体外受精には保険適応の回数制限があります。
年齢によってその回数は異なり、40歳未満では最大6回の胚移植が可能ですが、40歳以上になると3回に減少します。
この制度には明確な国の意図があります。
年齢が上がる前に治療を開始していただくことで、より高い妊娠率を目指すという考え方です。
実際、妊娠率は年齢とともに低下していくため、早期に治療を開始することは非常に重要です。
ただ一方で、臨床の現場にいると別の側面も見えてきます。
40歳を超えると1回あたりの妊娠率は低下するため、本来は回数を増やして複数回の移植を積み重ねていく必要があります。
つまり医学的には「更なる回数が必要になる年代」です。
しかし制度上はその回数が減ってしまう。
この点には、どうしても違和感が残ります。
もちろん制度全体としてのバランスや医療資源の問題など、様々な背景があることは理解しています。
ただ、患者さんの立場で考えると
「最も難しい時期に、試行できる回数が減ってしまう」
という現実があるのが事実です。
だからこそ私たちが強くお伝えしたいのは一つです。
できるだけ早い段階で治療について考えること。
そして、もし40歳を超えて治療を始める場合には
「1回1回の移植を大切にすること」と同時に
「限られた回数の中で最適な選択をしていくこと」「根拠が乏しいことは行わない」が非常に重要になります。
制度は一律でも、治療は一人ひとり異なります。
その中で後悔のない選択をしていただくことが、私たち医療者の使命だと考えています。
今週土曜日に開催されるオンラインセミナーではこの回数制限への具体的な対策に関して話をしたいと思います。お申し込みはこちらから。
