犬好きの私は、犬が主人公となった映画は、基本的にすべて観るようにつとめてきましたが、最近の映画は、洋画、邦画を問わず、駄作ばかりで、がっかりさせられ通しでした。
そんなわけで、忠犬ハチ公 をモデルにした“HACHI「約束の犬」”
ところが、今回に限っては「嬉しい誤算」でした。
をモデルにしたストーリーであったことは予想どおりだったのですが、
「飼い犬の、主人に対する“忠誠”の称揚」という時代錯誤の「危険思想」の悪影響は全くなく、
犬と飼い主とが「対等の愛情」で結ばれていることの美しさと切なさ、そして哀しみ
が淡々と描かれていました。
また、映画としても、老犬になったHACHI役の犬の演技(?)には感動しました。
飼い主の妻と再会したときの、切なさと哀しみとが入り混じった眼、
最後の夜、雪のなかで静かに「眠り」に就くときの姿。
ネコ派で、犬映画には冷淡な夫も、
「人間は、愛する者の死を受け入れて、諦めるというつらい心的営為を行うが、
犬も犬で、犬として、愛する者の死と、切羽詰まった形で向かいあうのだな」
などと、なんだか禅問答みたいなことを言いつつも、おおいに感動したようすでした。
