映画「黒い瞳 4K修復ロングバージョン」 愛と後悔の旅路  | ほくとの気ままなブログ

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愛と後悔の旅路  

 

映画「黒い瞳 4K修復ロングバージョン」 

 

 

1987年 イタリア143分

<監督>

ニキータ・ミハルコフ

<音楽>

フランシス・レイ

<キャスト>

マルチェロ・マストロヤンニ、

シルバーナ・マンガーノ、

マルト・ケラー、

エレナ・サフォノバ、

イザベラ・ロッセリーニ

 

<内容>

ロシアのニキータ・ミハルコフ監督がイタリアの名優マルチェロ・マストロヤンニを主演に迎え、文豪チェーホフの「犬を連れた奥さん」など4つの短編に着想を得て撮りあげた恋愛ドラマ。


アテネを経てイタリアに向かう客船の食堂。

窓際の席に座る初老の男ロマーノ(マルチェロ・マストロヤンニ)は、そこへ現れたロシア人の紳士に自らの人生について語りはじめる。

イタリアの田舎町で生まれたロマーノは、大銀行家の娘エリザ(シルバーナ・マンガーノ)と結婚し富を得たが、夫婦仲は冷え切っていた。

銀行が倒産の危機に陥るなか、ロマーノはひとり家を出て湯治場に身を寄せ、そこで出会ったロシア人女性アンナ(エレナ・サフォノバ)と恋に落ちる。

やがてアンナは1通の手紙を残して姿を消し、ロマーノは彼女を追ってロシアへ向かうが……。


円熟期を迎えた男の悲哀をマストロヤンニが見事に演じ、1987年・第40回カンヌ国際映画祭で男優賞を受賞。2016年、4K修復を施し約25分のシーンを追加した「4K修復ロングバージョン」が制作され、日本では2025年5月30日に同バージョンを劇場公開。

(映画COM、一部修正追記)

 

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人生の選択が、時に取り返しのつかない後悔を生む——そんな切ない恋の物語
マルチェロ・マストロヤンニが円熟味あふれる演技で魅せる、愛と運命のドラマ。

 

 

6/7横浜シネマリンにて初鑑賞。

主演は、イタリアの名優マルチェロ・マストロヤンニ。この時御年63歳、流石にちょっと老いもあるかと思いきや、さもあらんの内容でした。

そして今回観たのがロングバージョンとのことですが、公開版を知らないのでどの辺が追加されたかわからず。ちょっと調べたところ、エンディングも違いがあるようです。

とにかくラストは驚きの展開が待っています…!

 

ただし調べてみたのを比べてみると、公開版のほうがより余韻を残しているかと思った次第。それで思いだしたのは、映画「まぼろしの市街戦」。

 

 

その作品もラストが異なるバージョンが存在し、その違いが本作の公開版との違いと通じる点があるかと思ったり。

 

さてと脱線しましたが、本編へ!

 

人生とは、思い通りにいかないもの。
そして恋愛もまた、予期せぬ運命に翻弄されるもの

 

内容の部分をもう少し詳しくお話ししましょう。

物語は船上から始まります。
オープン前の食堂。口から出まかせを吐いて世の中を生きてきたようなイタリア人のロマーノは、オープン前とは知らず偶然食堂に入ってきたロシア人男性パヴェルに声をかけます。

 

 

彼がロシア出身だと知ると、自らの恋物語を語り始めます。

 

この物語はロマーノの回想と、テーブルで話す二人を交錯しながら進んでいきます。

 

それは、若き日の恋の記憶。

 

 

ロマーノは、ローマの銀行家の娘エリザと結婚していました。しかし、生活は退屈で満たされることのないもの。そんなある日、湯治場へと旅に出た彼は、そこで美しいロシア人女性アンナと出会います。

 

 

アンナは、結婚しているロマーノに惹かれながらも、一線を越えることをためらっていました。それでも互いに愛を深め、ついにロマーノは

「君を追ってロシアへ行く!」

と誓います。

しかし、彼女は一通の手紙を残し、突然ロシアへ帰ってしまいました。

ここまでは、内容に書かれた感じですが、この後からロマーノの運命の旅が始まります。

 

