この100タイトルもようやく半分に達しました。こんなの、書いたところで相手にされないか、と思いきや、行くご家庭の先々で僕が紹介した本があったりして嬉しい限りです。
できれば、これらのものも「きっかけ」として読書を続ける習慣にしてほしいものです。僕がずっと読書をしてきているのも、最初は大人が言うから、とか課題図書がきっかけではあったのですが、「向上したい」「もっといろいろ知りたい」という思いが強くなったから、続けられました。
やはり、ちょっと時間が空いた時に、すぐにスマホを取り出してゲームをするのと、そこで文庫本を開いているのでは、どうしても差が生じる気はしています。また、そのような行動様式の差からくる内面の差を、大人の方でも感じることがあります。僕は最近ではレジで並んでいる時ですら、文庫本を取り出します。(たまにがっつりハードカバーも取り出しますがw)
それはもう、「頭がよくなりたいから」というよりは、「もっといい本にであいたい」という感じであったり、もう「単純に楽しいから」であるのです。
読書といえば、小説を薦めることが一般の先生などは多いと思うのですが、特に男子はそれでは定着しない子が多いと思います。といいますのも、僕自身が小学生くらいのころ、小説でピンと来たことがないのです。「何がおもろいねん。漫画のがええわ」ってな感じでした。
そのころは、虫の飼い方、獲りかた、などのノウハウ本的なものの方が興味があったし、子供向け科学雑誌や、今日紹介するような「伝記」みたいなものの方が興味をそそりました。そういう子も多いのではないかと思います。
ということで、今日は人物編です。強烈で意義深い人ばかりをあげています。
<子供を伸ばすオススメ100タイトル――人物編2>
53、イチローインタビューズ 文章レベル★★
はい、先日、歴史上、世界でもっともたくさんヒットを打ったプロ野球選手になった、それが我らがイチロー・スズキ選手です。すぐ前の記事でもイチローについて語っている通り、もう僕はオリックス時代から追いかけすぎていて、冷静な判断ができていないかもしれません(笑)
このブログでも度々申し上げているように、イチロー選手の「勝利のルーティン」を受験生は大いに参考にしてもらいたいのです。たとえば、1日単位で、起きたら何をする、学校から帰ったら何をする、それをはっきりさせて、毎日しっかりと繰り返すことが結構大きなことを成すには大事なのです。
毎日が同じルーティンだと、「今日はここが調子悪いな」「あ、この分野きついな」などが、わかりやすくなります。つまり僕が常々、理想状態として挙げている、「自分知(自分で自分のことがわかる状態)」に近づくきっかけとなるのです。そして、その「今の」自分の状態にあわせて、柔軟にルーティンを微変化させていくことで、良いパフォーマンスができるようになるのです。
僕も当然、受験生時代や何かを成したい時は必ずルーティンを組むようにしています。
さて、イチロー書籍は全部ほぼ読んでいる僕なのですが、単にイチロー選手の名前がタイトルにあるだけで、しょーもない啓発本もたくさんあります。そのようなものには引っかかってほしくないですね。イチロー選手の生の声を聞けるのはこの辺りになろうかと思います。
イチロー選手は、若い頃は結構お調子者で、オリックス時代はイラッとするような発言も結構ありました。(そこも好きだったw)でも、メジャーに行き、ヒットを重ねていく中で、イチロー選手自体が成長を内面的にも遂げていて、それが僕らと同じような悩みであったりするので、感動してしまうのです。僕は当然好きすぎて、こないだの4256安打目も早起き(むしろ徹夜?)して見てましたw
本などで情報が入りすぎているので、感動がでかいのです。本にはこのような作用もあります。
この本は、マリナーズ時代のイチロー選手の言動が主に収められています。
他にも、イチロー書籍でのオススメは「262のメッセージ」シリーズ、矢沢永吉さんとの対談「英雄と哲学」や、糸井重里さんとの対談本(ただちょっと古い)などが良いです。メジャー10周年記念本なども良かったのですが、雑誌だったのでもう売ってませんねw
もちろん、火の鳥文庫などからでている、イチロー選手の伝記も良いです。
54、志高く 孫正義正伝 文章レベル★★★
日本が誇る強烈な実業家といえば、この人です。ソフトバンクの社長として知られる孫正義さんです。男子たるもの、この人から学ぶことは多いと思います。とくにふにゃらけた最近の若い人は読んでおくべきでしょう。
孫正義さんは、その名前からも分かる通り、在日韓国人の生まれです。まだ差別も露骨に厳しい昭和の生まれで、九州で嫌な思いもしてきています。
東京の方は、その辺に普通に外国人がいすぎてピンとこないかもしれませんが、僕の地元関西でも、「在日」と言われる方の差別のされ方はそれはひどいものでした。親戚でも少し年のいった方などは「目の細いやつにはついて行くな。在日や」など、単なる人権差別としか思えない言動も僕が子供のころはまだかなりありました。友達にも当然何人かはいましたが、僕自身はそのような差別意識はなく、優秀な友達も多かったです。
