本を閉じた。
「へぇ〜奇跡ってあるもんなんですね。そして あなたがラルフレアさんだったんだね。」
細身の少年は ラルフレアに 感慨深く言った。
「ナイチングールさんや ラルフレアさんみたいに 色々な人々にサプライズやプレゼントするって 凄い大切なことだと学びました。
僕は 将来的には 子供達にプレゼントを毎シーズン渡せる人間になりたい。
毎年 プレゼントを配る日を決めておけば
それを伝説として
世に伝えられると思うので」
「少年よ、子供達にプレゼントとは 素晴らしい考えであるな。
して君の名は 何という名なのだ?」
「僕はサンタックと言います。
プレゼントを毎年送り届けて 将来的には ラルフレアさんの伝説並みに 偉業を達成したいです。」
「サンタックくん〜君は生真面目なんで 苦労しそうだなぁ。 」
細身の少年がサンタックに微笑みながら言った。
「サンタックが苦労する? なんか サンタックに かけて
芸名ならぬ偽名を 閃いた気がする。
もし これからの僕なんだけど 毎年12月の終わりに子供達にプレゼントを届ける習慣が続いているなら
いつか 今 閃いた 芸名で 僕は 偉業を達成したいです。」
「良いねぇサンタックくん。
ナイチングールさんの薬草とか調合するエピソードとかラルフレアさんの本に 載ってたよね?
困った人を率先して助けたナイチングールさん。
僕は そんな人々を一人でも多く助けたい。
将来的に 医療の人間になりたい。」
「医療なのだな。
悪くはないと思う。
して少年よ、君の名は 何と名のる?」
ラルフレアは 細身の少年に向かってゆっくり目線を合わせて言った。
「私はロキと言います。
多くの人々を医学を学んで救います。
とりわけ ロザリオでは 頭痛持ちが多いと思います。
まずは そんな頭痛を治せる薬を発明できたら
いいなと思ってます。」
「フッ なかなか面白い考えだねロキくん」
ラルフレアは顎に手を置いた。
「チッくっだらねぇなあ みんな!」
陰険な表情の もうひとりの少年が 舌打ちしながら言った。
「この後に及んで お前は また暴言かよ!」
ロキは拳を作って 陰険な表情の少年をにらんだ。
「ちげーよ。 オレは クルーやナイチングールの伝説を聞かされて ちょっとおもしれえこと 閃いたんだ。」
「ん?面白いこと?」
ラルフレアは首を傾げた。
「ラルフレアさん。オレを弟子にしてください。
オレ あんたの用心棒になる。
あんたと共に まだ広い世界には 魔物が存在したり ヤクザな野郎がいると聞く。
一緒にヤクザな野郎らを あんたと共に成敗する旅に出たい。」
「ジャパンって国なら鬼が出ると言うしな……鬼を滅する刃を持った隊員も 今の世に いると聞いたことがある。
世界にも 弱きを いじめて楽しむヤクザな奴が たくさんいると聞く。
魔物も まだ全滅してないのも私は知っておる。」
「だからこそ
師匠に あらゆる技を教えてもらって
オレ強くなりたい……
いや、それ以上に武力などで人々を救いたい。」
「ロキの医療で人々を救うこと、サンタックの人々にエンターテイメントで救うこと、 しかしお前は
武力で人々を救いたいとな?
ハハハハハ
同じ救う という語源でも
こうも みんな意見が分かれるとは
滑稽なことよ。」
ラルフレアは杖を 何度も地面に叩きながら喜んだ。
「で、オレを結局 ラルフレアさんは 弟子にしてくれるのかい?」
また たちの悪い目つきでラルフレアをにらんだ陰険な表情の少年。
「まぁ 武力で人々を救うとは関心はできんが
私の弟子になることは賛同しよう。
して 君の名は?」
「オレの名はスティーブン・ビルバーグ。
あんたと これから色々
修行の旅に出るなら
その冒険の書を いつか劇場の劇にしたい。
」
「どんな旅になるかもしれんが
スティーブンよ。私の旅を含めた修行は 命の危険もつきものだぞ?
それでも いいのかな?」
「当たり前だ
ナイチングールやクルーの あの苦しみと比べれば
例え魔物にでくわしても
大嵐になろうとも オレは あんたを助け
あんたと共に 乗り越えてみせる。」
「素晴らしい心がけだ。
その気持ち 変わらぬようにな」
スティーブンとラルフレアが握手した。
そして
その上に サンタックとロキが手を重ねた。
今後の祝福を そこにいた四人は 手を重ねた時に
願ったようだ。
すると
上空に 虹が出て
よく見ると虹の影から
クルーとナイチングールが笑顔で一瞬現れた……
ような気がした。
「あれは?」
「今、クルーさんらが」
「あれ?オレ達幻をみたのか?」
「三人の子供達よ お前たちも みたのだな?」
そのあと
心地よい
風
見えない風が 三人の子供とラルフレアに 吹き付けてきた。
「シルフ?」
ラルフレアは 小声でつぶやいた。
その後のラルフレアと子供達。
ロキは それから何十年か後に その時代では考えられないような即効性のある頭痛薬を発明した。
ロキが発明したので
「ロキソニン」と 名付けられた。
その後 サンタックは何十年も 子供達にサプライズで登場しプレゼントを一年に一度 配るエンターテイメントを行うことになった。
彼は後に「サンタクロース」と呼ばれるようになった。
スティーブン・ビルバーグは賢者ラルフレアと
世直しの旅に出た。
その道中で 不思議な出来事、危険な出来事、不思議な人種、生物に遭遇した。
その記録を残して 没後は その書物が世に広まった。
スティーブン・ビルバーグはスティーブン・スピルバーグの祖先と されている。
THE END