睡眠の質が人生を決めます。
ただでさえ、夏の暑さで疲れがちなうえに、昨年の新型コロナショック以降、「眠れない」訴えが増えています。まだしばらく続くコロナ禍を乗り切るためにも、しっかり睡眠をとりましょう。他のすべてに優先して、最適な睡眠時間を確保しましょう。
今回は、1.快適な睡眠法、2.ストレス対処法、3.睡眠不足が招く病気、について、お話しします。
●少し長いので、タイトルだけ目で追って、肝心なところだけ、しっかり読んでください。
2014年の厚労省調査では、「睡眠で休養が十分にとれていない」人が3人に1人いました。
今年、雑誌プレジデントの調査では20代~60代100人ずつのアンケートで、「睡眠の質に問題がある」が、全世代平均で74%超、20~50代では70%以上、30代では、83%にも及びました。
2018年のOECDによる国際比較では、睡眠時間が最も短い国が日本で、6時間未満とOECD加盟国平均より1時間半以上短く、世界的にも知られています。厚労省の調査によれば、1日の平均睡眠時間でもっとも高い割合は6~7時間で、6時間未満は、男37.5%、女40.6%もいました。
コロナ禍による在宅ワークなど、ライフスタイルやストレスの変化や、今まで定着してきた長時間残業による低い生産性と並んで、私たちの健康を脅かしかねません。
1・質の良い睡眠を取る対処法
大切なことは、睡眠時間の長さだけにこだわり過ぎないことです。
「8時間睡眠が理想」は誤解で、脳が必要とする睡眠量は高齢ほど減少します。
25歳平均で7時間、45歳は6.5時間、65歳以上は約6時間が平均です。
睡眠の時間より質に集中した方が、効果が高いことがわかっています。なるべく深い睡眠を取る習慣を身に付けましょう。
箱根駅伝で2015~2018年、4連覇を達成した青山学院大学監督の原晋先生の実践や、睡眠コンサルタントの友野なお先生、東京疲労・睡眠クリニック梶尾修身先生の話を中心に、専門医の報告も紹介します。
駅伝では、持続力を生む規則正しい生活(栄養・練習・睡眠)の自主管理をできる学生だけが生き残るそうです。原先生は、自身の苦い経験から、しっかり眠ることを指導しています。
慢性的寝不足はリカバリーできない「睡眠負債」です。週末の爆睡では返済できず、かえって生活リズムを崩します。
カギは、自然な眠りを誘う睡眠ホルモンのメラトニン、睡眠―覚醒切り替え、深部体温です。
a) 入眠前はゲームやスマホなど、デジタル機器は遠ざけます。
ブルーライトは体をリラックスさせる副交感神経が働かないです。布団の中でスマホを触る人は、20~30代で80%以上、50代でも、63%に上ります。スマホ、パソコンなどは、就寝30分~1時間前から手放して、寝室に持ち込まないようにしましょう。
特にスマホは、顔から15cmぐらいまで近づけるので、覚醒作用の強いブルーライトを大量に浴び、小さい画面に意識を集中してしまい、SNSの書き込みに心を乱されます。有力大学の寮生活の駅伝選手は、午後10時以降は、スマホ没収です。ブルーライト遮断シールも張りましょう。
b) 夕食は睡眠の3時間前までに取りましょう。
難しかったら、1時間前までに済ませ、胃もたれ、消化不足による肥満を防ぎます。何か食べると、食事誘発性体熱産生(DIT)で消化器官が動き、深部体温が上昇してしまいます。
焼き肉やとんかつなどヘビーなら就寝の4時間前までに済ませておきましょう。
c) お酒は基本的に夜9時までにし、夜10時の入眠に合わせ、コップ1杯の水を飲み、頭を中心に睡眠中の汗を補充しておく。
社会人なら、あらかじめ時間を決め「お先に」と帰る習慣をつけます。
d)入眠時に体の「深部体温が下がっている」ことを目指します。
練る直前の高温入浴と、夏場のシャワーだけは避けます。冷たい飲み物も避けます。
温かい飲み物は手足が温まり、手足の先から熱が外に逃げ、深部体温が下がります。同じように、入浴をぬるめの40℃に20分浸かって、手足の皮膚温度が上昇すると深部体温が下がり、眠気が強まります。