そんなですので、孫正義少年は、「日本にいてはダメだ」と高2でろくに英語も話せないまま、アメリカに単身わたり(この時の入試のエピソードもオススメ)、そこで大学生になった時に、会社を起こしたりして、数年で1億の個人資産を得ることに成功します。また、「1日1特許」を自分に課し、1年で250もの特許をとったりもします。なにせ、その強烈なエネルギー、ハングリー精神は今の僕達が失くしたものかもしれません。
差別された経験があっても、孫正義さんは日本が好きなのです。やがて1億を稼ぎだした会社を友人に売却し、日本に帰ってきます。そこで何をしたいか、を自答し、「300年先を見据えて」「調和的な企業をつくる」信念のもと、壮大な企業計画を実行に移していきます。稼ぎ方が汚い企業では、世の中に真の貢献ができず、結局すぐに潰れる、との信念を持ち、調和的に、しかし大胆に物事を進めていくのが孫さんの特徴です。
とにかく、生き方が強烈です。何回か死にかけてます。今の日本では、ソフトバンクとトヨタくらいしか「10年先も大丈夫だな」と思える企業は無いのではないでしょうか。そんなソフトバンクを一代で築き上げた男の生き様は、やはり素晴らしいです。多くを学ぶことができるでしょう。
ちなみにイチロー選手の「262のメッセージ」と同じ形式の本が孫正義さんでも出ています。そちらのほうは、軽く読めるし、言葉のチョイスも良いので結構オススメです。
55、14歳 千原ジュニア 文章レベル★★
連日テレビを賑わせている芸人さんたちですが、やはり必死で生き残ろうとする様は見ていて気持ちのいいものがあります。テレビに出ていても、必死になれていない、自分のことばかりで視野の狭い芸人さんはやはり「なんだコイツ」と思ってしまいます。その差を感じていくことは、テレビを見ることの数少ない? メリットです。
明石家さんまさんや松本人志さんなど、やはり叩き上げの末、「哲学的に深いもの」に到達している一流の芸人さんもちらほらいると感じます。その中で、僕が好きなのが、千原ジュニアさんです。
ジュニアさんは、小学校のころ、突然「私立受験する」といいだし、地域でも優秀な私立中学に合格します。1年の受験期間で驚異的なことではありました。ただ、その進学校に入学した瞬間「なんか違う」と違和感を感じ始め、中2になるころにはそのためか、引きこもり生活になってしまいます。
自分に正直なジュニアさん故の、正直な行動ではあったのですが、お母様を始め、その引きこもり生活が1年を数え、かなり参ってしまいます。その蘇生の様、中学生にして吉本興業の養成所に入る決意をする様、などが克明に描かれています。
引きこもり、という最近では社会問題化している現象を考えるきっかけにもなりますし、その引きこもりをしている人間の葛藤なども描かれています。引きこもりをしてもどうにもならないことは、当の本人もわかっていて、でもどうにもできない部分があるのです。
僕も中学時、私立進学校に通い始めて、また強烈な学校でしたので、当初ははっきり言って違和感だらけでした。この本を読んで、ある種自分に嘘をついて通っていたのだな、と気付きました。ジュニアさんのように自分に正直ではなかったのでしょう。でも、それでよかったのだとも思います。
引きこもらずに、正面切って挑んでいった分の見返りはもう十分に受けることができています。
こういうことを感じられる可能性がある、という意味だけでも僕は公立よりは私立を今はオススメしているのです。楽だからではありません。
56、浅草キッド ビートたけし 文章レベル★★☆
芸人さんの中で、成功している方には「温かい視線」があるな、と感じる方が多いです。ビートたけしさんもその一人です。
一時、中学受験では、たけしさんの少年時代を描いた「たけしくん、ハイ!」がよく出ました。そちらのほうも当然にオススメなのですが、やはり青春時代で芸人として駆け出しの時期にあたるこの本をオススメしたいと思います。
「菊次郎とさき」でもありますように、ビートたけしさんのお父さんは、仕事から家に帰っては、子供に暴力をふるう困ったお父さんでした。昭和の親らしく「学歴などいらん」「勉強なんかするな」と暴れ放題なのでした。
たけしさんとお兄さんの大(まさる)さんは、そのような中でそのような父親みたいになりたくなくて、勉強をし、大学にまで行かれています。ひどい親が立派な子供を反面教師として創ったのです。今の子供達なら、親の状況に文句をいって終わっているのではないでしょうか。
後年、そんなだった父親はたけしさんたちが大学に行ったことを飲みながら自慢していた、という話もありました。
