朝――
テチテチ……
ジャンジャン和尚。
今日も托鉢へ。
鉢を抱え、真面目な表情。
「今日は良いご縁がありますように……。」
一歩。
また一歩。
テチテチ……
すると――
キンブリ不動産。
前を、たまたま通りかかる。
店先には、色とりどりの物件チラシ。
『駅近』
『日当たり良好』
『ペット相談可』
ジャンジャン和尚
「猫も住めるでありますな。」
そうつぶやいた瞬間――
ガラッ。
ドアが開く。
キンちゃん登場。
「おっ!ジャンジャン和尚!」
ジャンジャン和尚
深々と一礼。
「こんにちはであります。」
キンちゃん。
「今日は托鉢?」
ジャンジャン和尚
「はい。」
「皆さまとのご縁をいただきながら、
歩いているであります。」
キンちゃん。
「それは立派。」
少し歩きながら話す二人。
キンちゃん。
「今日はどこまで?」
ジャンジャン和尚
少し考え……
「今のところ、団子屋までであります。」
キンちゃん。
🤣🤣🤣
「目的地がお寺じゃない!」
ジャンジャン和尚。
真顔。
「托鉢は心を満たし、団子はお腹を満たすであります。」
キンちゃん。
「正直すぎる!」
二人で笑う。
その時――
ふわぁ~~……
どこからともなく、
甘い香り。
ジャンジャン。
ピタッ。
耳がピクッ。
鼻がヒクヒク。
キンちゃん。
「え?」
ジャンジャン和尚
真剣な顔で、風向きを確認。
右。
左。
もう一度クンクン。
「みたらし……
いや……
こしあん……
さらに……
草団子も混ざっているであります。」
キンちゃん。
「香りだけで分析した!」
ジャンジャン和尚
静かに目を閉じる。
「間違いない。」
「半径三百メートル以内に、団子屋があるであります。」
次の瞬間――
🏃💨💨💨
0.0秒ダッシュ。
鉢を抱えたまま、
一直線。
キンちゃん。
「あっ!」
「あいさつ終わったらもう行った!」
遠くから――
「団子が拙僧を呼んでいるでありますーーーっ!!」
さらに遠くから――
「一本だけ……一本だけ見るでありますーーーっ!!」
キンちゃん。
ポカーン……
店の前で腕を組む。
「結局……」
「良いご縁より、甘いご縁だったか。」
すると店内のスタッフが、
「今の方、物件を探してたんですか?」
キンちゃん。
笑いながら首を振る。
「いや。」
「探していたのは
家じゃない。」
「団子だ。」
その頃――
団子屋。
ジャンジャン和尚
「やはりここでありました!」
店員。
「いらっしゃいませ。」
ジャンジャン和尚
鉢を差し出し……
「托鉢中であります。」
店員。
ニコッ。
「お茶どうぞ。」
ジャンジャン和尚
👀✨✨
「ありがとうございます!」
一口飲んで、
静かにうなずく。
「ご縁とは……」
「思いがけない場所で
いただけるものでありますな。」
その横には――
🍡🍡🍡
しっかり団子三本。
店員。
「それ、お買い上げです。」
ジャンジャン和尚、お金支払う。
😅💦
「こちらは、煩悩枠であります。」
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