就寝60~90分前の入浴を心掛け、血圧、発汗、心拍を落ち着かせましょう。夏場、シャワーで済ませる人も、43~45℃くらいの熱めのお湯に足をつける「足浴」を10分ほどするとよいでしょう。または39~40℃のぬるま湯に、前半の5分は肩まで、後半の10分はみぞおちまで「半身浴」すると、副交感神経や腸の働きが良くなり、全身の血行もよくなります。
e) 湿気を通す肌触りが良く、自由に寝返りが打てる大きさのパジャマを揃えましょう。
蒸れるジャージのままで寝ると、睡眠の質が大きく落ちます。
f) 朝昼晩20回ずつ首、肩、腕を大きくグルグル回し、ほぐします。
パソコンやスマホ使用で、目も首も肩も凝り固まっています。スマホ片手に肩をすぼめて歩いている人がどれだけ多いことでしょう。8時間寝ても頭・首・肩が痛いときに改善します。
ブログでも、何度も「肩甲骨はがし」を紹介してきました。
g) 夜19時の運動と、寝る前の「筋弛緩運動」「46呼吸法」をやりましょう。
日中、運動をしている人の方がよく眠れます。1日で体温が最も高い夜19時前後なら、余計深部体温が上がって、ストンと体温が落ちていきます。深部体温の落差が大きいほどよく眠れます。
YouTubeで、「まのちゃんの体ほぐしチャンネル」でも「みおの筋トレ部」でもいいです。強い負荷をかける必要はなく、壁に手を当てた腕立てなどの無酸素運動の後、スクワットや夕涼みウオーキング(朝ランでももちろんいいです)などの有酸素運動を組み合わせるといいです。普通に体力あるなら、ちゃちょの今月お勧めの10分筋トレもいいよ。
まず、「筋弛緩運動」を、リラックスできる副交感神経を優位にするため、寝る前にしましょう。
簡単です。イスに座ったら、全身、顔、指先に力を入れて、5秒間キープ。その後、息を5秒吐いて全身を脱力させます。これを3~5回、繰り返すだけ。精神がリラックスし、体の緊張がほぐれて、入眠までの時間が短縮されます。ベッドの上で横になってやってもいいです。
そのうえで、4秒吸って6秒吐く「46呼吸法」で深く呼吸をするとさらにいいです。
「4-7-8呼吸法」というのもあって、息を吐き切り、鼻から4秒で息を吸い、息を止めて2秒、8秒で口から息を吐く、というものです。f)の首、肩のグルグル回しをして、胸を開いたり伸ばしたりすると、気持ちが落ち着く副交感神経が優位になって、眠りやすくなります。
スクワットや夕涼みウオーキング(朝ランでももちろんいいです)などの「有酸素運動」とまた、いすに座って3回以上の・胸反らし・かかと太もも乗せ・足首立て・体側伸ばしを、気持ちよいと感じる強さで、静かに30秒ずつストレッチ「柔軟体操」しましょう。
h) 就寝前の1時間は悲しいことを書き出し、ストレス発散で呼吸を整えます。
スマホやパソコンから離れた就寝前1時間の準備が眠りの決め手になります。5分もあれば3行日記にその日の出来事、明日の目標を書きましょう。そして、失敗、心配、腹立たしいこと、コロナ禍の悲しい、つらいことも書いてストレス発散し、ストレス軽減しましょう。
水で濡らしたタオルを電子レンジで3分ほど過熱して1~2分、首に巻く「ネックウオーミング」は、首の回りに筋肉がほぐれ、頸動脈の血流が高まり、脇を走っている副交感神経も優位に働きます。好きな本を読んだり、音楽を聴くのも、呼吸を整え、腹囲交感神経の働きを高めます。窓から1分間、外の景色や夜景を眺めるのもいいでしょう。ホッとできます。女性ならスキンケアなども含めて90分前を目安にして下さい。
i) トイレの目覚めは何日か我慢すると、頻度は少なくなります。
頻尿、尿漏れ、夜中のトイレは、骨盤底筋群の衰えです。我慢すると腹横筋を鍛えられます。また、寝る前に利尿を促す茶やコーヒーは控え、ノコギリヤシのサプリも効きます。
但し、睡眠時の発汗がありますから、特別なことがない限り、c)で述べた常温の水を200cc飲んで、トイレも済ませておくのがよいです。
j) 寝室は暗くして、静かな環境にしましょう。
真っ暗がいいです。睡眠中も五感は働いていますから、ろうそく2~3本の明かりでも夜通しついていると、肥満率、うつ病のリスクが2倍になったという研究報告もあります。
