痛み止めと胃薬 | グルコサミン博士のブログ

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足が打撲して整形外科を受診したところ、外用剤のシップ、テーピングに消炎鎮痛剤と胃薬を処方されました。今回は消炎鎮痛剤と胃薬を同時に処方する理由を紹介します。  


食物はまず口から入り、食道という管を通過して胃に到達します。胃ではペプシンなどの消化酵素によりタンパク質 をはじめとする食物は分解されます。焼く肉レストランに行くと、心臓(ハツ)、肝臓(レバー)、横隔膜(ハラミ)、腸(ホルモン)、胃(ミノ)などの内臓を使った料理がたくさんあります。中華料理やフレンチでも同じです。

ここで、なぜ牛の胃を食べると人の胃はそれを消化してしまうのに、自分自身の胃袋を消化してしまうことがないのでしょうか?


実は、われわれの体内に、サイクロオキシゲネイス(COX)という物質があります。そのCOXは2種類があり、COX1は胃の消化酵素から胃粘膜を保護するとともに胃粘膜の血流を維持します。このCOX1存在のおかげで自分自身の消化酵素では胃は消化されない仕組みになっています。


一方、痛みを中心とする炎症の場合は、COX2がプロスタグランジンというサイトカインを生成して炎症が発症します。炎症を抑えるために消炎鎮痛剤を服用すると、COX2が抑えられてプロスタグランジンの産生が減り、炎症が治まりますが、同時に胃粘膜表面を保護するCOX1も抑えられてしまい、胃炎や胃潰瘍が発症しやすくなります。そこで、胃の表面を保護する胃薬が登場するわけです。


ですから、消炎鎮痛剤を服用するときに必ず胃薬をつく理由は、単に「薬が強いから」とか「「弱いから」とかの理由ではなく、COX1の減少による胃への負担と軽減し、胃袋を保護してあげるからなのです。