この本では、学生運動などの煽りをうけて、その大学にもあまりいけなくなり、芸人になることを決意したたけしさんが、浅草の小屋に押しかけるところから、お師匠さんとの心のやり取りが描かれています。たけしさんは、この頃に教わったタップなどを今でも練習しているそうです。そのような僕らからは小さく思えることも大切にしている、のがたけしさんの温かいところです。
「たけしくん、ハイ!」「菊次郎とさき」など、たけしさんを描いた小説は、オススメです。薄いし、すぐに読めると思います。
57、野球にときめいて――王貞治、半生を語る 文章レベル★★☆
野球界においては、がっついた強烈な「自分」を持ち、他人を蹴落としていく強さを持った人が多く成功しているものですが、人格も伴っているといえば、まずは王貞治さんを挙げずにはおれません。僕の教え子に王さんと食事をした、という生徒がいましたが、その話を聞くにつけても別格の人格を持っていることを思わせます。
WBCに出たイチロー選手が、「かぎりなく白」とその人格を評した、王さんの控えめで実直なお人柄は、その厳しい選手時代や生い立ちにその因があります。
早稲田実業時代には投手としてノーヒットノーランも達成した王さんですが、プロではいきなり投手としては通用しない現実に直面します。そこから打者転向をし、コーチとの二人三脚の努力ののち「一本足打法」を編み出し、どんなにスランプになってもそのスタイルを変えることはありませんでした。868本と世界で一番ホームランを打っているのですが、その努力、自己管理のストイックさなど、ものすごい生き様がさらりと描かれています。
監督時代の苦労などもしっかり描かれていて、やはり立場が変わった人間の難しさなど、感じることも多いです。
王さん書籍は結構たくさんあります。どれもがオススメですが、つい先日も新しいものが出たみたいですね。
また、長嶋茂雄さんや野村克也さんの同時代のスターのものも合わせて読むと、結構深いところまでいけます。長嶋茂雄さんは「野球は人生そのものだ」野村克也さんは「無業の力ー私の履歴書」などがオススメです。
ノムさんに関しては、野球戦術の本を含め、僕は相当数を読んでしまっています。野球が好きであれば、オススメですね。元ヤクルト古田敦也さんの本も合わせて読むと、野球小僧は相当にうまくなるし、野球観が広がると思います。
58、成り上がり How to be BIG 矢沢永吉 文章レベル★★
こんなところまで薦めてしまうというw 日本随一のロックスター、矢沢永吉さんの自伝ですね。
僭越ながらミュージシャンとしての僕からしますと、日本でロックをしている、と本当にいえるのは音楽性、振る舞いなども考慮しますと、矢沢永吉さんだけだと思います。日本のローリング・ストーンズといっても良いと思います。
「成り上がり」は、広島から単身上京して、ロックスターになっていくまでの矢沢永吉さんの姿が描かれています。そのエネルギー、右も左も分からない中での葛藤、もがき。努力。それが、独特の永ちゃん口調で書かれています。
やはり、手ぬるくなった今の世代の若者に今こそよんで欲しい本です。でっかいことを志してみると、成否はどうあれ魂の成長が生まれます。
僕としては、その後、キャロルをやめてソロになり、離婚を経験、海外進出に失敗し、メディアなどとの関係で苦慮する姿が描かれた「アーユーハッピー?」のほうが好きです。当然、これもオススメです。
ライブの方も60を超えてなお、とんでもないパフォーマンスをしています。その辺の若造の演奏など屁にもならないくらいパワーがあります。見れる人は見ておいたほうが良いと思います。僕もちょくちょく行ってますw
ふう、今日も疲れたー。やはりせめぎあうようにギリギリのところを不断の努力で生きている人間の生き様を感じてほしいと思います。勉強よりも、勉強になる面があることでしょう。勉強の意味もわかると思います。
いつも読んでくださってありがとうございます。
このオススメ100タイトルの判断基準は、子供の「視野を広げ」「思考力を深め」「エログロナンセンスの少ないもの」といった感じになっています。ご活用いただければ幸いです。
お問い合わせいただいたメールに返信はできていますでしょうか? 迷惑メールとして処理されてしまって届いていないということがたまにあります。僕はどんな内容でも、1週間の間に必ず返信は行いますので、1週間経ってもこない方はお手数ですがもう一度しっかりタイトルなどもいれて送っていただければと思います。問題集に載っているアドレスの方にだしていただいても構いません。
5年生や受験学年でない方のコンサルも受け付けております。また、遠方の方も交通費さえ頂ければどこにでもいきます。(九州や群馬、栃木、大阪、奈良、兵庫、京都などもありました)
教え子の医学部留学生がブログをはじめました。医学部にご興味のある方はどうぞご覧になってください。医学部生のきつさや海外生活なんかの赤裸々なところがわかるかもですよ、むふふ。
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