眠れない時は、いったん寝床から離れ、眠くなるまで起きているのも、不眠症の「認知行動療法」では、取り入れられています。加齢による中途覚醒は、誰にも起こり得る生理現象なので、開き直って起き上がり、リラックスして、自然に眠くなるのを待つことです。興味のない難しい本など読んでみましょう。日中の活動量が減っている人は、g)日中の身体活動量を増やすと、より深く眠れます。
k) 起きるなり窓際に立って15秒間、空を見ます。
雨でも曇りでも窓ガラス越しに空を見ましょう。夜勤や朝早い人は、強い光を発する照明に顔を向けて光を浴びて下さい。朝食をコンビニに買いに行くか、軽く近所を散歩するのもいいです。
「体内時計」の1日25時間リズムは放っておくと、どんどんずれて時差ぼけしていきます。
就寝時間が何時であろうと、朝は一定のできるだけ6~7時に起きて、太陽の光を朝に浴びて体内時計のリズムをリセットするのを、1週間以上続けると、夜10~12時に眠ることができ、寝起きもすっきりします。早く起きて、少し日中は眠いのを我慢して、早めに寝てリズムを取り戻しましょう。
太陽光が目に入ると、メラトニンという睡眠ホルモンの分泌が止まり、覚醒を維持し活動モードにするセロトニンというホルモンの分泌が促されます。セロトニンは、幸せホルモンとも呼ばれ「今朝は新しい1日が始まるのだ」と元気にもなれます。光が目に入って14~16時間後、メロトニンの分泌が始まり、眠くなりまってくれます。
l) ベッドは、寝返りが打てて蒸れず、音も単調で香りも心を休めるものにしましょう。
翌日に疲れを残さないことです。部下や仲間からの相談とか大事な決断で、寝不足でボーっとしていたら迷惑です。ベッドは、寝返りが自由に打てる高反発マットや、背面は接触冷感カバーや冷たいジェルマット、イグサのシーツを敷き、m)で述べますが冬夏同じ掛布団をお腹に掛けましょう。寝姿はたち姿そのまま横が理想なので、枕は高過ぎず低すぎず、夏には熱がこもりにくい、そば殻か頭の汗を丸洗いできるパイプ素材がいいでしょう。
眠るときは、静けさを保つのが理想ですが、音が聞こえた方がいいという人でも、雨や佐々波のような自然界の音、ヒーリング音楽、オルゴール、クラシックならモーツアルトや子守歌のように、ひたすら単調に繰り返される音が、リラックスが促されます。香りは、心を静めるラベンダーなど自分の好きな香りを、マグカップにお湯を注ぎ、数的垂らします。
m) 寝苦しい夏には、エアコンは一晩中、朝までつけっぱなしがいいです。
就寝中は熱中症のリスクがとても高いです。メーカーも数年前からつけっ放しで機能的にもかまわず、安く済む機種を出しており、寝入りに25℃に温度設定、50~55%に湿度設定を目安にしましょう。風は直接当たらないようにしましょう。
政府の省エネ推奨基準の28℃は暑いです。25℃でしっかり羽布団をかぶって眠りましょう。頭寒足熱です。夏でも冬用布団一択です。日中の質の高い快適な生活に比べれば、電気代は、高くありません。
日中の仕事や勉強も25℃設定の方がはかどり、早く済みます。室温が高いと、のぼせた状態になり、脳の活動効率が低下するからです。
n) 朝は起床後1時間以内にタンパク質を摂りましょう。
朝食をたべないと、脳に栄養が回らず、午前中は仕事にも勉強にもなりません。もし、朝食を食べる習慣のなかった人は、まず、バナナを食べましょう。含まれるトリプトファンは、セロトニンの原料になります。そして夜になると眠りを促すメラトニンに変わっていきます。タンパク質と、セロトニン生成に必須のビタミンB6とトリプトファンを脳へ送り込む炭水化物も含まれています。
それから、バナナ+ヨーグルト、バナナ+ゆで卵などにして、食べる習慣をつけてほしいです。サラダを先に食べれば、血糖値の急激な上昇を抑えられ、焼き魚を食べて、ごはんも食べれば、黄金の栄養バランスになって、頭は朝からフル回転するのは、今までのブログで何度も説明してきました。朝こそたくさん食べて栄養を十分消化させて体に回すべきなのです。
o) 昼寝なら、立つか座ったままで、15時までに、1~5分ほど目を閉じましょう。
勤務者ならば、眠気が強まる昼食後がいいと思います。15時以降は、夜の睡眠に影響します。あくまで仮眠ですっきり午後を乗り切るためです。休憩を取らずに仕事や勉強を続けていると、頭がボーっとしてきて、脳内炎症を起こします。心身を休ませ、脳を鎮静化することです。
