命を繋いで | 読書セラピー(幸せのページ)

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木に吹いた風が緑色になるように
花に吹いた風が芳香を運ぶように
風に言葉を託して届けます。

タンポポの花茎を
筒状に切り
両端に細く切り込みを
いれて水に漬けると
外側に反り返る。

この形が鼓に
似ていることから
鼓を叩いた音の
“タン・ポン・ポン”を連想し
タンポポという名前に
なったのだとか。

寒い日が続くと
タンポポは
花つきの茎を
決して伸ばさない。

最小限のエネルギーで
成長するため
咲かせた花を
大地にべったり
つけたままのときもある。

開いた花は夜には閉じ
日が昇ると再び開く。

そうやって開閉を
繰り返したタンポポは
種を育てるため
しばらく花をしぼめる。

タンポポとして
生きるための全情報を
種にインプットしたら
クライマックスが
やって来る。

種は綿毛をつけ
風に乗って移動する。
なので、種を
飛ばすときがくると
どんなに冷たい
北風が吹こうと
花を咲かせて
いたときより
茎を2倍にも
3倍にも伸ばす。

このとき、茎が
折れていても
グッと立ち上げ
種を遠くに
飛ばそうとする。

最後の力を振り絞り
伸ばし切ったとき
まん丸綿帽子を
ふわりと広げる。
そして、風が
来るのを待つ。

1つ残らず種を
飛び立たせ
丸坊主になった
タンポポを見ると
胸がジンとする。

「素晴らしかったよ」と
声をかけずにいられない。

命は命をかけ育まれる。

種を飛ばし終え
枯れていく
タンポポを見ると
いま生きている生き物は
ありったけの力で
繋がれてきた命だと
気づかされる。

出典:『ありのまま生きる』(かわしまようこ、ライツフォーグリーン、pp.33-34)