今回は「春日祭」の詞章の後半部分を。
*此の企画物記事は「祝詞新講」(次田潤著)を教科書として進めて居ます。
*本書の發行は昭和二年。本書に準ひなるべく記事内すべてに文語體、舊字體(旧字体)を用ゐるやうに心掛けて居ます。文語體を學びつつ記事を起こしてゐる爲、誤用が多々あるかと思はれます事を先に御詫び申上げます。
【讀み下し文】(本書より原文引用)
如此仕へ奉るに依りて、今も去前(ゆくさき)も、天皇(すめら)が朝廷(みかど)を平らけく安らけく、足し(たらし)御世の茂し(いかし)御世に齋ひ(いはひ)奉り、常磐(ときは)に堅磐(かきは)に福はへ(さきはへ)奉り、預りて仕へ奉る處處の家家の王等卿等(おほきみたち まへつきみたち)をも平らけく、天皇が朝廷に伊加志夜久波叡(いかしやくはえ)の如く仕へ奉り、佐加叡志米(さかへしめ)賜へと、稱辭竟へ(たたへごとおへ)奉らくと白す。(大原野平岡等の祝詞も此に准ふ)
【現代語譯】(本書より原文引用)
斯くの如くお祭り申上げます事によつて、現在も將來も、天皇の朝廷を平安で盛大なる御代にお守り下さり、永久に榮えしめ給ひ、且朝廷に仕へ奉る諸處方方の皇族方を始め朝臣達をも、無事安隱に仕へしめられ、彌が上にも茂り榮える孫枝のやうに、益繁盛して仕へ奉る事が出來ますやうにと、鄭重なる祭を營み奉ります。
【釋】
「春日祭」祝詞の詞章後半部分。
内容的には特に留意點(点)は無く、詞文の解説のみに留ります。
内容的には特に留意點(点)は無く、詞文の解説のみに留ります。
◎「朝廷(みかど)」
◎「足し(たらし)御世の茂し(いかし)御世」
物事の足り備はつて盛大なる御世の意。
◎「常磐(ときは)に堅磐(かきは)に」
岩石の永遠性を譬喩(比喩)として、永久不變の意を表したもの。
◎「伊加志夜久波叡(いかしやくはえ)」
「伊加志(いかし)」は上の「茂し(いかし)」と同義。「夜久波叡(やくはえ)」は諸説あるも、「中臣壽詞」に見へる「八桑枝の立ち榮え仕へ奉るべき」の「八桑枝」の義であり、枝葉の茂る橿と桑とを譬喩(比喩)として用ゐたといふ説を推して居ます。
◎「佐加叡志米」
「榮えしめ」のこと。
◎「大原野」
山城国乙訓郡鎭座の大原野神社(記事未作成)のこと。春日大社、吉田神社とともに藤原氏の氏神三社の一。「延喜式」四時祭式には、「大原野神四座祭 右科物同(二)春日祭(一) …」とあります。
【評】
「祈年祭」祝詞は中臣が神主祝部等に宣する「宣命體」に對して、「春日祭」は直接神に申す「奏上體」の祝詞。
先づ天皇の勅命によつて祭を營む旨を述べ、次で春日神社御鎭座の本緣を簡単に叙した後に、種々の神寳(宝)や幣帛を奉つて鄭重なる祭を營む事を申し、それによつて御代の長久を祈り、併せて朝廷に仕へ奉る人々の、平安無事を祈請する旨を述べてゐて、純然たる神社祭祀の祝詞であるとして居ます。
今回はここまで。
今回で「春日祭」を終え
次回より「廣瀬大忌祭」に進みます。
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