花子は吹屋ふるさと村にある良太郎と よく行った「紅や」という喫茶店に あれから1人でも 行くことが多かったようだ。
マスター「花子ちゃん、 確か一年以上前は 君一人で ここに来ても この黒電話使って 良太郎くんの家に電話して よく 良太郎くんを呼び出していたね」
中井貴一風な シンプルなデザインのジャケットの上下と蝶ネクタイした 50過ぎのマスターが サイフォンでコーヒーを淹れながら 花子に言った。
「でしたっけ?一人で ここでよくマスターが流してくれたサイモン&ガーファンクルのレコードを聴いてたら
なぜか 良太郎くん 呼び出したくなっちゃったんですぅ〜」
マスター「良太郎、プロのカメラマンになるため 色々 あの頃は勉強してたみたいだね。」
マスターは 静かに サイフォンからマグカップに注いだコーヒーを花子の前にカウンター奥から手を伸ばして置いた。
花子は そっと手を伸ばし コーヒーにミルクと砂糖を入れて
あの頃の思い出を 振り返った。
君とよく この店にきたもんさ
訳もなく お茶を飲み 話したよ(歌いながら コーヒーを 軽く すする花子)
学生で賑やかなこのベンガラ
片隅で聴いていた サイモン&ガーファンクル〜
あの時の歌は君と今は聞こえない
人の姿も変わったよ
時は流れてーー (コーヒーの他、コカコーラ、ミックスジュース、レスカ、ココア、ナポリタン、カレーなど書かれたメニュー表を花子は 凝視しつつ 学生街の喫茶店風に歌を くちずさむ)
そして1975年10月10日16時が 時は流れてーー
やってきた。
16時前に花子は吹屋ふるさと村はずれの丘の大きな柿の木の所へ行った。
雲ひとつない快晴の秋晴れだった。
風邪ひとつない 穏やかな16時前の 小高い丘の一本の大きな柿の木には たくさんの柿が熟していたようだ。
「ベトナム戦争が1975年まで起こっていた ベトナムで彼は 命を落としてなければ きっとくるはず」
最後かもしれないとか言ってたけど ベトナム戦争に彼はカメラマンとして取材するときに 巻き込まれることを最悪は想定していたに違いない。
16時05分。
やはり 彼は来ない……
ベトナム戦争の取材で ほんとに巻き込まれてしまったのか??
16時16分。
なにやら 精悍な顔立ちとなった 見覚えのある顔の男が まるでオリンピックの選手かよ!?
と思えるようなスピードで何か手に握りしめて こちらに向かってきているのが見えた。
おーーーい! またせたね
ごめんね
ごめんね
ずっと 僕は 僕はーーーー
君が好きだったーーー
花子は ベトナムから無事に戻ってきた逞しくなった良太郎の姿を見て 思わず 声をかけてあげたいけど
絶句して 声が出ず
それでも口角をあげて 良太郎に手を振って 微笑んだ。
良太郎「約束の時間より少しだけ遅れてごめんね。
僕と 僕と 結婚してくださーーい」
しかし かつて 花子も隠れて良太郎を脅かしたという 洞穴(落とし穴?)に気づかず 告白に 夢中になって
かけてくる 良太郎。
花子「良太郎くん
危ないっ! そこ 落とし穴が…」
ドスン!
大きな柿の木の上から もっとも大きな柿が 良太郎の頭に直撃した!
その瞬間
良太郎の手から 指輪が吹っ飛んでしまった。
良太郎「うわっーーーっ!
落ちるーーーっ」
どうやら良太郎の頭上に落ちたタンコブを作ったようだ。
しかも 指輪が 勢いよく どこかに 吹き飛んでしまうようだ??
さらに 良太郎は 落とし穴に落ちそうだ。
良太郎は 落とし穴に 落ちたーーっ!
しかし
穴の🕳下から 手を ユニークな形にして
手だけが 穴から出てきて 穴の奥から なにやら良太郎の声が聞こえた。
I WILL BE BACK!
しばらくして 良太郎が 穴から上がってきた。
しかし 洞穴の中は 糞だらけ だったのか
身体じゅうに 糞をつけて
良太郎が 上がってきた。
花子「最低ーー くさいし どっか行ってよ 糞だけに
クソ野朗ーーっ!」
BAD ending
劇終
(今のは なんだったんだ… まるで中国の 邯鄲の夢みたいな endingを 見てしまったぞ。
そうか… 僕は 先ほど 大きな
柿の実が頭に落ちて 一瞬 気を失ったようだ。
そこで 洞穴の下が 糞まみれの幻を見て
なおかつ花子が 暴言吐いて 僕が嫌われたストーリーの幻が見えてしまったのだ
現実は 違う…
洞穴の中に クソなんて ないぞ! )
邯鄲の夢のように ほんの現実は一瞬なのに
数十分も 何かあったかのような 変な幻を見た良太郎は
穴に落ちる寸前に 花子に 手を掴まれて
穴に落ちる寸前 引き上げられた。
指輪はどこだ?
洞穴にも落ちてない。
良太郎は 花子の顔を見あげた
花子「あぐ…… はぐ……」
なんと 吹っ飛んだ 指輪は 花子の鼻に ささっていた。
良太郎「僕と 結婚してください。」
花子「あ、はにがとう。 もひろん よろぴくです。
ひょう太郎くん。」
良太郎「うほほーい やったーー!」
良太郎「花子さん 先ほどはプロポーズ承諾してくれて ありがとう。
てか、本当に 久しぶりじゃなあ。
花子さん 僕 無事にベトナムから帰ってきました。
父さんは ベトナムで ニューハーフになってたから うちの母がいる日本には 恥ずかしくて帰って来れないそうだ。しばらくはね (僕と花子が結婚する時には 帰ってくるらしいが)
とにかく お父さんは 無事だった。
ベトナム戦争の取材と写真が 国から評価されて
物凄く海外で認められて 日本に なかなか 帰れず
本当に10月まで この約束の日まで 帰って来れなかったんだ。
花子「しょーなんだ」
鼻声の花子は ようやく 鼻にささった 指輪を 花から外した。
そして それから数週間後
良太郎と花子は 無事に結婚💒することができたそうな。
良太郎の父親も ニューハーフとして ベトナムで働いていたが
やはり 真面目に 成羽で暮らしたいという気持ちになり 岡山県成羽に戻ってきてそうな。
不思議と 良太郎の説得もあり 良太郎の父親と母親は 仲直りできたそうな。
こうして 良太郎と花子は結ばれて
両親は仲直りできて
翌年には第一子が 産まれ
良太郎一家は末永く仲良く暮らしたそうな
劇終ーー
ハッピーエンディング。









