1 「食の意識」
具体的に今の季節「冬」にどうしたらよいかの前に、食が氣を通して人体に働いていく、その五臓六腑の話を簡単にお話ししましょう。
「氣・東洋医学」では、冬を「閉蔵」の季節と言っています。
「閉蔵へいぞう」とは閉じる蔵(くら)
蔵と言えば、大事なもの、必要なものを納めるところ、
使うべく時に使えるように、いざというときにも備えとして、保管できる場所。
と同時に、その家々の富の象徴でもあり、蔵の大きさはそれを表していました。
ここで言う蔵とは、内臓器すなわち五臓六腑の「五臓」のことです。
西洋医学では内臓は食べ物を消化、吸収、排泄の三つの働きによる、私たちの栄養を得て
活動できるように、成長できるように保つ働きを担う所であるわけです。
ですが、東洋医学では、それらを含めて本来の見えない働きに注目しているのです。
それが「氣」の働きです。
氣は万物に宿る生命エネルギー、生きるためのサイクルを調整してくれる大事な存在です。
その「氣」は、五臓六腑の特に五臓に納められ、それぞれ必要な五臓の役割を遂行するために氣を働かせ、意識的というより無意識的にも、いつの間にか、寝ているときも起きているときも、食べたものを、消化・吸収・排泄を行い、さらに、氣を全身に循環すべく働きを行っています。
その為に私たちは普段、肉体と心と意識のバランスが保たれ、「生きる」ことができるのです。
氣が正常に働かないと、
内臓も正常に働けません。
たとえそこに内臓が存在していても、
心臓は不整脈を起こしたり、疲れやすくなったり、
手足は冷えて、睡眠にも、運動にも、勉強にも支障が出ます。
肺は呼吸がうまくいかず咳き込んだりむせたりします。
胃も通常の消化機能が働かなければ、
食べ物が入ってから分泌される本来の胃酸が、胃の中が空っぽでも分泌されてしまい、
胃の中を痛めることになったり、消化液を喉の方に逆流させてしまう事にもなります。
そんな内臓は自分で動かすことも止めることも基本できません。
肺の呼吸機能は別として、通常は氣の働きにより、
脳の神経が作動し、ホルモンも手伝いながら、五臓六腑に氣を宿させ、
栄養という氣を外から養いつつ、もともと備わっている氣を減らしすぎることなく、補っているのです。
五臓六腑は氣の働きによって機能しているだけに、肉体と心の影響を強く受けます。
特に心の影響は直接影響され、心を中心にすべての五臓に伝わります。
肉体面は体外の影響を受けます。
それが自然界、季節の影響です。
春は風から、
夏は暑さから、
秋は乾燥、
冬は寒さといった感じです。
東洋医学・氣の概念では、季節は5つに分類されますので、
夏と秋の間に「土用」といった季節が加わります。
私たちは、通年好きなものを食べたいときに食べ、量や質を気にせず、満たされるまで食べてしまいがちです。
そして、外見的にそぐわない体型であればダイエットを試みてみたり、体調や病気を基にようやく調整し始めるといった具合です。
それらに「~すぎる」という限度を知らない、節度を知らないまま、視覚だけの判断と、他人やメディアの影響だけにとらわれ食べたいものを、本来欲するものを知らずにとり続けると、氣の感覚は乱れてしまうのです。
まずは今の自分に合うものを食べることが目標
ですが、その前に、まず季節を知ることから始めるとよいでしょう。
では次回は具体的に冬の食事の話から入りたい思います。







