イスラエルの旅の間、
交戦による危険を感じることは、
一度もありませんでした。
でも、
この場所に向かう時だけは、
少し緊張しました。
それは、
イスラエルの国の中にある、
もう一つの国境。
高い壁で隔てられた世界
――パレスチナ自治区です。
▲オレンジ色の地域が、パレスチナ自治区
パレスチナ人が自治を行っている地域は、
ガザ地区とヨルダン川西岸地区の2か所です。
私たちが訪れたのは、
ヨルダン川西岸地区にあるベツレヘム。
キリストが生まれた地として、
世界中のキリスト教徒が訪れる聖地です。
この地域は、
イスラエルの国の中にありながら、
高い城壁で周囲を囲まれて、
出入口は、
銃をもったイスラエル兵士が検問を行っています。
国内といえども、
✔イスラエル国籍のユダヤ人は、入れない
✔イスラエル国籍のアラブ人は、行き来できる
✔パレスチナ自治区のアラブ人は、
特別の許可証ない限り
壁の外(イスラエル側)に出ることはできない
その為、
青空の見える牢獄と
言われることもあります。
※尚、ガザ地区は、
イスラム主義過激派と言われるハマスが
生まれた場所で、現在は、
全ての民間人の「全面立ち入り禁止」の状態です。
私たち外国人は、
西岸地区には入ることができます。
イスラエル国籍のユダヤ人は、入れないので、
私たちの観光バスの運転手さんは、
アラブ人の方です。
すると、
それまで見ていたイスラエルの景色とは、
空気が一変しました。
同じ空の下なのに、
まるで別の国に来たような感覚。
街はどこか荒廃した雰囲気をまとい、
閉まったままのお店も多く見かけました。
私たちが向かった、ベツレヘムは、
キリストが生まれた場所に
降誕教会が建てられていて、
全世界からキリスト教徒が訪れる聖地です
が、中東の紛争で、
ここ数年観光客が、ほとんどいなくなり
- ホテルの予約がほぼゼロになる。
- ツアーが次々とキャンセルされる。
- 土産物店やレストランが閉店する。
- タクシー運転手や観光ガイドの仕事がなくなる。
- 観光業に従事する人々が失業する。
壁の外には、容易にでることが叶わない
アラブ人の人々が、くらしに困窮することは、
容易に想像できます。
私たちが、パレスチナ自治区を出て、イスラエルに戻るときは、
観光バスに、
銃をもったイスラエル兵士が乗り込んできて、
パスポートのチェックがありました。
「壁」を越えるということの重みを、
改めて感じた瞬間でした。
この壁ができたことで、
パレスチナとイスラエルの関係は
大きく変わったそうです。
イスラエルにとっては、
国と国民を守るための壁。
パレスチナ自治区に暮らす人々にとっては、
自由を阻む壁。
どちらにも、それぞれの事情があります。
私には、どちらが正しいのかを
語ることはできません。
でも、一つだけ言えることがあります。
それは、「知ろうとすること」を、
やめてはいけないということ。
ニュースで流れるのは、
「イスラエル」と「パレスチナ」という
大きな言葉です。
でも、その向こう側には、
一人ひとりの暮らしがあり、
家族があり、人生があります。
壁の向こうに生きる人たちは、
決して遠い国の、遠い誰かではありません。
私たちが、その人たちの暮らしや背景を
知ろうとすること。
自分とは違う立場の人の声に
耳を傾けようとすること。
それは、小さなことかもしれません。
でも、平和への第一歩は、
きっとそこから始まるのだと思います。
「知らない」ことは、ときに分断を生みます。
だからこそ、
私は、自分の目で見て、感じたことを、
これからも伝えていきたいと思います。
ここには、
一人のアーティストが
平和への願いを込めた作品を残しています。
世界的アーティスト、バンクシー。
次回は、「花束を投げる男」の
壁画について書きたいと思います。
▼続きは、こちらです。
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