目を閉じて脳から入ってくる情報をシャットダウンするだけで、脳がクールダウンします。横になって本格的に寝てしまうと、覚醒状態に切り替えられず、生産性が下がります。責任者なら、小刻みに1分だけ立って寝ることもします。そのとき、目をつむる前にポジティブなα波の脳波にすることです。「いいですね」「今日は楽しい日だった」という調子です。ネガティブなβ波の「でも・しかし」「今日は嫌なことがあった」では、仮眠の質が落ちます。
p) 最後は、かかりつけ医に相談して、睡眠薬で、日中、質の高い生活をに過ごしましょう。
今の睡眠薬は、麻酔薬として開発されたバルビツール系は使われておらず、すっきり起きることができ、依存症になりにくいです。罪悪感を持つ必要は全くありません。日常の質の高い生活こそ必要です。2割くらいの不眠の強い人は、進んで利用しています。
起床後のふらつき・依存性が少ないといわれる非ベンゾジアゾピン系のアモバン・マイスリー・ルネスタが主流です。これらは、寝つき(睡眠初期)に効きます。ただ弱めなので、脳に強い鎮静作用のあるレンドルミン(睡眠中期)など定評のあるベンゾジアゾピン系の睡眠薬もいいでしょう。
ただハルシオンについては、無症状で急に夜中に起きだし動き出すという副作用が報告されており、要注意です。効き方や多少の副作用は個人差がとても大きいです。全然、副作用の出ない人もいます。基本的にまた浅い不眠症なら、精神安定剤(抗不安薬)のメイラックス(睡眠長期)・デパス(入眠時)もいいでしょう。かかりつけ医自身も不眠症だと、すごくよく理解してもらえますよ。
またナイトキャップと言われる寝酒は、たしかに少量であれば、入眠しやすくなるかもしれません。しかし、効果は人それぞれであり、疲れが取れなかったり、眠りが浅くなってしまったりします。パソコンやスマホを見ながらストレスで深酒して胃潰瘍になるなど逆効果になってしまう場合も往々にしてあります。
さらに、「過眠症」も、睡眠や覚醒を制御する神経細胞が消滅した「ナルコレプシー」という睡眠障害の一つです。したがって、日中に強い眠気に襲われたり、居眠りしたりします。
睡眠中に夢と同じ異常行動をする神経障害の「レム睡眠行動障害」も最近増えています。
2・ストレス対処法
現代は、「仕事で強いストレス」が58%、ストレス要因では「対人関係」が31.3%と多くの人が、抱えている時代です。対人関係では、「職場」と同等の割合で「家族」の問題があります。ストレッサー(外圧)が心身に加えられた刺激で、歪みや不均衡のさまざまな反応を起こすのです。うつ症状もその1つなのです。
腸は脳に次いで神経細胞が集まっており、精神的なストレスにとても弱いです。そして免疫細胞の7割が集まっているのも腸です。ストレスで心身が興奮すると、交感神経が高まり、腸の蠕動運動が弱まり、腸内環境が悪化し、免疫細胞も働かなくなってしまいます。
新型コロナ感染者は、脳内炎症が起こっていたことが示唆される報告が、最近、出ており、後遺症として、倦怠感、動悸、息切れ、不眠、頭痛、抑うつ状態が出ています。
ストレスは、本来、人生のスパイスであり、悪いことばかりでなく、うれしいこともストレスになります。暑さ・寒さ、公害薬物などもストレスであり、ある程度の適度なストレスは、上手につきあうことも大切です。
●ストレス・チェック法
ストレスをためやすいかは、個人差がありますが、早く、自分のストレスに気づくことです。対処能力を超え、長期間、ストレスから来る病気には、心・体・行動に次のものがあり、1日中または2週以上続くと「うつ」が疑われます。(WHO World Health Report. 2009)
(どちらか一方)
・気分の落ち込み、憂うつ気分⇒活気がなく、引きこもりがち
・趣味が楽しめない、興味がもてない、楽しいことが楽しくない⇒物事に興味を示さない
+
(次のうち5つ以上)
・体重の増減・食欲の増減
・寝つきが悪い、夜中目覚め、朝早く目覚め、その後眠れない⇒不眠症
・気持ちが焦り、イライラしやすい
・疲れやすい
・思考力・集中力低下、
・決断が難しい、ゆっくりな動作や話や考えがなっている
