今日、仕事帰りに映画「沈まぬ太陽」を見てきました。
途中、10分間の休憩が入るという、今まで見たことのない長作でしたが、
時間の長さや疲れを感じさせない作品でした。
実は私はすでに原作を「読破」しており、また、個人的事情もあって別の感想をもったのですが、
今日は、連れ合いが漏らした感想を、私なりに斟酌して紹介させて戴きます。
曰く、
あの映画はもちろん組織の中の個人、組織、国家、等々、社会的テーマも重要な意義を持っているが、一番のメッセージは、
人の死を忘れないでいることの大切さと難しさ、を描くことにある。
人の死を忘れないでいることしか、人間が、人間という理不尽な存在を生き抜くうえで、また、人間の社会をともかくも存続させて、ほんのわずかでも良い方向に向けていく方法はないということを静かに語ることにある。
にもかかわらず、これが人間社会の愚劣さ、悲惨さ、すなわち歴史の耐え難い醜悪さの最悪の根源であるが、そのこと、すなわち「人の死を心に刻むこと(Erinnerung=ヴァイツゼッカー元ドイツ大統領の言葉)」は、日航や、JR西日本や、なによりも国家という組織には「絶対に望み得ないこと」、だからこそ、個人個人が、人の死を忘れないでいることの大切さを、切ないまでの希望をこめてメッセージとして観衆に伝えること。
それを、ハリウッド映画のような騒ぎ映画、子供だまし映画ではなく、大人のための映画として表現したのが「沈まぬ太陽」の一つの主題である。
おおよそ以上のような感想を、連れ合いは持ったようです。
次回は私の感想を書きます。