モモ和尚とトラ住職 | 猫ポスト

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コーギー、猫との暮らし。昨年はベンガル猫をお迎えし、ダックスと銀次郎を看取りました。

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夕暮れのニャン寺。

境内に、柔らかな風が流れていた。


モモ和尚は、縁側に腰を下ろしていた。

その横に、トラ住職が静かに座る。



しばらく、言葉はない。


モモ和尚が、ぽつりと口を開く。

「……旅をしていると、

 いろんな別れに出会いますね」


トラ住職は、ゆっくりうなずくだけ。


「守れなかったものも、

 置いてきた想いも、

 全部、背中に積んだままです」


モモ和尚の声は、穏やかだったが、しっぽの先が、わずかに揺れていた。


トラ住職は、空を見上げる。

「……それで、よいのです」


モモ和尚が、少し驚いた顔をする。


トラ住職は続ける。

「置いてきたのではありません。預けてきただけです。想いは、ちゃんとそこに残っています」


風が吹き、境内の木々が、さわりと鳴った。


モモ和尚の目に、光がにじむ。

「……では、

 私はまだ、間違っていないでしょうか」


トラ住職は、静かに微笑んだ。

「迷っているうちは、

 まだ、道の途中です」


「道の途中にいる者は、

 必ず、誰かの灯になります」


モモ和尚は、深く一礼する。

「……ありがとうございます」



トラ住職は、何も言わない。

ただ、そこに座っている。


夕焼けが、ふたりを包む。

その沈黙は、答えよりも、やさしかった。


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