前回の続きです。
“イノベーション”と“幸せ”のつながりについての講義を伺いながら、
この2つテーマは、“ワークエンゲージメント”にもつながることではないかと感じています。
「ワーク・エンゲイジメントの高い人とは,仕事に誇り(やりがい)を感じ,熱心に取り組み,
仕事から活力を得て活き活きとしている状態にある。(島津,2010)」
まさにこのような状態に人があるときに、“イノベーション”を起こしやすく、
“幸せ”な状態であるのではないかと感じたため、
“イノベーション”と“幸せ”それぞれについて“ワークエンゲージメント”とのつながりを
今日は考えてみたいと思います。
まず、“イノベーション”と“ワークエンゲージメント”については、
「従業員のエンゲージメントは、生産性、創造性、革新性、顧客サービスなどの従業員自身の役割やそれ以外での振る舞いを積極的に高める。(Piyali et al.,2002)”」という
論文内容からも創造性・革新性を“イノベーション”と捉えるならば、
つながりがあると考えられます。
次に、ワークエンゲージメントと“幸せ(ここでは幸せの4つの因子)”についてのつながりについて考えてみたいと思います。
“ワーク・エンゲージメント”の規定要因としては,仕事の資源(job resources)と個人資源(personal resources)が、これまでの実証研究で明らかにされています。(島津,2010)(Schaufeli et al.,2002 )(Bakker et al.,2007)
島津(2010)によると、「自分を取り巻く環境 を上手にコントロールできる能力や
レジリエンス と関連した肯定的な自己評価」(Hobfoll et al.,2003)で、
個人資源が高まることを述べています。
まさに、このことは、幸せの4つの因子“前向きと楽観(なんとかなる因子)”
“独立とマイペース(あなたらしく因子)”とつながりが深いと感じています。
前向きで楽観的であるからこそ、自分を取り巻く環境を上手にコントロールすることができ、
レジリエンスと関連した肯定的な自己評価をできるのではないかと感じます。
また独立とマイペースさがあると周囲からどのような否定をされようとも
自分を信じて肯定的な自己評価を保っていられるのではないかと思うからです。
さらに、「仲間意識の醸成・人間関係の向上」によって、
ワークエンゲージメントのもう一つの要素である仕事の資源が高まると考えています。
なぜならば、仕事の資源とは,仕事において
①ストレッサーやそれに起因する身体的・心理的コストを低減し,
②目標の達成を促進し,
③個人の成長や発達を促進する機能を有する物理的・社会的・組織的要因である
(島津 2010)(Schaufeli et al.,2002 )(Bakker et al., 2007)と述べられているからです。
これは、幸せの4つの因子“つながりと感謝(ありがとう因子)”
“自己実現と成長(やってみよう因子)”につながるのではないでしょうか。
「仲間意識の醸成・人間関係の向上」によってつながりや感謝が増えると考えられ、
上記にある“③個人の成長や発達を促進する機能を有する物理的・社会的・組織的要因”とは、自己実現と成長を促すことであると感じるからです。
自分自身にとって関心のある3つの要素
“イノベーション”と“幸せ”と“ワークエンゲージメント”のつながりに着目しながら、
これからも研究を深めていきたいと思っています。
【参考文献】
◆Bakker et al. (2007) Bakker AB, Demerouti E:The Job DemandsResources model: State of the art. J Manag Psychol 22:pp.309-328, (2007)
◆Piyali et al. (2016) Piyali Ghosh, Alka Rai, Anamika Singh, Ragini:Review of Integrative Business and Economics Research, Vol. 5, no. 2, pp.1-10, April 2016
◆Schaufeli et al. (2002) Schaufeli WB, Salanova M, Gonzalez-Romá V, et al:The measurement of engagement and burnout: A two sample confirmative analytic
approach. J Happiness Stud 3:pp.71-92, (2002)
◆Shimazu (2010) Akihito Shimazu:Individual- and Organizational-focused approaches in terms of Work Engagement Jpn J Gen Hosp Psychiatry(JGHP), (2010)