・自分が悪く、会社を辞めたい(自責感)⇒社会的にも労働力の損失
・自分を価値のない人間だと思う、周りに申し訳なく思う(無力感)⇒自殺願望
・もうどうでもいい、いっそ、消えてなくなりたい、生きていてもしかたない⇒同上
・身辺を整理し始める⇒同上
※(自殺による死亡者は、交通事故より多く一時2万人を超え、男が女の2倍、40~60代)
次の病気も併発しやすいです。
・呼吸器系ぜんそく・過呼吸
・消化器潰瘍・過敏
・内分泌・代謝異常による肥満・気管支炎
・神経筋肉・頭痛
・皮膚のじんましん・アトピー
・眼の疲労・痙攣
・膠原病
●依存症
ストレスがたまったときの解消法として、飲酒や買い物、SNSやゲームを気晴らし程度ならいいですが、「それなしではいられない」となると、依存症です。生活破綻を顧みず、非生産的なゲームにお金を投じていきます。スマホゲーム依存症は、国立病院久里浜医療センター長の樋口進先生が自費を投じてWHOに2018年に認めさせ、正式な病気として、保険適用になっています。そこからの脱却法を自著の「スマホゲーム依存症」内外出版社2017,12刊1,408円に書いていらっしゃいます。
たたでさえ、スマホが気になって、気が散るわけですから、気を付けましょう。
不安や恐怖感を和らげるには、不眠でも説明した腹式呼吸や筋弛緩法、自律訓練法などのリラックス法や、ヨガ(木のポーズ・三角のポーズ)、瞑想、音楽鑑賞、アロマテラピーでストレスを解消するのに、効果的です。このブログのフォロワーにも、心理療法士やヨガ、セラピーの先生がかなり、いらっしゃいます。
ストレスの背景となる対人関係には、個人の個性や社会的立場、価値観もさまざまで、必ずうまくいくという正解はありません。対人関係に疲れた時は、自分だけの時間を作ると気分転換になります。
●ストレスへの具体的な対処
また、コミュニケーションを円滑にとるため、ストレスを軽減する次のヒントもあります。
・意見の食い違いは、「あって当然」と考えます。「何でもわかりあえる」という完璧な人間関係は期待しないことです。相手の意見も否定せず、自分の意見を伝えるとよいです。
・言わずともわかってもらえるといった間接的な省略した表現は避け、自分の感情や意見を言葉にして伝えます。直接的に伝えるとよいです。
・嫌われている根拠を考え、深読みをやめましょう。思い込みである可能性もあります。
・人の性格は変わらないので、問題を相手の人間性のマイナス面の変化に期待せず、相手のプラス面に目を向けましょう。
●うつ
WHOの調査によると、日本人の健康寿命を脅かす病気のうち、うつ病は、脳血管障害、認知症に次ぐ3位です。
うつ病患者の90%以上には、睡眠障害があると言われています。不眠症の人は正常な人に比べ、うつ病の発症リスクは約2倍高いと言われ、日本人の3~4人に1人が睡眠障害で悩んでいるという報告があります。
うつ症状を改善させるには、質の良い睡眠を取ることです。睡眠中は、脳の代謝は低下しますが、例えば血圧が高ければ、代謝が高くなっていき、慢性炎症となり。健康寿命が短くなると言われています。1か月寝不足が続いたら、1週間くらいは、ぐっすり眠るといいでしょう。コロナ禍においては、日誌を付けて、規則正しい生活を送り、充分な睡眠時間を確保するのが大切です。
寝床に入ると、むずむず脚症候群の人や睡眠時に足がピクピク動く周期性四肢運動障害も、不眠の原因になります。女性ホルモンの変調、薬の副作用、糖尿病、高血圧といった生活習慣病、逆流性食道炎、がん、パーキンソン病、うつ症状も不眠につながりやすいです。
特に、うつ病は、働き盛りに重症化しやすく、仕事上のストレスや過労が発症の原因になります
また、うつ症状はさまざまで、見過ごさないようにして、気を付けてあげましょう。
・女性の産後うつは、10%⇒十分な休養と家族の協力
・60~70代の女性に非常に多い⇒破産・死別・体の衰え(認知症の20%はうつ症状を併発)
・双極性障害(うつと軽躁=急に明るく活動的、の繰り返し)
・発達障害(自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症ADHD、限局性学習癖LD)
