わたしの母はとにかく
おしゃべりで
愚痴と文句と悪口ばかり
父がアルコール依存症で
やらかす人だったので
誰かに吐き出さないと
母もやっていかれなかったのだろう
いつしか
わたしの役目は
母の愚痴を聞き
母を励ますことになっていた
うんうんと話を聞き
最後には
お母さんだからできるんだよ
お母さんがしっかりしているから
うまくいくんだよ
そうやって
励まし役と
愚痴聞き役を担ってきた
そのうち
気がつくと
周りには
愚痴ばかりの人が集まっていた
旦那さんの愚痴を聞き
娘の愚痴を聞き
母の愚痴を聞き
友人の愚痴を聞き
近所の人の嫁の悪口まで
聞く始末
愚痴を聞き
あなたはよく頑張っていると
励ますことで
わたしが必要とされる
舞台を
創り上げていた
そのことに気がついたとき
わたしは大馬鹿野郎だと思った
愚痴を聞く役目を自分で
作ってたなんて
信じられない
いつもいつも
愚痴ばかり
もう聞きたくないんじゃ
もうこんなのに時間使いたくない
人のために生きるのをやめる
愚痴は聞かない
そう決めた
それでも
愚痴を聞いてほしい人は
やってくる
決めたのに
文句も愚痴も悪口もやってくる
それでも
愚痴は聞かない
何回も何回も決意する
母が愚痴を言ってきたときは
あえて何も言わない
相づちをしない
無言を貫く
娘が愚痴を言ってきたときは
へーーーーーーー
これだけでやり過ごす
旦那さんの愚痴は
ふーーーーーーーーん
これだけ
なかなか勇気がいる
長年のクセか
ついつい励ましたくなる
そういうときは
この人はぜっっっったいに
大丈夫
これだけを決める
愚痴が完全に
なくなった訳ではない
それでも
愚痴が耳の中に
入らなくなってきた
ただ
はーーーーーーー
へーーーーーーーー
ふーーーーーーーーん
この言葉が断然に増えた
それでも
地球は回ってる
わたしは
愚痴は聞かない
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