亀田のあられパンチ。 | プールサイドの人魚姫

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うつ病回復のきっかけとなった詩集出版、うつ病、不登校、いじめ、引きこもり、虐待などを経験した著者が
迷える人達に心のメッセージを贈る、言葉のかけらを拾い集めてください。

ファミリー

熱烈な女性ファンの黄色い声が館内を飛び交っていた。3月22日、亀田興毅の復帰戦が千葉・幕張メッセにて行われた。
8ヶ月のブランクを経てリングに上がった亀田興毅は冷静だった。今までの試合とは違い緊張の糸が張り詰めた会場にはもちろん、彼のKOシーンを期待するファンの熱気で溢れていた。
わたしはこの試合を見るに付け、今までの亀田ファミリーやTV局、マスコミの大騒動を頭の中から一切消して、純粋にレクソン・フローレスとの復帰戦を見つめていた。
そうでもしないと、先入観がじゃまをして正しい判断が出来なくなってしまうからだ。
亀田一家はマスコミに踊らされ、散々利用されその挙句に踏み潰された悲運の一家だからだ。
環境が変わった状況からの再出発。生まれ変わった亀田興毅として、彼の成長ぶりを観察してみようと思ったのである。
試合開始直前で、行き成りダウンを奪った彼は「これは行ける…」と思っただろう。それを目の当たりにした観衆も一瞬どよめき、このままKOで終わると思ったに違いない。
しかし、さすが世界ランク上位の選手ともなるとそう簡単に倒れてはくれない。試合そのものは終始、亀田興毅のペースで進んだが、6ラウンド辺りで興毅が首を傾げていた。
「おかしいなぁ、倒れへん、パンチは当たっているのに…」こんな疑問を自分自身に問い掛けていた。
8ヶ月ものブランクがあり、本番からかなり遠ざかっていた彼。その間激しいトレーニングを積んでも、やはり気の抜けない本番のリングとでは大きな差が存在する。
自分にパンチ力がないのではない、序盤でダウンを奪うほどの必殺パンチを持っている。
相手のボクシングが巧いのだ。追い込まれれば、頭をつけ、クリンチで交わしてくる。相手との距離を計算して深追いしないなど。防御の技巧派である。だから余計に興毅にして見れば実に戦いづらい選手だっただろう。
しかし、結果は3-0の文句の無い判定勝ち。本人は勝利に対しそれほど嬉しい表情は見せなかった。
やはりKOが頭から離れなかったのだろう。
亀田家の長男として、この試合はノンタイトルとはいえ、大きな意味を持つ試合だった。二人の弟たちに見本となるボクシングを見せなければならないという、大きな課題を背負っていたからだ。
父、史郎氏の下を離れ今新たな挑戦を目前にして、日々研鑽を重ねるその先にこそ自分の目指す夢があることを、弟たちにもボクシングを通して教えてあげることが出来るよう、成長していってほしいと思う。