映画『ガス人間第1号』感想|怪物ではなかった…60年前の名作を初鑑賞 | ほくとの気ままなブログ

ほくとの気ままなブログ

ブログの説明を入力します。

ガス人間は怪物ではなかった…。

 

映画『ガス人間第一号』

 

~Netflix版を見る前に60年前の名作を初鑑賞!~

 

 

■作品概要

1960年/東宝/91分

 

<監督> 

本多猪四郎

<特技監督>

 円谷英二


<キャスト>

 三橋達也、

八千草薫、

土屋嘉男、

左卜全

 

■内容

生体実験の犠牲で、身体をガス化できる特殊能力を持ってしまった男(土屋嘉男)と、彼の愛する美しい女(八千草薫)、春日流家元・藤千代との悲恋を描いたSFスリラー。

強盗殺人を捜査する岡本警部補たちは、容疑者として日本舞踊の家元・藤千代に目を付けた。だが、彼女は無実であると主張する男が現れる。

 

Netflixリメイクの原点『ガス人間第一号』(1960)解説|SF ...

 

彼・水野こそ、自在に身体を気体化できる能力を以て、強盗を働いていた真犯人だった……。

 


水野がガス化していくシーンなどが特撮的な見所。本作のBGMは『ウルトラQ』にも使用された。


<allcinema>

 

************************

 

 

■Netflix版を見る前に、まずはオリジナルを!

実はこの作品、午前十時の映画祭で今年12月に上映予定。本来は劇場で初鑑賞するつもりでした。

ところが最近、Netflix版『ガス人間』のCMが頻繁に流れ、一気に気になってしまいました。

これはもう待っていられない(笑)。

 

以前ブログで書いた『新幹線大爆破』

 

 

のように、「オリジナルと現代版を比較してみたい」そう思い、配信でひと足早く鑑賞しました。

 

 

■モンスター映画ではなく、悲哀を描いた作品だった

正直なところ、最初は怪物を知恵で倒していくような特撮映画を想像していました。

ところが、そうではありませんでした。

この作品の根底に流れているのは、怪物ではなく「悲哀」です。

 

 

ガス人間となってしまった水野は、

自らの欲望のためではなく、

愛する藤千代への恋心ゆえに銀行強盗を重ねてしまう。

 

 

若き日の八千草薫の美しさには思わず見とれてしまいました。

本当に美しく気品あふれる佇まいは、水野が人生を懸けてまで守ろうとした理由にも納得です。

 

気が付けば、怪物ではなく、一人の男の悲哀に心を動かされていました。

 

 

 

昭和作品らしい「個人 vs 社会」という構図の中で、人間の業や切なさが静かに描かれており、観終わった後も水野の孤独が心に残ります。

 

■予想を覆した衝撃のラスト

警察はガス人間を捕らえるため、藤千代の晴れ舞台となる劇場で壮大な作戦を決行します。

 

 

ガス人間を一気に抹殺するため、あるスイッチが押されるのですが……

 

これが失敗。

万事休すか!?

 

しかし、本当に驚かされたのはその後でした。

「え~~、そういう結末になるの!?」

 

予想もしなかった壮絶なラストが待っていました。

実は、このクライマックスにはNetflix版でもオマージュされた演出が登場します。

オリジナルを観てからだと、

「あっ、これか!」

と思えるはずです。

ここはぜひ、お見逃しなく!

 

■円谷英二の特撮は今見ても見応え十分

1960年の作品ですから、

もちろん時代を感じる部分はあります。

それでも、ガス化していく描写や映像表現は、当時としてはかなり革新的だったのでしょう。

 

 

円谷英二の特撮技術は、今見ても思った以上に違和感がありません。もちろん最新CGには敵いませんが、60年以上前の作品とは思えない完成度でした。

 

■実は「変身人間シリーズ」第3作だった!

今回調べて初めて知ったのですが、本作は東宝の「変身人間シリーズ」第3作なのだそうです。

 

しかもシリーズ共通のテーマは、

「人間の業や悲しみ」

単なるモンスター映画ではなく、

人間の心を描く作品群だったのですね。

 

 

海外の怪物映画とはまた違う、

どこか日本らしい哀しさが感じられました。

これは他の変身人間シリーズもぜひ観てみたくなりました。

 

■そして次はいよいよNetflix版へ

今回オリジナル版を観たことで、Netflix版を観るのがますます楽しみになりました。

 

果たして60年以上の時を経て、この名作はどのように生まれ変わったのか。

 

次回は、

話題のNetflix版『ガス人間』。オリジナルを踏まえて、どのように現代へアップデートされたのか、じっくりレビューしたいと思います。

 

■ほくと的まとめ

怪物映画だと思って観始めたら、

最後に待っていたのは、

切なく、

美しい悲恋の物語でした。

 

 

本多猪四郎監督と円谷英二特技監督。

日本特撮界を代表する二人が生み出した名作は、60年以上経った今でも十分に観る価値のある一本だと思います。

 

それにしても、若き日の八千草薫さんは本当にお綺麗でした。

 

評価:5点満点中3.7

(画像すべてお借りしました)

 

 

***********************

 

★(おまけ)

幻の続編が存在した!

 

実は『ガス人間第1号』には、幻の続編企画がありました。1963年、関沢新一氏が執筆した『フランケンシュタイン対ガス人間』という脚本です。

 

生き延びた水野が、藤千代をよみがえらせるため、フランケンシュタインを利用するという壮大な物語だったそうです。

 

残念ながら映画化はされませんでしたが、企画は後に『フランケンシュタイン対地底怪獣』へと発展。

 

フランケンシュタイン対地底怪獣 - Wikipedia

 

もし実現していたら……特撮ファンにはたまらない一本になっていたかもしれませんね。