春の朝。
ニャン寺の本堂。
チビ子村長は、正座していた。
珍しく、背筋が伸びている。
ジャンジャン和尚、目を丸くする。
「村長……今日、どうしたんですか?」
チビ子村長、ゆっくり目を開ける。
「昨夜、本を読んだのだよ。」
「本!?」
「タイトルは――
“一日で悟れる人の習慣”」
ジャンジャン、拍手。
「すごいです!!もう悟りました!?」
チビ子村長、遠くを見る。
「うむ。
まず、“衝動で動かない”と書いてあった。」
その瞬間――
外から声。
「焼きたて団子でーす!!」
チビ子村長、消える。
ジャンジャン、振り向く。
日除がまだ揺れている。
3秒後。
村長、団子を両手に戻ってくる。
「……これは例外だ。」
ジャンジャン、真顔。
「悟り、早すぎません?」
村長、団子を一本差し出す。
「ジャンジャン君。
悟りとはね――」
もぐもぐ。
「空腹では考えられないということだよ。」
ジャンジャン、感動。
「もぐもぐ‥深い……!!」
そこへ通りかかるトラ住職。
一言。
「それは悟りではなく、ただの本能です。」
静寂。
チビ子村長、うなずく。
「本能もまた、尊い。」
ジャンジャン、全力でうなずく。
この話の“ちょっとためになる所”
人は完璧にはなれない。
でも、自分の弱さを笑える人は強い。
ニャン寺の朝は、今日も平和だった。
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