一卵性双生児の姉妹は
たしかに母親から
音楽の才能を受け継いでいたが
ふつうの家庭に
もらわれていった娘は
そのことを全く知らなかった。
ただ、何かのきっかけで
(保育園で楽器を演奏するとか)
自分が周りの子どもたちと
比べて音楽が得意なことに
気づいたはず。
楽器を上手に演奏すると
先生や友だちがほめてくれる。
それがうれしくて
もっと練習すると、みんな驚いて
「全校生徒の前で弾いてよ」とか
「コンクールに出なよ」とかいわれる。
こうして楽譜すら読めない
養親に育てられた娘が
プロのピアニストを目指すようになる。
―ほめられたのが嬉しくて
やる気になったのですね。
はい。
一方、音楽教師の家で
育った娘はまわりにいる
友だちの親も音楽関係者
ばかりだったのかもしれない。
そんな子どもたちは
親から(それなりに)音楽の才能を
受け継いでいるから
すこしくらいピアノを上手に
弾けたからといって驚いてくれない。
それなら、自分がもっと
目立てる別のこと
(たとえばファッション)が好きになって
ピアノの練習は嫌いになる。
―周囲の反応によって
違ってくるのですね。
はい。
まったく同じ才能(遺伝子)を
持っていてもどんな友だち集団に
入るかによって
人生は大きく変わってきます。
―環境からの影響は
予想以上に大きい。
ええ。
幸せな人生を送るために
環境を選び
良い遺伝子のスイッチを
オンにしていくのが
大事だと思います。
おわり
出典:『人生は攻略できる』(橘玲、ポプラ社、pp.79-80))『残酷すぎる成功法則』(エリック・バーカー:著、橘玲:監訳、竹中てる実:訳、飛鳥新社、p203、p343)
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