狂躁亭日乘201511231800 | おととひの世界

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リンクも始めましたよ

西郷隆盛の事を ちょっと書いたら
いくつか問い合わせをいただきました。
当然といえば当然なのかも
しれませんが。

西郷隆盛はそんなに悪い人間ではない。

そういうご意見もあるし
あまりにも世間一般に考えられている
西郷隆盛のイメージと違う。

イメージと違う。

当然のことですよ。

イメージとは必ず誰かによって
作られているものです。
それ自体が 作為です。
そもそもイメージとは
何のためにあるか?

現在、もしくは 未来の人たちの
意識操作をするためのものです。
支配をするために、
支配をよりやりやすくするために
不特定多数の心を支配するためのもの。

戦いに勝ったか負けたかは
軍事力で決まります。
しかし それだけで勝ち負けが
決まるわけでもない。

鎌倉幕府 滅亡後
後醍醐天皇の御親政が3年足らず、
南北朝の動乱に突入します。

ここからは軍事力で
足利尊氏が圧倒してしまいます。
歴史的事実性で言えば
足利尊氏の勝ち、圧勝です。

南北朝動乱は長く続きましたが
そののち室町幕府の権力は
鎌倉幕府よりもはるかに強かった。

でも 現在 足利尊氏は
あまりよく言われない。何故か?

後醍醐天皇側に楠木正成がついて
伝説的奮戦をやってのけたからです。
軍事的な勢力として考えた場合

楠軍というのは
まったくの弱兵です。
しかし 敢闘し、前のめりに死んだ。

足利尊氏 、楠木正成の首を取ったが
それを貰い受けに来た楠一族には
とても丁重に挨拶し、
首級を返している。

言い換えれば足利尊氏といえども
楠木正成の存在を認めない
わけにはいかなかった。

彼は 後世に残る名コピーを遺した。
「七生報国」です。
7回生まれ変わっても国に報いる。
物凄い気合いというか覚悟ですが
これが現在の右翼の合言葉であり
戦前の軍国少年や兵士のはちまき に

宗教家の言葉でもないのに
これだけ後の世の人間の
心を縛る、というのは大変なことです。

歴史的事実性にかんがみれば
楠木正成は まったく
とるにたらない存在です。
しかし 現在の我々が見たって
何となく南朝が正統性が
あったのではないか?と
思わせるだけの奮戦をした。

楠木正成がいなければ
おそらくそうはなっていない。

潜在意識を操作するというのは
まさにこういうことで
このことだけでも

軍事力では敗北しながら
つまり空間上の戦いで負けても

時間軸における戦いで
勝っているわけです。

最終的に勝者になるとは
そういうことなんですよ。

軍事力だけではダメなんです。
徳の力 その他、ありとあらゆる
人間的能力を動員しなければできない。

また その能力を
持っていなければならない。

善にも強く、また悪にも強くなければ
ならない。そんな人はめったに。

楠木正成も 西郷隆盛も
善にも悪にも強い、稀な人間です。

説明が長過ぎますが
実は 西郷隆盛と言う人
南北朝時代の南軍の親王将軍の
御家来衆の末裔だったんです。

諸々の事実からも
西郷隆盛が巨大な陰謀家だったこと
ほぼ疑問の余地がありません。

しかし 彼はそれを上回る
人徳の持ち主であり
歴史的 イメージ操作に
先駆けた人間でもありました。

それが現在の西郷隆盛の
「イメージ」を作っている。

かつて ロナルド レーガンが
どれほど アコギで悪どいことを
やっても、スキャンダルが
こびりつくことがない
「テフロン大統領」と言われた。

これはレーガンという人物が
セルフイメージ戦略にたけた人間で
あったことを示しています。
こういうタイプは人格者の
苦労人に多いです。

西郷隆盛はそういうタイプのなかで
超特大のタレントだと思います。
信長 、秀吉、 家康が
400年から500年に一人の、と
するならば、西郷隆盛は
確実に1000年から2000年に一人。
そのくらいの人間ですよ。

日本史上を探したって
似ているかなと思われる人と言えば
出雲族のリーダー、
大国主ぐらいしかいない。

説得に来た 神武天皇の親族が
わざわざ 大国主の味方になったと
言われているくらいですから。
どう考えても よくよくの人物です。

誤解のないように言っておきますが
私は 西郷隆盛を貶めるつもりは
マルっきりありませんよ。

むしろその逆で
この巨大な人物が作り上げた
セルフイメージの向こう側を
少しでもあきらかにしたいと
思っているだけです。

歴史小説 が描く 西郷隆盛と
違って見えるのは当然のことです。

歴史小説家は、公刊資料を集めて
人物像を作っているだけ。
つまり作られたイメージを
なぞっているだけです。

チンピラ ブロガーは
そんな事にこだわる必要は
まったくありません。
むしろその逆を行ったほうがいい、

そう考えているわけです。
西郷どんの話はおいおいと。