ある日、村に「無料」がやってきた① | 猫ポスト

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コーギー、猫との暮らし。昨年はベンガル猫をお迎えし、ダックスと銀次郎を看取りました。

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村の掲示板に、朝いちばんで張り紙が出た。



書いた人:不明


最初に気づいたのはジャンジャン和尚だった。


「無料……」

二度見。


「無料……!?」

三度見。


鐘を鳴らす勢いで走る。

「無料が来たーーーー!!!」



村、総出動


・おばあちゃん → 漬物を袋ごと持参

・子ども → 皿を持参

・農家 → 軽トラで来た

・テツオ → なぜか腕を組んで立っている

・トラ住職 → いつも通り静か


中央には大きな机。

その上に置かれていたのは、空の箱


ざわざわ。

「何もない…?」


箱の前に小さな紙。

「好きなだけどうぞ」



ジャンジャン和尚、恐る恐る覗く。

「……空です」


その時、チビ子村長が現れる。

ゆっくり歩き、箱を見る。

少し考える。


そして——

箱に手を入れ、何かを掴む仕草。

「……ほう」


何も持っていない手を見つめ、頷く。

「これは上質だ」


村人、動揺。

「何が!?」


村長、厳かに言う。

「軽い」


まさかの連鎖


おばあちゃん、真似する。

「ほんとだ、軽い」


子ども

「ぼくも!」


農家

「大量に積めるぞ」


ジャンジャン和尚、パニック。

「何が起きてるの!?」



トラ住職、静かに言う

「重いものを持たないという幸福です」


全員「なるほど……」


村、なぜか納得


・腰の悪いおじいさん → 「助かる」

・子ども → 「いっぱい持てる!」

・農家 → 「燃費がいい」

・テツオ → 無言で頷く


ジャンジャン和尚だけ理解不能。

「でもお腹は満たされないよ!?」


村長、ゆっくり振り向く

「満たす必要があるのか」


ジャンジャン和尚、止まる。


村長は言う。

「満たされないままでも、人は案外、元気に生きる」


沈黙。


つづく。


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