昭和と平成を震わせた“女帝”の真実
Netflixドラマ
「地獄に堕ちるわよ」(全9話)
昭和から平成にかけて“最もテレビを支配した女”のひとり、細木数子。
当時リアルタイムで彼女を見ていた世代には懐かしく、知らない世代には「こんな時代が本当にあったのか…」と驚かされる作品でした。今回は、GWに一気見したNetflixドラマ「地獄に堕ちるわよ」の感想を書いてみたいと思います。
<監督>
瀧本智行、大庭功睦
<主なキャスト>
・戸田恵梨香(細木数子役)
主人公。戦後の貧困を生き抜き、銀座のママ、そして稀代の占術家へと登り詰める。

・伊藤沙莉(魚澄美乃里役)
細木数子の謎に満ちた過去を追う作家。

・三浦透子(島倉千代子役)
昭和を代表する歌手。数子とは単なる仕事仲間を超えた深い友情で結ばれる。
・生田斗真(堀田雅也役)
数子が若き日に深く愛した人物。
・杉本哲太(滝口宗次郎役)
数子の背後に見え隠れする実力者。
・石橋蓮司(安永正隆役)
数子に多大な影響を与える思想家。
・富田靖子(細木みね役)
数子の母。
■内容
昭和から平成にかけて六星占術ブームを巻き起こし、バラエティ番組での決め台詞「地獄に堕ちるわよ!」で一世を風靡した占術家・細木数子。
戦後の貧困から立ち上がり、「銀座の女王」と呼ばれたナイトクラブ経営者時代、そして独自の占術を編み出し、メディアの寵児となっていくまでの激動の半生と、その光と影を描く実録風伝記ドラマです。
■あらすじ
戦後の混乱期。どん底の生活から這い上がるため、若き日の細木数子は夜の世界へ身を投じます。
天性の才覚で20代にして銀座で成功を収めるものの、その裏では多くの裏切りや喪失を経験していました。
時が流れ、テレビ番組で“視聴率の女王”として君臨する数子。
その圧倒的な存在感に魅了された作家・魚澄美乃里は、彼女の過去を紐解こうと取材を開始します。
そこには、記録には残されていない女傑の真の姿と、彼女が愛した男たち、そして一人の歌手との深い絆の物語がありました。
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■GWに全9話一気見!
いやぁ~、GWに一気見してしまいましたよ。
細木数子という人物を、一度はテレビで見たことがある方も多いのではないでしょうか?
自分も当時、テレビ番組でかなり見ていた記憶があります。
■モンキッキーやHG…当時を思い出す演出
タレントの改名では、おさる→モンキッキーなどもよく覚えていますし、リアルタイムで観ていました。
そして劇中にも登場するレイザーラモンHG(本人役)。
収録後に細木数子へ謝罪したという裏話も再現されていました。
彼を見て、
「あっ、そうだ出ていた!」
と当時を思い出しましたね(笑)。
あの“フォー!”のキャラそのままで登場し、腰を振るパフォーマンスを細木さんの目の前で披露していたのも印象的でした。
■当時は知らなかった細木数子の人生
ただ、当時の自分は、彼女がどのようにしてマスコミを含めた表舞台で成功したのか、またどんな生い立ちを歩んできた人物なのかまでは知りませんでした。
そして島倉千代子さんとの関係も、この作品で初めて深く知ることになります。

■「人生いろいろ」が刺さる…
その島倉さんが歌う「人生いろいろ」。
当時は「ノリのいい曲だな」くらいの印象しかありませんでした。

しかし、この作品を観た後に歌詞を聴くと、不思議なくらい胸に刺さってきます。
死んでしまおうなんて♪
悩んだりしたわ♪
バラもコスモスたちも♪枯れておしまいと♪
人生いろいろ♪ 男もいろいろ♪
女だっていろいろ 咲き乱れるの♪
この歌詞が、細木数子という人物の人生そのものを表しているようにも感じました。
■前半は壮絶なサクセスストーリー
前半は、細木数子が幼少期から成功を手にするまでを描くサクセスストーリー。