・不安症(ネガティブ認知でパニック症・社交不安症)⇒アルコール依存症やうつ病へ
●抗うつ薬の限界
うつ病の薬(抗うつ薬)は、初診時から安易に使うべきものではないと決められています。
抗うつ薬は、患者の3割にしか効果がなく、6割が再発することから限界が指摘されています。
心のクリニックに、今の自分の悩みを真剣に話しに行くと、「ふむふむ」と一応話だけ聞くコンサルタントと、すぐ壁1枚隔てた所に処方医が待っていて「では抗うつ剤には、×〇△があります。どれから始めますか。自分で勝手にはやめられませんよ」と一応断るものの「初診時からすぐ処方箋を書く」のです。悩みの内容は関係なく、以下のような強い副作用先行の薬であるにもかかわらず、どんどん出し、営業している所が多いのが実情で、うつにある中でつらいですが、注意が必要です。
抗うつ剤は、一度飲み始めると、医師の指示なく勝手にやめると反動が大きく、ほぼ一生飲み続けることになる、依存性の高い薬です。薬の役割は、脳の神経伝達物質の働きを高め、うつ症状を改善する仮説に基づいているだけです。改善が出た場合には、一定の期間、様子を見て、医師の処方で徐々に徐々に、量を減らしていけます。
但し、人の心のさまざまな悩みにただ、科学的に一方的に作用する薬は、3割の人が、苦しい試行錯誤の末、合っているだけが実情です。薬は、神経への働き方の違いにより大きく5タイプあり、そのどれかを、まず試しに処方されます。
効果が出るかは、6~8週服用する必要があるのですが、服用して最初の1~2週から「副作用先行」で出ます。それは、ただでさえ、うつ症状で苦しい中、吐き気・食欲不振・下痢・小尿・頭痛・眠気・体重増加・口の乾き・便秘・立ち眩み・日中の眠気・ふらつきなどが先に、のしかかってくるのです。
これに耐えられず、自分で止めてしまうと、うつ症状の中で、めまい・吐き気・不眠・発汗・手足のしびれ・イライラなど「中止後症状」が出て、これも苦しく、最初から飲まなければ良かったと深く後悔することになります。
さらに6~8週、副作用先行に我慢しても「効かないと、また別のタイプの薬を最初から試す」という四重苦になります。うつには、自己否定から自殺願望の人も多く、このような抗うつ剤の作用は、悪い方向に拍車をかけることもあります。
このように強い薬を安易に最初から出され依存症になった患者は、勝手にやめられず苦しみ、処方箋を片手に、抗うつ薬を出す隣の薬局に鎖のシャッターが開くのを、皆、目の色を狂人のように変えて、待っているのを、よく目にします。
●ちゃちょの取った「運動療法」
なぜ、これほど詳しいかと言うと、第1回のブログ「超肥満からの大逆転」に書いたように、ちゃちょも、ストレス、夜食、運動不足や睡眠不足で、パンパンの超肥満のうつ症状で、会社の思惑通り、自主退社しました。
ラッキーだったのは、近所でかかりつけ医が、順天堂大学病院で指導員だった医師で、自らも不眠症の苦しみを知っている人でした。ちゃちょの心のクリニックのからくりや薬の特性を聞いて、「えつ、そんな仕組みで、そんなひどい作用の止められない薬なんかすぐやめろ。それより、毎日、スポーツクラブで汗を流して肥満解消し、睡眠薬を出してあげるから」でした。
いわゆる「運動療法」で、100%すっきり直せたのでした。ウエスト96cmから65㎝になった(ウエスト1cm=体重1kgと言われる)ときは、ルンルン気分で軽くステップを踏んで街を歩きました。ハイキングで険しめの山も、標準時間の半分で、飛んで走れました。
●認知行動療法とやり方
抗うつ剤に頼らないもう1つの有名な方法に「認知行動療法」があります。偏っている見方を変え、ストレスや、うつ症状の発症を止められます。物事を捉える、自分の考え方を分析し、その偏りに気づくことが目的です。こういうとき、陥りやすい考え方には、次のようなパターンがあり、認知行動療法で改善できます。
・勝手に決めつける
・100点でなければ0点
・きっとまたこうなる
・ダメな点ばかりが目に入る
・何もかも自分のせい
・〇〇すべきと考える
・レッテルを貼る
・感情だけで判断する
・「うまくいくわけがない」と考える
・1つのことだけにこだわる
