米軍の街、横須賀。20代後半東京都蒲田に住んでいた頃、数回訪問したことがある。京急蒲田駅から横須賀中央駅まで約1時間ほどの距離で、地図から想像するよりも意外と近くであった。
電車を降りると、相模湾と東京湾から吹きつける潮風に混じってアメリカ独特の乾燥した匂いが髪を撫でて行く。
これがいわゆる異国情緒というものだろうか…ふとそんな感情を抱きながら、柳ジョージ&レイニーウッドの曲「フェンスの向こうのアメリカ」を思い出していた。
休日ともなれば、海軍基地は観光客で溢れる。米海軍が艦を一般公開するからだ。米兵と日本人の交流を深める為にこのような軍事施設を一般市民に見せ、親睦を図ろうとする米軍の発案なのだろう。
米兵たちと会話を楽しむ日本人。握手を交わし、笑顔で応える米兵。のどかな風景が将来悲劇へと変貌する事を当時の人たちには考えも及ばなかった。
1995年以降になって増え始めた米兵による犯罪。日本列島は北から南まで、日本の安全を守っているかのように米軍基地が点在しているが、それは表向きであって本来の目的ではない。
中国やロシア、イラク、中東情勢の動きを牽制する為には日本は地理的に好都合だからである。
そしてアメリカ軍の後方支援を行うのが、自衛隊の役目となっている。
沖縄から届くニュースは米兵の暴力行為や、盗難、婦女暴行などで、訓練された兵士の犯罪とは到底思えない内容ばかりである。
先月、横須賀市内で起きたタクシー運転手殺害事件は、やはり米兵による犯行だった。ウグボグ容疑者は脱走の罪で米軍に身柄を拘束されたいたが、捜査の結果彼の犯行と分かった。
タクシー業は、客を選ぶほど儲かる商売ではない。相手がどんな人物であろうと、身元など気にせず乗せなくてはならない。
酔っ払いであろうが、外人であろうが客を乗せて走る。走行距離が売り上げだ。それが死へと繋がる地獄の道路だとしても客を信用せざるを得ない。
今回の事件で、一部のタクシー会社では運転手の安全を考慮し、運転席と後部座席の間に大き目の透明なカバーを取り付けるなどして、防犯に力をいれ初めているがそれがどこまで通用するかは未知数だ。
NYのタクシーのようにいっそのこと、金網で隔ててしまう方法も考えられるが、それでは乗客を最初から犯罪者扱いしているようなもの。
日本もアメリカ並みにタクシーが襲われる事件がこれ以上増えるようなことがあれば、それも致し方ないのかも知れない。