朝、フェリーでマルタ本島を離れ、穏やかな海を渡ってゴゾ島(Gozo)へ向かいました。
島に到着してまず向かったのは、切り立った断崖と深いエメラルド色の海が印象的な入り江(ベイ)です。岸辺に近づくと、海の色は言葉を失うほど澄み、光を受けて宝石のようにきらめいていました。
入り江の周囲は断崖に囲まれ、崖の間に小さな入り口や洞窟がいくつも穿たれています。中でも狭い裂け目のような入口をくぐって進み、外の光が細い線となって差し込む「一線天」のような洞窟から覗く海の眺めは、まるで額縁に収められた一枚の絵のよう。
洞窟の暗がりから見えるエメラルドの海面は、強いコントラストで一層鮮やかに映り、思わず息をのむ美しさでした。
南地中海の10月下旬はまだ気温が高く、ここで一日泳いだり、日焼けをしたりと大変の欧米人はのんびりと過ごしています。
私は、海辺のカフェで少し休憩し、波の音と潮風に身をゆだねる時間。地中海の静けさが心にゆっくり染み渡ります。
ランチは港近くのレストランで新鮮な魚料理を。
シンプルにオリーブオイルとレモンで仕上げられた白身魚は、ふっくらと柔らかく、海の恵みをそのまま味わえる一皿でした。地元のパンと合わせてゆっくりいただくと、旅の疲れもほどけていきます。
午後は島の中心部にあるチタデル(Citadel)=要塞都市へ。
中世に築かれた堅牢な石壁が今も残るその場所からは、ゴゾの田園風景と遠くの海が一望できます。
石畳の路地を歩きながら、要塞内部にある聖母被昇天教会(Cathedral of the Assumption)を見学しました。
驚いたのは、天井が平らなのに、見上げると立体的なドームが描かれていること。
巧みな遠近法の絵によって、まるで本物のドーム型教会の中にいるような錯覚を覚えます。
主祭壇
説教台
教会内部は金色の装飾や天井画が美しく、静かに祈りを捧げる地元の人々の姿が印象的。石の町並みと共に、時間の重なりを感じさせる落ち着いた空間でした。
さらに2階へ登ると、当時の生活用品や宗教画、歴史的な展示物が並び、静かな中に時の重みを感じました。
夕方、再びフェリーに乗って本島に戻るころ、海は夕陽に染まり、入り江で見たエメラルドは次第に柔らかな金色へと変わっていきました。断崖、洞窟、要塞——自然と歴史が調和するゴゾ島の一日は、心に静かに刻まれる旅の一コマになりました。
宿泊したホテルは東京でいうと銀座のような最先端な場所である。



















