人権に至るまで、時の政府の恣意によって、実は憲法を曲げることができてしまう。
たいへん、民主主義の危機にあるということです。
それから、もう1点。
来年から18歳の人たちが有権者になります。
私は、次の世代が気の毒です。
このままでいけば、財政がおかしくなる、金融がおかしくなる、社会保障もおかしくなる。
そのうえ、地球の裏側まで(自衛隊が)行くことになる。
自民党は、いつからこんなに惻隠(そくいん)の情のない党になってしまったのか。
●「当たり前のことが、当たり前でなくなるときが一番あぶない」
実は私の父は、増原惠吉(ますはらけいきち、当時の防衛庁長官)さんと、吉田(茂、当時の首相)さんに頼まれて、警察予備隊(けいさつよびたい)を立ち上げた男です。
一次防も二次防もやりました。
父が死ぬまで言っていたのは、防衛予算は少なくて済むなら少ないほうが良い。
もう1点は、自衛隊の諸君の身の安全について、万全に期すべきだと言って死にました。
私は、父の言ったことが自分の政治命題だと考えております。
この民主主義を守ることと、そしてまた、次の世代のために・・・。
私は、みなさん方のお力を、なにとぞ、一人でも多くのみなさん方に、この問題が どこにあるのか(伝えていただきたい)。
特に、私は最後に、あえて言います。
私がいちばんいま危機を感じているのは、民主主義の危機、すなわちファシズムの危機であります。
私が大学のときに、ある先生が言っていました。
「当たり前のことが、当たり前でなくなるときが一番あぶない」。
結論はどういうことかと言いますと、もしこういうことで突破されれば、次の世代は、アメリカの要求を断ることもできません。
歯止めもありません。
そういう中で、こういうような非常に不完全な法制というものを、短期間で180度転換するようなことを、軽々としていいものだろうか。
最後に、もう本当にお願いします。
弁護士の先生方。
我々では説得する力がありません。
自民党には、まともな大学で憲法を学んだ人が数います。
そう いう人たちひとり一人に説得していただきたい。
そして、一番重要なのは、国民の皆さん方に、この法案ならびにいままでの手法が、どこに大きな間違いがあるかということを、やはり一人でも多くの みなさん方に伝えていただきたい。
以上であります。
●「国民が絶対自分のこととして考えなければいけないこと」
不肖・村上誠一郎が、ただでさえやせ細った身体で(副島隆彦注記。ここは、村上の自虐のジョーク)、国会に来て必死にお願いをしたのは、(自分の大学の)後輩である(福島)瑞穂(ふくしまみずほ、社民党前党首)先生が、体重では負けないだろうからというんですが・・・。
本当にこういうことを、党内でひとりで言うことは結構しんどいんです。
ですから、先生方、みなさん方も、本当にこの問題の重要性にお気づきであるわけですから、一人でも多くのみなさん方に、その問題点を伝えていただ いて、国民お一人お一人が、自分が現憲法とどのように立ち向かうのかということを、ご理解いだけることを、切に切にお願い申し上げまして、簡単ではございますが・・・。
今日は応援演説ではないんですよ。
言っておきますけど、これは絶対ね、国民が、自分のこととして考えなければいけないことです。
そしてまた、自分自身のこととして判断すべきことで あって、一部の国会議員で決められることではないということです。
よろしくお願いします。
(了)
(転載貼り付け終わり)