監督・谷口千吉
原作/脚本・黒澤明
音楽・伊福部昭
三船さんのデビュー映画作品。
谷口千吉の 監督デビュー作品でもあり
伊福部昭さんにとっても
はじめて手掛けた映画音楽でした。
また
下積み時代の三船さんと 同じ下宿に住んで
「喜八ちゃん」「三船ちゃん」と非常に仲の良かった
岡本喜八さんが この作品で
助監督についています。
簡単あらすじ
江島 (三船敏郎)、野尻 (志村喬)、高杉 (小杉義男)の
銀行強盗3人組が
北アルプス山中に逃亡するが
高杉が雪崩に 巻き込まれて死んだ。
その後、
江島と野尻は 彷徨ったあげく
老人と孫娘、そして登山家の青年がいる
山小屋にたどり着く。
老人 (高堂国典) 孫娘・春枝 (若山セツ子)
登山家の青年・本田 (河野秋武)
やがて外は吹雪になり
当分は山を下りられない状態となり
2人はやむなく 小屋に留まることにする。
小屋のラジオは 電池切れで
老人たちは
銀行破りのニュースを知らない様子。
年長の野尻は
春枝や老人、本田の温かな人情に心を動かされるが
気性の荒く 粗野な江島は
彼らと交わることもなく
やがて 自分たちの正体をばらし
本田を脅し 山越えの案内をさせるが
野尻と江島は 次第に対立していく・・
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この映画の撮影は 北アルプスの雪山で行った。
当時の山岳ロケは すべて人力で機材を運ぶ。
アルプスの
白馬、唐松、黒菱への吹雪の中を
朝3時、4時の暗いうちから登る。
三船さんは 役者そっちのけで
60キロのバッテリーを担ぎ
いつも先頭を登って行ったという。
そして 撮影済みのフィルムが
つぎつぎ、東宝の編集室に送られてくると
そのフィルムを 黒澤明が
ムヴィオラという編集機で編集していく。
ムヴィオラというのは
レンズに顔を 押し付けて覗くもので
黒澤は ムヴィオラを通して
三船敏郎さんを 繰り返し見ているうちに
すっかり 惚れ込んでしまい
「三船はいいなあ、
千ちゃん、次は俺に貸してくれよ」と
次回作の『酔いどれ天使』に繋がった。
しかし
撮影に入る前、黒澤さんは
「馬鹿だなあ 千ちゃん、
大切な監督デビュー作品に
あんな得体の知れない男を使うなんて」
と言っていたと 谷口監督はバラした。
この作品のとき
三船さん27歳、志村喬42歳。
ロケの北アルプスの雪山では
撮影に協力した 早稲田大学・山岳部員たちが
志村さんの体に ロープを巻き付け
現場に引っ張り上げた。
若く体力に満ちた三船さんと
そろそろ 衰え始めていた志村喬だが
二人はこの後、51本の映画で共演した。
それにしても
三船さんの素敵なこと・・
そして、とてもデビュー作とは思えない
堂々の不敵な演技。
主演は志村喬さん、三船さんはワルで
途中で崖から落ちて 死んでしまうのに
ポスターの文字もトップ
映画のクレジット・タイトルも
トップに出ていた。
この作品は 1947年製作。
1947年は ジャスミンの生まれた年。
嗚呼、ハイハイしてでも
三船さんに逢いに行きたかったなあ。
おしまい







