ゴールデンウィークが過ぎ、新緑がまぶしい季節になりましたね。きくち村の田んぼでも、昨日、いよいよ今年の米作りの第一歩となる「種まき(播種)」を行いました!

毎年この日は、これから始まる長いお米との対話に身が引き締まる思いがします。

今年、私たちが命を吹き込んだのは、どれも一筋縄ではいかない個性豊かな3つの品種。そしてもちろん、育てる農法は「無施肥・無農薬の自然栽培」です。

今回は、今年きくち村が挑戦する3種のお米の特徴と、私たちの米作りへの想いをご紹介します。

 

 

■ 今年育てる、3つの「生命力あふれるお米」

私たちが選ぶお米は、現代の効率性を重視した品種ではありません。どれも野生種に近く、育てるのは難しいけれど、それゆえに圧倒的な生命力と深い味わいを持った「幻のお米」ばかりです。

 

1. 神力(しんりき)〜明治の日本を支えた伝説の米〜

明治時代に兵庫県の農家が発見し、またたく間に西日本一帯に広がった伝説の品種です。現代の主流であるコシヒカリなどの「ひ孫」や「玄孫」にあたる、いわば日本のお米の御先祖様。 背が高く倒れやすいため、現代の機械化農業では敬遠されてしまいましたが、その名の通り「神がかった生命力」を持っています。大粒で、お米本来のずっしりとした旨味があり、近年では日本酒の酒造好適米としても再評価されているロマン溢れるお米です。

 

2. 緑米(みどりまい)〜神事に使われてきた古代の幻〜

縄文時代に中国から伝わったとされる「古代米(もち米)」の一種です。全国でも生産者が極めて少ないため「幻の米」と呼ばれています。 特徴は、玄米の表面が美しい「緑色」をしていること。クロロフィル(葉緑素)を豊富に含み、亜鉛やマグネシウム、繊維質もたっぷりです。プチプチとした心地よい食感と、噛むほどに広がる上品な甘みともちもち感は、一度食べたら忘れられません。

 

3. 朝日(あさひ)〜「東の亀ノ尾、西の朝日」と称された東の横綱〜

かつて西日本で「これ以上美味い米はない」と大絶賛された純血種の在来種です。あのコシヒカリやササニシキのルーツでもあります。 大粒で適度な歯ごたえがあり、噛むほどに奥深い甘みが広がります。現代の粘りが強いお米とは違い、「上品な大人の美味しさ」が特徴。冷めても味が落ちないため、お弁当やおにぎり、そしてお寿司のシャリとしてもプロから最高峰の評価を受けています。

 

■ 肥料も農薬も使わない。「自然栽培」という選択

この個性的な3つの品種を、私たちは「無施肥(むせひ)・無農薬」の自然栽培で育てます。

化学農薬や化学肥料を使わないのはもちろんのこと、有機肥料(家畜の糞尿や油粕など)さえも一切田んぼに入れません。

「肥料をあげなくて、どうやって育つの?」と思われるかもしれません。 しかし、お米には本来、自力で大地に根を張り、地球の恵みを吸い上げる強い力が備わっています。

過剰な肥料を与えられたお米は、一見大きく育ちますが、病気になりやすく、虫にも狙われやすくなります。一方で、人間の手で甘やかされず、熊本・菊池の豊かな土壌と清らかな天然水だけで育ったお米は、自分の力で深く深く根を伸ばします。

そうして自然の厳しさと優しさの中で生き抜いたお米は、雑味がなく、お米本来の「ピュアな香りと、体にしみわたるような優しい旨味」を蓄えるのです。

 

 

 

 

■ 巡る季節、自然と共に

種をまいたばかりの今は、まだ小さな命。これから苗代でじっくりと苗を育て、梅雨を迎えれば田植えが始まります。

台風や夏の暑さなど、自然の洗礼を受けることもあるでしょう。しかし、自然に抗うのではなく、自然に寄り添い、お米が持つ本来の生命力を信じて、今年もスタッフ一同、愛情を込めて田んぼに向き合っていきます。

秋には、みなさまの食卓へ最高の「神力」「緑米」「朝日」をお届けできるよう、これからの成長の様子もブログで定期的にお伝えしていきますね。

今年の自然派きくち村の米作り、ぜひ一緒に見守っていただけると嬉しいです!