(The Garl with the n Needle)
*・゜゚・*:.。..。.:*・'あらすじ'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
第一次世界大戦末期の
デンマーク、コペンハーゲン
戦地から戻らない夫を待つカロリーネ
(ヴィクトーリア・カーメン・ゾネ)は
製紙工場で働いてはいるものの
女一人の稼ぎは乏しく、家賃滞納で
永年住んだアパートを退去させられてしまう。
工場長ヨルゲン(ヨアヒム・フェルストルフ)に
寡婦年金を申請するも、夫の生死が判明しない限り
年金は支払われないと告げられ、万策が尽きるが
彼女はヨルゲンのお眼鏡に叶い、結婚の約束をかわす
だがそのタイミングで
夫ペーター(セシル・ベジリ)が帰還。
しかもペーターは顔を酷く損傷しており、カロリーネは
『他の男性と結婚するの、妊娠もしてるの
だから、わたしの前から消えてっ!』と
ペーターを切り捨てた。
妻に異を唱えることなく
宵闇に一人消えて行くペーター、、、
そうまでして手に入れようとした玉の輿婚は
ヨルゲンの母である男爵夫人に阻まれ、
母に逆らえないヨルゲンに
あっさりと捨てられたカロリーネ。
製紙工場もクビとなり、自らの手で
堕胎しようとしたカロリーネを助けてくれたのは
飴屋を営むダウマ(トリーン・ディルホルム)で、
『もし困ったらわたしを訪ねて』と
アドレスを手渡される。
その後、日雇いで稼ぎながら
一人で出産したカロリーヌは
すげなく追い出した元夫ペーターが、
サーカス団にいると知り彼を訪ねるが
赤子を我が子のように愛おしむベーターに居た堪れず
今度はカロリーネが彼の元を去る
やがて飴屋のダウマを頼ったカロリーヌは
彼女が裏で無許可の養子斡旋業を営んでいると知り
子を引き渡すことを決意。
それには大金を払う必要があったのだが
お金がないカロリーヌは養子縁組を待つ赤子たちの
乳母となる条件で、ダウマの家に居候することとなる
『赤ん坊の行き先は弁護士や医師よ』
と、宣うダウマの言葉を信じたカロリーネ
しかし現実は、、、、
舞台は100年程前のデンマーク
女性の地位は低くさらには戦時下ですんでね
『お針子』として軍服を縫うことで
銃後を守る一員として滅私奉公は強いられど
しかも夫を戦争に駆り出されながら消息が不明だからと
ヒロインカロリーネは、公的な補償も受けられずにおり
ました。
だから工場長に身染められた何も持たないカロリーネが
『お針子』以外に出来る『子を成したこと』での結婚は
彼女なりの処世術なのだろうなと思った次第で、
カロリーネが仲の良い同僚に弾んだ声で言うんです
『わたしが結婚したら貴女に侍女長になってもらうわ』
って、、、
聞いてるこちらは
青い血が流れる、あの怖ぇぇーおっかさんが
どこの馬の骨とも分からぬアナタを嫁と認めるわきゃ
ないでしょって、絶対に無理だって思ったんですけども
案の定結婚を反故にされたばかりか
仕事も首になってと、益々詰んでいくカロリーヌ
太っい針を自らの子宮に刺し
堕胎を試みるも失敗し、出血しようが
飢えに苦しもうが、脆弱な母親の養分を吸い取って
この世に誕生した我が子、、、
けれど育てることは出来ないから
ダウマを信用し養子に出してしまうのです
カロリーネみたく
妊娠を結婚への足がかりにしようとした者
或いは、望まぬ妊娠をした者も沢山いて、故に
ダウマのようなもぐりの養子斡旋業者が成立して
しまったのだろうなって。
耳元でダウマが囁く
『あんたたちは良いことをしたんだ』で
子を捨てる罪悪感をカロリーヌたちは帳消しにしていく
そうして養子に出された子らはどうなったのか?
本当にエリート一家に貰われていったのかについて
言及はここでは控えますが、今作は1920年に
実際にデンマークで起きた『ダグマー•オーバーバイ事件』
が題材となってますのでそちらを調べて頂ければと
思います。
魅力的な登場人物はいないと申し上げましょう
それは戦争がそれぞれが持つ本来の性分を
マイナスに向けたとも申せますが、しかし
その中にあって唯一その戦争の物理的被害者である
カロリーヌの元夫、ペーターには心揺さぶられます。
妻に捨てられ、たどり着いたサーカス団
そこで崩れた顔面を見せ物として食い扶持を凌ぐ、、
御國のためにと戦って負傷したペーターを
観客は『バケモノ』と揶揄し、指差し、見下す。
それでもブレずに自身の足で立ち続けるペーター
ここ、サーカス団で生きていくしかないと
腹を括った漢は、自らここを安寧の地へと導く
それは死戦を潜り抜けた者にしか辿り着けない境地
であり、彼だけが前を向いている、、、
彼はとても強い
強いから優しいのだとも思いました
彼を醜いと嘲る方こそが
ホンマにホンマ、醜いのであって
そういったことも含め、後味はよろしくない作品では
ありましたね
ただね
我々が生きる今の世界って
この『ガール・ウィズ•ニードル』の頃に
逆行している気がして、決して100年前に
完結した物語ではないなとも感じてしまうのです
戦争は人間が持つ悪を引き摺り出しますから
そうしてまたぞろ
第二のカロリーネやダウマ、ペーターを生み出すのだ
なんてことを考えて
悪寒を覚えながら
映画館を後にしたのでした。










