『ハムネット』(2025年・イギリス) | Cinéma , Mon Amour.。.:*☆

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左脳は邦画で出来ておりまする╰(*´︶`*)╯


こんにちは


今日 ご紹介する映画は


『ハムレット』



   *・゜゚・*:.。..。.:*・'あらすじ'・*:.。. .。.:*・゜゚・*


16世紀、イングランドの閑村


一日の大半を、

鬱蒼と茂った暗い森で過ごす

アグネス(ジェシー・バックリー)



森の中で鷹を操り

呪い(まじない)の言葉を唱えつつ

薬草を煎じるアグネスを、人は『森の魔女』と揶揄した


そんな彼女を見初め、恋に落ちた男の名は

ウィル・シェイクスピア(ポール・メスカル)


ウィルもまた家業の革手袋職人でなく

劇作家になる夢を捨てきれず、がゆえに

独裁的な家長である父親から虐待を受けていた


変人(アグネス)と半人前(ウィル)は

双方の親から交際を反対されるが

既にアグネスが孕っていたため結婚を押し切り

やがて長女スザンナが生まれる。


妻子の為、父に罵倒されつつ革手袋を製作する

ウィルに、作家になることを諦めないでと応援する

アグネスをなだめ


ウィルは革手袋販路を求めロンドン行きを決め

第二子を妊娠中のアグネスは村で夫を待つことを選択する


第二子は男女の双子で、

女児はジュディス、男児はハムネットと名付けられた

ジュディスは虚弱だったけれど、革手袋を劇団に卸す傍ら

劇作家として自立するウィル


時折り帰省するウィルも子煩悩で


やがてロンドンへ戻るウィルは息子ハムネットに

『父さんがいない間は母さんと姉妹をお前が守るんだ』

と諭し、ハムネットも父との約束を違えないと違う。


離れていても、

ウィルとアグネス夫妻の絆は盤石のはずだった


家族は幸せだった


はずだったのだが、、、



原作は、何故シェイクスピアは早世した息子の名を

戯曲のタイトルにしたのか?をマギー・オファーレルが

独自の解釈で認めた小説『ハムネット』


親にとって幼くして我が子を失うということほど

哀しいことはない、それは誰もがうなづけることで


結婚式で誓ったように

哀しみ深い時も喜びに充ちた時も共に過ごし

愛を持って互いを支え合って哀しみを乗り越える、、、


そして哀しみは半分にすることが

夫婦のあるべく姿なのだろうけれど

しかし現実はなかなかそうはならない


それは逆縁の不幸に際し

母親の哀しみ以上の哀しみなど

この世に存在するわけがない


という揺るぎない確信を

当の母親側が皆持っているからではないかと思うのです


特に今作の主人公アグネスには

そこのところが顕著でした。


自分を出産した際に母が亡くなり

お約束どおり継母は意地悪でしたから

アグネスの理解者は家長となった同腹の弟だけ

(実父も亡くなっている模様)


姉弟の母は森からやってきた

継母曰く、ジプシー(台詞のまま)


先見が出来、薬師の才もあり

ジプシーゆえの才はアグネスにも引き継がれ

そこら辺りが継母が義娘を忌避する要因かと思われ

まぁそもそもが生さぬ仲ですしね


異能のアグネスが祈れば

仮死状態だった次女も息を吹き返し


自身が甘受出来なかった

生母の愛を惜しみなく我が子へ


けれど愛しい息子を救えなかった、、、


生きる意味を見失ったアグネスに

寄り添おうとする夫、ウィルを責め

『貴方は苦しんで逝ったハムネットを見ていないから』と。


言外には


『いてほしい時にいなかった貴方に

わたしの哀しみがわかるはずがない』と。


それまでは、そのままの君で良いと

全てを包んでくれたウィルに対して献身的だった

アグネスの変貌になす術もないウィル


『生きるべきか 死ぬべきか』


追い詰められていくウィル


哀しみと折り合いをつけるため

彼が選んだ手段が『ハムレット』の創作であり

評判となった夫の舞台を観たアグネスは、、、



ラストの劇中劇『ハムレット』


その数分間が今作の白眉と申しましょうか


アグネスという

他者と迎合出来ない女性が、

それゆえに観客からすると全幅の共感が出来ない女性が


それでも、

劇『ハムレット』に込めた、子を失った父親の

哀しみに気づく様を、エキセントリックに陥る手前で

寸止めし表現したジェシー・バックリー


強者女優爆誕を観たな、わたし。




大切な人との別れを

経験したことのない人などいないでしょう


アグネスの姑(演者はエミリー・ワトソン)も

三人の子を失っております


哀しいのは自分だけじゃない

哀しみは乗り越えていかなきゃならないんだって

そのために人は一人じゃないんだって

なるたけ早く気づいた方が、その後の実りある人生に

繋がるのではって思いましたよ





監督はクロエ・ジャオ


ちなみに『ハムネット』『ハムレット』


どちらの呼び名も正解だそうです