今回のフランス旅行もベルサイユ宮殿の見学が組まれています。ここは私が初めてみたヨーロッパの宮殿で、予想していたよりも豪華でびっくりしたのをいまでも覚えています。その後、各国でいろんな宮殿を見てきましたが、その都度べルサイユと比べながら見てきました。
このベルサイユ宮殿は、ルイ14世が建造した宮殿です。そのため、フランス絶対王政の象徴的建造物ともいわれています。
正門
鏡の間
しかし、宮殿中にナポレオンの間という部屋がありました。
ブルボン王朝による絶対主義的支配の象徴ともいうべきベルサイユ宮殿に自分の部屋を設け、「ナポレオンの戴冠式」という絵画を描かせて飾ったナポレオン。これに絶望したベートーベンはかれの第三交響曲「英雄」に書き添えられた「ナポレオンに捧げる」という献辞を書き換えて「ある英雄の思い出に捧げるシンフォニア・エロイカ」として世に出したことが知られています。
フランス革命の申し子であり、市民革命が生み出した英雄の中の英雄であるはずのナポレオンが結局皇帝に即位したことは、破壊者がかならずしも新しい時代の創造者になれるとはかぎらない、という、その後の歴史でもいやというほど繰り返されてきた皮肉な現実を象徴しているようにおもわれます。
ルーブル美術館でも「ナポレオンの戴冠式」という絵をみたのですが、違いはなんだろう?帰国後調べると、ルーブルの絵は、画家ダヴィッドがナポレオンのために描いたいわば公式のものであるのに対して、ベルサイユにあるのはダヴィッドが自分のために描き、所有していたものだそうです。なお、ヴェルサイユ宮殿のナポレオンの間に飾られている絵では、後者では左から二人目の女性の服装が赤であるのに対して、ルーブルのそれでは白であるのはヴェルサイユの絵の女性がダヴィッドの恋人であったため(きっと恋人におしゃれをさせたかったのでしょうね)だそうです。
前回ベルサイユに訪れたのは年末年始の雨の季節でしたので、次はぜひ広大なベルサイユのばらをと思ってはいましたが、今回はその正反対の、真夏の炎天下のベルサイユでした。あまりの暑さに、庭園はあきらめて、「ラトナの噴水」から大運河を見渡した風景だけを写真に収めて早々に退散。
そしてパリへ。