もちろん実話そのものではないと思いますが、子どもの頃、空腹に耐えきれずミミズを食べてしまう強烈な場面などもあり、壮絶な人生が描かれています。
そして「どう生きるべきか」という明確な目標を持ち、夜の世界へ入り込み、自ら店を持つまでになる展開はかなり見応えがありました。
■戸田恵梨香の迫力が凄い
主演の戸田恵梨香は個人的にはかなり頑張っていたと思います。
ただ、流石に高校生時代のシーンは少し厳しかったかな(笑)。

しかし後半、自分を見下していた人々に対して復讐するかのような恐ろしさを見せ始める細木数子は圧巻でした。
顔に指を当て、撫で回すようにして言う――
「あんた、地獄に堕ちるわよ」
この演技はかなり迫力がありましたね。
裏の世界の“切った張った”の中で生き抜いてきた彼女だからこそ、独特の凄みがあったのでしょう。
それが占いの言葉にも表れていた気がします。
■高田文夫も語る“怖さ”
放送作家の高田文夫先生もラジオ番組で話していました。
まだ自分が駆け出しだった頃に細木数子と会ったことがあり、その時声をかけられ、とてつもなく怖かった印象を覚えているそうです。
言葉の暴力ではなく、何か得体の知れないオーラを感じたとのことでした。
■伊藤沙莉の演技も良かった
また、細木数子の謎に満ちた過去を追う作家・魚澄美乃里を演じた伊藤沙莉の演技も良かったですね。

最近見た映画やドラマでは、かなりの確率で彼女を見かけます。
自然体の演技が本当に上手い。
■生田斗真も良かった
ちょっとここでは詳しく書ききれませんでしたが、生田斗真もかなり良かったです。
男の色気を感じさせる任侠キャラをしっかり演じていました。
そしてほかの俳優さんも熱演しています。
「あの男」と「あの男」がまさか裏で繋がっていたとは……。
これはビックリ。
同じNetflixドラマ「地面師たち」を思い出したりもしました。
■揺れる価値観と母の言葉
細木数子は、大人たち特に男たちが起こした戦争、その過酷な世界の中で「騙すより騙される方が悪い」と学んでいきます。
成功を収めると周囲もチヤホヤし、見て見ぬふりをする。
ただ一人、母親だけは「そんな生き方をしてはいけない」と彼女をたしなめるのですが……。
■ラストに残る“洒落た一言”
魚澄が書き上げた原稿を真っ先に細木のもとへ届ける。
細木は夜、一人でそれを読み、静かに涙を流す。
しかし翌朝、魚澄を呼び出してこう叫ぶ。
「出版はさせない!」
そんなやり取りの後、細木は自分の人生を振り返り、
「子どもができなかったこと以外、後悔はなかった」
と語ります。
そして魚澄が細木に言い放つ――
「先生、もうすぐ大殺界ですよね」
と言われると、それに対する細木の返し……。
いやぁ~ここは秘密にしておきますが、ぜひ実際に観てほしいですね。圧巻な返しでしたよ。
■ほくと的まとめ
様々な人間模様が描かれる、実話をベースに脚色された物語。
昭和・平成を知る世代にはかなり刺さる作品かもしれません。
単なる“占い師ドラマ”ではなく、戦後日本を生き抜いたひとりの女性のサクセスと闇を描いた作品としても非常に見応えがありました。
評価:5点満点中3.9
(画像すべてお借りしました。一部映画の中の上映画像と関係ないものもあります)
(おまけ)
細木数子は欲しいものをほとんど手に入れ、2021年11月8日に83歳で逝去。
奇しくもこの命日は、2013年に亡くなった島倉千代子さんと同じ日だったそうです。














