歴史を超えた映画の奇跡—
永遠に語り継がれる壮大な叙事詩
午前十時の映画祭15
映画「べン・ハー」
1959年 アメリカ 212分
<監督>
ウィリアム・ワイラー
(アカデミー賞監督賞に最多7回ノミネートされた監督でもあります、ローマの休日等有名ですね。ちなみに(ミニヴァー夫人、我等の生涯の最良の年)の2回監督賞受賞。
<キャスト>
ジュダ・ベン・ハー:
チャールトン・ヘストン(主演男優賞受賞)、
メッサラ:
スティーブン・ボイド、
クイントゥス・アリウス:
ジャック・ホーキンス、
族長イルデリム:
ヒュー・グリフィス(助演男優賞受賞)、
ミリアム(ジュダの母):
マーサー・スコット、
ティルザ(ジュダの妹):
キャシー・オドネル、
エスタ:
ハイヤ・ハラリート
ローマ軍将校:
ジュリアーノ・ジェンマ
オスカー11部門受賞
現在も最多受賞作品のひとつです。
同じ11部門受賞作品は他に2作品あります。さてなんでしょうか?
またこの作品お楽しみのひとつで、有名になる前のジュリアーノ・ジェンマがメッサラの部下役で出演しています。見つけられるでしょうか?
<内容>
ユダヤの都エルサレムがローマ帝国支配下にあった西暦26年。ユダヤ貴族の青年ベン・ハー(チャールトン・ヘストン)の幼なじみであった男メッサーラ(スティーヴン・ボイド)が、ローマ帝国軍の司令官としてエルサレムに赴任してきた。
旧交を温める2人だったが、ベン・ハーはメッサーラの裏切りにあい、罪人として奴隷船に乗せられてしまう。
護送中、ある男が彼に1杯の水を与えるが、その正体が何者なのか、ベン・ハーはまだ知らない。
やがてローマのガレー船のこぎ手として海戦に参加した彼は、司令官アリアス(ジャック・ホーキンス)を救い、その養子に迎えられる。
その後、映画史に残るあの戦車競争へと続きます。
(午前十時の映画祭15 HPから抜粋一部修正)
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宗教を超えた人間の葛藤や成長、
そして赦しの力
さぁ今年も午前十時の映画祭、新しいラインナップで上映開始です。私の利用する映画館では今作品から始まりました。
この作品を初めて観たのは遠い昔、TVだったかリバイバル上映の映画館だったか忘れてしまうほど。その後も映画館で何度か鑑賞をしております。
何度見ても感動を覚え、何年何十年経っても、記憶から消え去ることのない永遠の名作。
4月5日トーホーシネマズ上大岡 午前十時の映画祭15にて鑑賞。
昔の超大作ですから、映画館鑑賞では序曲~インターミッションを味わえます。
いやぁ~再度観てもこの今から66年前の映画作品、全く色あせることはなかったですね。内容も素晴らしいし面白い。
CGなんてない時代の圧巻の迫力ある映像は、212分全く長さを感じさせませんでした。
そしてやっぱりチャールトン・ヘストンはこのような作品が似合いますねぇ。
大スペクタクルの作品、できれば映画館で観てほしいものです。
物語は裕福なユダヤの名門ジュダ・ベン・ハーが、幼馴染の友人であるローマの指揮官メッサラの裏切りから過酷なガレー船での奴隷生活を送ることになる。メッサラへの復讐心と家族への再会のみがジュダの生きる希望。
ガレー船でのある出来事から、ローマ市民となりメッサラへの復讐を遂げることになる。
しかしその後に幽閉されていた家族との再会には、とんでもない試練が待ち受けていた・・・というような流れの物語になっています。
同時にキリストの誕生から磔・奇跡が並行し話が進みます。
けっこう宗教色が強い内容ですが、しかし単なる宗教映画でない事はいうまでもありません。
運命に挑み、魂を解放せよ
観終えた後、ただの映画だったとは思えない。それは歴史の重みを感じさせる壮絶な旅であり、心の奥底に眠る何かを呼び覚ます叙事詩。単なる娯楽を超え、生きる意味を問う壮大な感動の作品。1959年に公開されながら、半世紀以上経過しても今なお色褪せることなく観る者の魂を揺さぶる、そんな奇跡のような作品なのです。
★忘れられない名場面★
(圧巻のガレー船──運命に抗う最初の戦い)
映画の前半、ジュダはローマのガレー船で奴隷として鎖につながれ、過酷な労働を強いられます。このシーンの緊迫感と絶望感が凄まじい。
船内には逃げ場のない暗闇と、漕ぎ続けるしかない運命がある。
ドン・・ドン・・ドンと鼓手の打つ太鼓の音が緊張感を高める。
通常の速度から
「戦闘速度!」
と指示が出ると、太鼓のテンポが速まり、
ドン・・ドン・・ドンからドンドンドンドン・・・とリズムが速まる。
それに合わせて漕ぎ手たちが必死にオールを動かす。
途中で意識をなくすもの、鞭で叩かれるもの――まさに命懸けの場面。
その場面とそれから続く海戦のシーンは見どころの一つです
私にとってガレー船での漕ぎ手のシーンを初めて観たのが、この作品でした。
そのような過酷な状況の中でジュダは運命に屈することなく、メッサラへの復讐と家族との再会を想い、強く生きる決意を固めるのです。そして彼の命を救うのは、敵であるローマの指揮官アリウスだったのです。運命は皮肉にも、彼を奴隷からローマ市民へと引き上げるのでした。
(戦車競走──砂塵を舞い上げる宿命の決戦。映画史に刻まれた伝説のシーン)
ジュダの乗る戦車には4頭の白馬が布陣する。
それぞれに
アンタレス、アルタイル、アルデバラン、リゲルと、星の名前が付いたアラブの名馬で構成される。
一方勝つためにはどんな卑怯な手も使うメッサラの使用した戦車は、車輪の側面に刃物がついたギリシャ式のダーティな戦車でした。
この映画の一番の見どころといえば、やはりあの戦車競走!
