前回の続きです。



 

夫の「まあ、普通」という一言に妙にイラついた。

たったそれだけのことなのに。

 



 

え、もっと話してよ。

もっと興味を持ってよ。

私が話しかけたんだから、もう少し楽しそうにしてくれてもいいじゃない?

 

そんなことを思っていた。

でも、一晩寝てから考えてみると少しおかしかった。

 



 

夫は別に何も悪いことをしていない。

漫画を読んで「普通だった」と答えただけ。

 

そもそも、夫は昔からそういう人だった。

付き合ってた頃だって、私のほうがよくしゃべっていた。

私がダラダラと話し始めて、夫が「うん」と聞く。

 



 

それで十分だったはずなのに。

いつからだろう。

私は夫に、もっと私を楽しませてほしいと思うようになった。

 

もっと話を広げてほしい。

もっと私の気持ちを察してほしい。

もっと夫婦らしくいてほしい。

 



 

考えてみれば、ずいぶん沢山求めているなー…。

やばいな。

 

子育てをしている頃は、そんなことを考える暇もなかった。

忙しすぎて夫婦の関係について考える余裕なんてなかった。

 

それが、子どもの手が離れてきた途端

急に目の前に夫がいる。

 



 

長い間、子どもを挟んで向き合ってきた人が

今度は子どもなしで目の前にいる。

そのことに、私は戸惑っているのかもしれない。

 

夫が変わったわけではなくて、私も変わった。

たぶん、夫婦の形も変わった。

 

そして私は

自分の「許せる範囲」が

昔よりずいぶん狭くなっていることにも気づいた。

 

ちょっとした反応の薄さに傷つくし

少し期待と違うだけで腹が立つ。

相手に何かしてもらうことばかり考えてしまう。

 



 

私はずっと、誰かのために動いてきたつもりだった。

でも、そのぶん「誰かが私を満たしてくれること」も

いつの間にか期待していたのかもしれない。

 

夫なら分かってくれる。

夫なら私を楽しませてくれる。

夫婦なんだからそれくらいしてくれて当然。

そんなふうに。

 



 

でも、夫は夫で、自分の人生を生きているんだよね。

当たり前のことなのに、近すぎる相手にはそれを忘れてしまう。

 

夫に楽しませてもらおうとしない。

会話が続かなかったらそれでいい。

私が話したいなら私が話せばいい。

夫があまり話さないなら、その沈黙も受け入れてみる。

昔の二人に戻る必要もない。

子どもが生まれる前の私たちを、もう一度取り戻す必要もない。

 

あの頃の私たちには

あの頃にしかなかった時間があったし

 

今の私たちには

今の私たちにしかない時間があるよね。

 



 

今って、もう一度二人になる練習をしてる感じがする。

 

漫画の話をして、夫の反応が薄くて、私が勝手にがっかりして笑

それでも、次の日にはまた何か話してみる。

そんなことを繰り返していけばいいかな。

 

いつか子どもたちが今よりももっと家にいる時間が減って

家の中が今よりずっと静かになったとき、

夫と私の会話が少しでも残っていればいいか。

 



 

大げさなことじゃなくていいし

とりとめのない言葉でいい。

 

長い年月を一緒に過ごしてきた夫婦だからこそ

最後に残るのは、案外そういう小さな会話なのかもしれないな。

 

だからまあ、今日のところはこれでいいか…。

漫画の話はたいして盛り上がらなかったけれど笑

 

それでも私は、子ども以外の話題で

久しぶりに夫に話しかけた。

 

そして夫もちゃんと返事をした。

それだけで今日は十分だね。

 

次回に続きます!



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