母トミコ(仮名)既にこの世にはいない。
しかし生きている間、数々の伝説を残したので、たまに(己のネタがつきたら)書こうと思う。
その第④話
*
母トミコは社交的で遊び好きだった。
酒は一滴も飲めないくせに(奈良漬けで寝込む)よく飲み屋にも行った。
それは私の修学旅行の前日だった。
暗くなってから、いそいそと化粧を始める母トミコ。
ちょっと、いってくるね♪
そういう時は決まって友達の店・・ナイトスポット○○というような、少しあやしげな店に行く。
行くのはいいけど、明日お弁当たのむよ!
がってんだ!
ヒールの音高らかに、くわえタバコで出掛けるトミコ。
翌朝、どうせ「お弁当代」とメモし千円置いてあるだろうと思いきや、
!!!!!
ビニール風呂敷に包まれたでっかいものがテーブルに
お持ち帰りの寿司桶くらいある。
なんじゃこりゃああああ!
唖然とする私に、一言
「は・は・の・愛
」ウィンクする母トミコ。
いらん、いらん、欲しいのは弁当じゃあああああ
そんな娘の抗議など聞かずお尻をボリボリかきながら寝室に消える母トミコ。
しぶしぶその重くてでっかい包みを抱え、旅立つ私。
****
さあ、問題のお弁当タイムは列車の中ではじまり、はじまり~~。
大きさからして尋常じゃない。
皆の目は私の包みに集中!
包みをあけるとそこには!
!!!!!!!!!!
おお・・・どよめく周囲
マスクメロンをはじめとする高級フルーツ盛り合わせ(飾り切り仕様)・伊勢海老のテルミドール・フィレステーキ・蟹爪フライ・サーモンテリーヌ・サラダ・クロワッサン
なに、これ?
どうやら作るの面倒だった母は店のコックに頼んだらしい。
車両はもう大騒ぎさ。
担任まで驚き、
「おまえ、いったいそれは?」と尋ねてきた。
軽くパニクってた私の口から出た答えは
・・・我が家では普通です。
これがもとでしばらくは「令嬢」と呼ばれた。