夜――
ニャン寺。
月、明るい。
風、静か。
塀の上。
しなやかな影。
怪盗・たま緒。
低くつぶやく。
「……今日は私の番ね。」
目的:寺にあるという“伝説の鈴”。
(※値打ち不明だが高そう)
着地。
無音。
完璧。
――のはずだった。
「おお、新しい警備員かの?」
振り向く。
そこにいたのは――
チビ子村長。
たま緒、0.3秒で判断。
(怪盗 → 警備員に職業変更)
腕組み。
直立。
無言。
テツオの完全コピー。
村長、感動。
「素晴らしい姿勢じゃ!!」
たま緒(心の声)
(いける。)
そこへ。
本物。
腕組み。
直立。
無言。
テツオ。
並ぶ。
完全に同じポーズの猫、二体。
村長、さらに感動。
「シンメトリー!!」
たま緒(心の声)
(シンメトリーって何!?)
沈黙。
テツオ、ちらりと見る。
3秒。
そして――
小さく、うなずく。
たま緒(心の声)
(合格!?)
なぜか通った。
そのとき。
足音。
コツ…コツ…
現れる影。
メルタン住職。
にこやか。
全部わかっている顔。
「新しい方ですね。」
たま緒。
「……はい。」
即答してしまう。
しまった。
メルタン住職、やさしく微笑む。
「では、ちょうど良かったです。」
嫌な予感。
「明朝、托鉢があります。」
たま緒。
「……は?」
メルタン住職。
「人手が足りなくて。」
断ろうとする。
だが。
テツオ、無言で見る。
圧。
村長、うなずく。
「若いのに感心じゃ!」
逃げ場、ゼロ。
たま緒。
「……少しだけなら。」
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