精液検査 正しい精液採取法について | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

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精液検査のための精液採取法について



精液検査は男性不妊症の診断に不可欠で最も基本的な検査です。男性が最初に行う検査です。

今回精液採取法(禁欲期間、採取回数、採取場所、搬送方法、採取容器)について文献を元に検討しました。


1. 禁欲期間

WHOマニュアルによると禁欲期間は2日(48時間)以上7日以内とするとの記載があります。文献では正常精液の場合禁欲期間が10日以内であれば運動率、濃度、奇形率は変動しないが、禁欲期間が11日を超えると運動率が低下し奇形率が上昇するとの報告があります。乏精子症の場合、禁欲期間が1日の場合に最も良い運動率と低い奇形率が得られ、禁欲期間が4日を超えてくると奇形率が上昇するとの報告があります



2. 採取回数

採取は3か月以内に少なくても2回行います。2回の結果に大きな相違がある場合はさらに検査を行います。2回の場合はその平均値、3回以上の場合は中央値を採用します。精液所見の個人内変動に関する報告として特に精子濃度でその差が顕著になるとの報告があります。



3. 採取場所

精液検査の場所にも考慮する必要があります。家庭(プライバシーが保たれる場所)で精液を採取した方がクリニックで精液を採取するより精液所見は良くなるという報告がありますが、その一方家庭で精液を採取した場合とクリニックで精液を採取した場合において精液所見に有意な際は認められないという報告もあります



4. 搬送方法

採取した精液は室温(25度程度)から36度以下で搬送します。20度以下、37度以上は精子の運動性に著しい影響を与えるため好ましくありません。1時間以内で持参できる場所で採取します。2時間を超える遠方の場合院内での採取を勧める方が好ましいです。



5. 採取容器

以下の条件を満たすものが好ましいです

①清潔(不純物の混入を防ぐ)②口径が広い(容器外への漏出をなくす)③携帯性に優れている④透明(内容が見えた方が好ましい)⑤容器の材質が精子への影響のないもの



6. 採取方法

マスターベーションによる採取が原則。全量を採取します。通常のコンドームによる採取はコンドームの中に殺精子剤が含まれており、精子に影響を及ぼす可能性があるために避ける方が好ましいです。


正しい診断及び治療を行う上で、精液検査は単純なようでとても大切な検査と言えます。

以上の事に気をつけ精液の採取を行い、正確な精液検査の結果を出して、それを今後の治療にきちんと反映させる事が大切と言えます。

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