第22回健康食品フォーラムで武田英二先生(徳島大学大学院教授)は「臨床栄養からみた機能性食品の開発と展望」をテーマに講演が行われました。
武田先生の研究室は全国で唯一医学部付属病院を有する栄養学科として、食品・栄養素の生体での作用を基礎研究および臨床研究を行っています。今回は精力的に研究してきた内容3つ報告されました。
1)リン恒常性維持の重要性
リンは欠乏するとくる病や骨軟化症、過剰であれば骨繊維症や異所性石灰化が生じてしまいます。近年の食生活バターンの変化によりリン摂取量が増加する傾向が見られます。骨粗鬆症予防にはカルシウムを積極的に摂取とともに、リン摂取制限が必要と提唱されました。武田先生の研究によりリン過剰摂取は骨代謝だけでなく、血管機能も障害し動脈硬化の原因になることも分かってきました。また、慢性腎不全によるリン制限を伴った低タンパク食事療法は透析導入を遅らせることができます。透析導入が1年間遅らせることができれば、患者さん身体の負担軽減はもちろんのことで、医療費を年間約500万円抑制できることになり、医療経済効果も計りしれません。
2)低GI食の可能性
食後高血糖はインスリン抵抗性を誘導し、糖尿病やメタボリック・シンドロームを引き起こすことが明らかになっています。武田先生の研究グループは低GI食(血糖値の急上昇を抑え、体に脂肪をつきにくくする目的をもった食事)を長期摂取することによって肥満やメタボリック・シンドロームを予防および改善できることを明らかにしました。
3)抗ストレス食品の開発
「ストレス制御を目指す栄養科学」でストレスの客観的評価法を確立、抗ストレス食品開発のなかで、発酵人参エキスは抗ストレス作用を動物およびヒト被験で明らかにしました。
武田先生は栄養学および機能性食品研究はますます重要になると講演を締めくくりま
した。