広大な競技場で鳴り響く歓声、
砂を巻き上げて疾走する馬車、
そしてジュダとメッサラの因縁が火花を散らす。
スクリーンの前に座っているだけなのに、まるで競技場にいるかのような錯覚になり、心臓の鼓動が速くなるのを感じる。
CGのない時代、全てが本物の圧倒的な迫力。このシーンの撮影には、実際に巨大なセットが組まれ、スタントも極限の演技を求められたはず。

馬の躍動感、
戦車の車輪が跳ねる音、
そしてメッサラの凄惨な最後──
手に汗握るこの数分間の映像には、映画史に残る興奮と緊張が凝縮されています。
このシーンを見ずにベンハーを語るべからず!
(憎しみから解放される瞬間──救済の意味)
ジュダが求めたのはメッサラへの復讐。
しかし、戦車競走で勝利を収めた後、彼の心には虚しさが残る。憎しみは彼を強くしたが、それだけでは満たされなかった。
彼が最後に辿り着くのは 「赦しと救い」 だったのです。

そして、彼の母と妹がハンセン病に侵されていたことを知り、さらなる絶望へ…。
しかし、ここでベン・ハーの運命が変わるのです。かつて彼に水を与えたイエス・キリストの存在が、彼の心に光をもたらす。
キリストの最後の奇跡によって母と妹は病から解放され、ベン・ハーは復讐の業を超えて赦しと愛の本質を悟る。
この奇跡の場面を初めて観た時、その感動にウルウル状態になった事を思い出します。
ハレルヤ!!
*今回気が付いたのですが、母と妹が侵された病名を「業病」と字幕が出ていました、初めて観た時は確か「ライ病」だった気がします。現在は「ライ病」は偏見や差別を生むものとして「ハンセン病」と呼ぶようになっています。
この作品は、時代を超えて語り継がれる理由、それは戦車競走の迫力が魅力の一つですが、それだけではありません。
裏切り、復讐、そして赦し──これは 「人間の魂の物語」 ではないでしょうか。
観終えたあと、きっと何かが変わるのを期待したいところです。
映像技術、壮大なストーリー、俳優陣の迫真の演技、すべてが完璧に調和した作品。
映画好きなら一度は観てほしい、いや何度でも観る価値のある映画です!
212分の超大作、時間があっという間に過ぎる事でしょう。
5点満点中4.3
(画像すべてお借りしました)
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(おまけ)
食事を満足した時のゲップ!
初めてこの作品を観た時には、ハンセン病の事やガレー船の事など、ほくと少年はこの作品を通して初めて知りえたことが多くありました。
もうひとつ強烈に印象に残っていたシーンがあります。
主人公ジュダがアラブの富豪と夕食を食べる場面。
アラブの男が「ゲップ」をした後 ジュダが「ゲップ」をしないから
「食事がまずかったのか?」
と尋ねられて 、あわててジュダがわざとゲップをするシーンがあります。
お国によってマナーが色々あることをこの作品で知りました。
ただし、ずっとそのゲップの場面は映画「アラビアのロレンス」の一場面と勘違いしていたのでした。
ちなみに私は、いつでも「人工ゲップ」をすることができますよwどうでもいいけれど・・・。





