 

ロシアの壮大な風景と人生の皮肉 —— ロマーノの旅の行方

 

彼は決意を固め、アンナに会いに行くためロシアへ向かいます。

表向きは強化ガラスのセールスとして行きますが、ロシアの田舎町で彼が村人たちに歓迎されます。

 

 

その様子や、ロマの人々が演奏しながら彼を迎える様子は、まるで旅する楽団のよう。また役所での手続きの場面などがユーモラスに描かれています。

ここでのマルチェロマストロヤンニのユーモラスな演技は見どころです。

 

 

そして広大なロシアの地でアンナを探し回り、ついに彼女の屋敷で再会を果たします。

 

 

アンナは驚きながらも彼を迎え入れ、二人は幸せな時間を過ごすものの、彼女の家族は異国の男であるロマーノを歓迎しません。それでもロマーノはアンナと結婚する決心をし、妻と決別するために一旦イタリアへ戻ります。

 

 

愛か責任か、人生の選択の重み —— ロマーノが背負った決断

 

しかしイタリアに戻ると、銀行家だったエリザの一家が破産しており、彼は彼女を見捨てることができず、結局アンナとの約束を果たせなくなってしまいます。

 

 

ここでのマストロヤンニの心が葛藤する演技も見どころ。

 

「ロシアで待っているアンナには、何も伝えられずじまいになってしまった」

と、船上でロシア人の男に後悔の念を語り終えるのでした。

ロマーノは人生の選択を振り返りながら、ただ過ぎ去った日々を思い出すばかりでした。

 

驚愕のラストシーンが突きつける現実 —— 映画の余韻に浸る

 

そしてこの後は驚愕のラストへ向かいますが、そこは何も語らずにしておきます。

勘のいい方はわかってしまいますからね。

驚愕のラスト・・・二つの衝撃があなたを待っています!

 

この映画は、一言で言うと「切なすぎる」、恋の美しさを見せつつ、その儚さと人生の皮肉も突きつけてきます。

ロマーノがロシアでアンナと再会するシーンは、まさにドラマティック。しかし、その後の展開があまりに残酷。

 

「もっと違う選択ができたんじゃ…!」

 

と思うけれど、それがリアル。

人生とは、こういうもの。

愛に生きることも、責任を選ぶことも、どちらも間違いではないけれど、どちらも後悔を生む可能性があるのです。

 

 

映像美と圧巻の演技 —— マルチェロ・マストロヤンニの魅力

 

映像美も素晴らしく、ロシアの壮大な風景とイタリアの陽気な雰囲気が、対照的に描かれています。

若かりし頃とまたちょっとことなる、円熟しているマルチェロ・マストロヤンニの演技は圧巻で、彼の表情の細やかさが物語をより深くしていました。

カンヌ国際映画祭で、男優賞を受賞したのも納得です。

 

 

まぁ途中まではごくごく普通のドラマかと思いきや、ラストでやられましたね。

やはりラストが印象に残る作品は余韻をより残します。一気に評価アップしました。

 

『黒い瞳』は、一人の男が辿った恋の軌跡を描いた作品。
愛とは美しくも残酷で、時に人生の選択を誤らせる。その現実をこの映画は見せてくれました。

 

観終わった後、余韻に浸りながら

「もし自分がロマーノだったら…」

と考えずにはいられない、そんな映画でした。

 

5点満点中4.0

 

 

 

(おまけ)

ロシアの村での歓迎シーンのひとつ。ロマの人達がロマーノの移動に、演奏しながらついて行くシーンがありますが、あれは映画「アンダーグランド」の冒頭のシーンに似ていたと思います。

 

 

『アンダーグラウンド』のロマ楽団の演奏シーンほど狂乱的ではないものの、移動しながら音楽を奏でることで、登場人物の心情や物語の流れを視覚的に表現するという点では共通していたかと思った次第。製作年では今作品のほうが古いので「アンダーグラウンド」は真似たかな?w

 

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