認知行動療法の実践例
①嫌なことがあった状況とそのときの気分を書き出す
〇〇した。 悲しい80%、憂うつ70%
②①の出来事が起こったとき、どのように考えたかを記す
自分は〇〇だ。失格だ。嫌われている。
③②とは別の考え方を探って書き出す
自分は期待されている、自分だけではない、うまくいくこともある
④③の考え方をした時の気分を記す
落ちつき70%、憂うつ10%
↓
考え方を変えてみると、気分も変わります。
対人関係の対処の仕方には、「認知行動療法」のうち、考え方や感じ方を変える「情動焦点型」と、直接働きかけて、変化させ、解決を図る「問題焦点型」があります。
「情動焦点型」は、意見の違いはあって当然ですし、相手の反応を深読みしすぎないことです。マイナスな相手の人間性は変わりませんから、プラス面から理由を考えます。
「問題焦点型」は、気持ちや意見を直接的に言葉にして伝えます。自分で抱え込まずに早めに信頼できる人や医師や法律家に相談します。人間関係や環境を変化させて、原因から遠ざかります。
第一人者の大野裕先生が書いた「心が晴れるノート」太洋社2003年刊1,200円+税がいいでしょう。
●ストレス対処の「アサーション」と「マインドフルネス」
自己主張していくトレーニング「アサーション」や瞑想「マインドフルネス」もストレス解消に有効です。
アサーション(自己主張)のトレーニングは、ストレス原因1位の対人関係を円滑に運ぶために、相手を傷つけずに自分の思っていることを伝え、理解し合うことです。
無理を頼まれても、「○○ですが、その後で構いませんか」「それならしかたない」
といった状況を前もって想定して、どういえばいいかを事前に練習します。
また、「また失敗するかもしれない」と思い込み、ストレスを感じることもあります。
気持ちを今に向け、「現実をありのままに知覚する状態(マインドフルネス)」を目指す瞑想トレーニングも実用的です。
「アサーション」や「マインドフルネス」は、心理療法士や心理コンサルタントの学習過程にあり、相談者の悩みをよく傾聴し、守秘することが義務付けられています。「よくわかるアサーション」平木典子2012.12刊主婦の友社1,540円、「マインドフルネス瞑想入門」吉田昌生2015.1刊WAVE出版1,760円、などが、入門かつ実用的でお勧めです。
3.睡眠不足が招く体の変調を押さえておきましょう。(付録)
●睡眠不足が招くさまざまな疾患
睡眠不足が続くと「日中の耐えられないほどの眠気」や「全身の倦怠感」「起床時の頭痛」「うつ状態」が現れ、日常に支障が出ます。
睡眠時間が短いと、食欲を増進させるグレリンというホルモンの分泌が増え、糖をエネルギーに変えるインスリンの働きが悪くなるため、「肥満」や「糖尿病」になりやすくなります。
心にも大きな影響を与え、「うつ症状(抑うつ気分)」になる確率が高くなる報告があります(Yokoyama.et al. Sleep, 2010)。さらに脳内に老廃物が出て蓄積され、「アルツハイマー型認知症」も発症しやすくなります(Spira AP.et al. JAMA Neurology.2013)。高血圧や脳卒中が引き金となる「血管性認知症」も、睡眠不足が原因の1つと考えられます。スエーデンの研究では、睡眠負債が蓄積されると、70歳以上で認知症の発症リスクは2.14倍になりました。
●睡眠時無呼吸症候群(SAS)と循環器疾患の共存・悪循環
睡眠時無呼吸症候群(以下、SASと略称) の患者は、正常な人に比べ心臓病が原因の夜間突然死を起こす確率は、2.57倍も高いです。
肥満気味の人に多く、呼吸時に大きないびきをかき、いびきが止まると、のどに脂肪があるため上気道が圧迫されて無呼吸になる閉鎖性の、SASが、睡眠を妨げます。
日本のSAS有病者は200万人強、正確に診断されていない人の含めると1000万人は下らないと推計されます(男:女=6:1)。熟睡できず、昼間に眠気や倦怠感を覚え、記憶力や集中力が低下します。居眠り運転による交通事故の大惨事は、健康な人の2.6倍というデータもあります(Findley LJ. et al. AM Rev Respir Dis. 1989)。
SASは、自分では気づきにくいものです。息苦しくて目を覚ます不眠感がある人や「寝ている間の呼吸困難感」や「夜間頻尿」がある人で、近くに家族が寝ていない場合は、一定以上の音を拾うスマホアプリや、ICレコーダーで有無を確認できます。大きないびきを指摘された人は、かかりつけ医から、呼吸器外来や、睡眠専門外来、精神科を紹介してもらいましょう。
重症化を放置していると、全身性の炎症が起こって、動脈硬化を誘発します。日本循環器学会のガイドラインによると、SASの患者は、正常な人に比べ、高血圧症・慢性心不全は約2倍、狭心症・心筋梗塞は2~3倍、不整脈は2~4倍、脳卒中は約4倍も合併リスクが高くなります。高血圧患者の約30%、心不全患者の11~37%がSASを合併し、虚血性心疾患の患者は、正常な人に比べて、SASを合併する率は約2倍高いです。
SASだからと言って、睡眠薬を飲むと、喉の筋肉を弛緩させ、かえって無呼吸を悪化させます。いびきをかきやすくする寝酒は控えた方がよく、喫煙は、上気道の炎症で気道を狭くさせてしまいます。がん同様、禁煙は大事です。
いびきで寝苦しい人は、抱き枕を抱え込むような横向きの睡眠姿勢「シムス体位」で寝れば、8割の人がいびきを半減できたという結果が出ています。最も、循環、呼吸、体温調節に負荷をかけない体位です。
また、鼻(と口)を覆い、ホースで空気を送りこんで気道を開く「CPAP(経鼻的序族陽圧呼吸療法)」が100%有効です。レンタルでき保険3割適用で月約4500円です。まずはクリニックで「簡易型PSG検査」を受けましょう。装置を自宅に持ち帰っていびきや無呼吸の有無を検査でき、保険3割適用で3000円程度です。1時間に5回以上無呼吸があると睡眠時無呼吸症候群である可能性が高いです。
女性は男性よりSASは少ないのですが、更年期はいびきをかきやすく低呼吸に陥りやすい傾向にあり、いびきの音は小さくても、貧血や低血圧により、脳への酸素供給が少なく、重症化しやすいことが知られています。
●慢性的寝補足は、死亡率が高い。
睡眠時間が6時間以下の人の死亡率は、7~8時間の人の2.4倍だったという追跡調査もあります。慢性的な寝不足による睡眠負債が引き起こすデメリットです。米国調査では、風邪を引く確率は、睡眠を7時間以上取っていた人に比べ、5~6時間の人は、4.24倍、5時間未満の人は4.5倍でした。
免疫力が落ちており、インフルエンザや新型コロナウイルスにも感染しやすいと言えます。東北大学の7年間追跡調査では、深夜勤務を週3回以上、10年以上続けていた女性は、乳がんの発症リスクが2.55倍に高まったということです。免疫を高めると考えられる、自然な眠りを誘うメラトニンという脳内ホルモンの分泌が減ると考えられます。
●免疫力が落ちる
日常生活で食事、運動と並んで免疫を大きく作用するものが睡眠です。蓄積してしまった睡眠負債は、免疫システムの機能不全も招き、風邪やインフルエンザはもちろん、新型コロナウイルスにも、実際、感染しやすくなっています。
2.の快適な睡眠のコツでも触れましたが、コロナ禍でリモートワークが普及し、通勤・通学がなくなり、運動不足の人が増えており、運動も熟睡にかかせないことから、2.g)で触れた夕方の適度な運動が、夜に深部体温を下げ、寝つきをよくします。 以上
たくさんは、咲かなかったけど、庭の双葉だったヘブンリ―ブルーが、
台風後に咲き始めています。
多輪型長期のひまわりサンフィニティも、宣伝写真ほどではなかったけど、
ミョウガ畑の間から、いくつか可憐な花を咲かせてくれました。
那覇原産のあばしゴーヤも、たくさん枝分かれして、花が付き始めたところです。
これから1か月でずんぐりした実が収穫できるでしょう。
もっと庭の近況も、報告していくね。
今回は、ちょっと長くなったけど、睡眠不足とストレスと併発症は、切り離せないので、
思い切って、だらだら版で載せてしまいました。ちょっとでも、日頃の睡眠の
お役に立てば、うれしいです。
おうち時間や、おうちごはんを大切にしようね。
じゃ、みんな、コロナ禍でも自分を守って、元気でね。またね。
































