実は 中1の頃のA組とB組の合同山の学習会の時から
良太郎は花子に恋をしていた。
合同で 肝試しをする時に隣組みの花子と同じグループになり 大変 話も噛み合って
意気投合したのだった。
ザ・スパイダーズなどのグループ・サウンズが 花子も好きで良太郎も好きということ。
手塚治虫とか おそ松くんとかの流行りの漫画の話題も盛り上がった。
良太郎も花子も ここ10年で登場した「東京タワー」に行きたいとか噂の「京都タワー」に 仲良くなったら2人で行ってみたいとか
子供ながらの素敵な未来予想図なトークで盛り上がった。
東京オリンピックから数年が経過しているけど
もし お互い 今後 仲良くできるなら
オリンピックを一緒に観に行きたいという話も出たようだ。
中学生ならではの 大きなことを口に出して 夢を語る光景が
そこには あった。
しかし 中学1年の合同山の学習会の後、あれだけ盛り上がった2人が嘘のように
花子は 良太郎が 挨拶しても
そわそわした返事をしたり 無視したり わざと 聞こえないふりをしたり……
なにかと理不尽な態度で いつのまにか中学3年の春を迎えていたのだ。
良太郎は LPレコードから流れる「ドリフのズンドコ節」を聴きながら
気持ちを なるべくハイにしておこうと 花子の演奏会前夜に なんども その曲を ヘビロテしたものだった。
良太郎「合同山の学習会で あんなに僕たち 盛り上がったんだ! 花子が あんな そっけない態度になるのは 理由がある?いや?ない?ある?どっち?ズンズンズン 〜ズンズンドコ🎵」
良太郎は 早咲きの薔薇を🌹手に持って 恋占い的な感じで 花びらを 散らかしていた。
そして4月30日 吹屋ふるさと村中央公民館で行われる 花子の演奏会に参戦した。
もちろん なんか気まづいので
大勢の人が見守る中
後ろの方で 良太郎は 花子が演奏してる様子を密かに見る形だ。
花子は ひっそりと立ってみている 良太郎に にっこり微笑んだ気がした。
いや?それは ないか… いや 今回 初の花子の演奏会に行ったので 花子は本当に嬉しくて良太郎を見つけて微笑んだのかもしれない。
実は 何度も 花子は 吹屋ふるさと村中央公民館でピアノのソロ演奏を開いていたようだが 良太郎は 気まづさと 恥ずかしさで花子のピアノコンサートに行ったことが未だなかったのだった。
深く来場の皆様に挨拶した花子は いきなりアップテンポなリズムを繰り出し始めた。
令和の時代ならTik Tokで使われるようなリズムと言って良いだろうか……
それは ピアノ演奏としても 難易度の高い「夢見るシャンソン人形」の演奏だった。
良太郎「なんて 素晴らしい! そして 細やかでアクロバティックな響きなんだろ」
そう つぶやいたが そんな 良太郎の声は 花子に届くはずがない。
しかし また花子が 以心伝心? 良太郎に向かって にっこり微笑んだ気がした。
良太郎「僕の妄想か… そんなはずはないか」
そして花子は 「うたのおねえさんのような透明感あふれる歌声と 軽やかなタッチでピアノを演奏しつつ
おもちゃのチャチャチャ」を 弾き語りしだした。
おもちゃのチャチャチャ🎵
あら不思議…
またも良太郎と その部分で目が合う。
おもちゃのチャチャチャ🎵
また 目が合う。
良太郎「おかしいなぁ 僕の妄想か?やはり
花子が僕に気があるはずはない」
思い返せば 合同山の学習会の時に 花子に その翌週の花子のピアノ演奏会初デビューについて 聴かされていたことを思い出した。
しかし、火の鳥だとか 鉄腕アトムとか 漫画に没頭して
良太郎は すっかり花子のデビュー演奏会に行くのをすっぽかしてしまったことを……
あの日のことを後悔している良太郎に対し 花子は次の曲を いつのまにか演奏していた。
坂本九の「明日があるさ」
良太郎「えっ?このタイミングで?なぜに?
以心伝心? 歌詞の内容、なんか 今の僕に ドンピシャじゃね? そっか くよくよしたら いけないんだ。
明日に向かって走れじゃないけど希望を持て自分。」
そして 花子は 本当は コンサートに良太郎が来てくれるのを心から待ってたのではないのか?
来てくれたので 不思議な力で2人が以心伝心してる気がした。
クライマックスに花子はピンキーとキラーズの「恋の季節」を 演奏してソロコンサートは幕を下ろした。
良太郎は 今の今まで 言えなかったことを 伝えるため
多くの人に囲まれて祝福されてる 群衆の中で
月光仮面風のサングラスと🕶マスク、黄金バットが着用してる風の マントを ダッシュでトイレに駆け込み 着替えて来て 登場した。
この時代に コスプレを流行らした男として後に良太郎は話題になるのであった。
良太郎「やあやあ 我こそは 正義の味方 月光バッドマン! 花子さん あなたの演奏は 私の力を100倍強くし私の頭脳を100倍明晰にし 私のハートを100倍 強くしてくれた なので これを うけとってくれーー」
良太郎は花子にラブレターを渡した
「今日16時に成羽のベンガラ屋根の端っこの家の奥にある 大きな柿の下で待つ。」
本来なら変質者にしか見えない良太郎の行動だが 花子は 意表をつく太郎の登場に 笑いが しばらくは 止まらなかった。
「ニャー!ッ 君〜 良太郎くんよね〜頭のネジが 吹っ飛んだの〜 でも超嬉しいよ。 これ?なに書いてるの?」
「我輩からの手紙 あとから
読んでくれ。 嫌だったら 捨てて 手紙に書いてることを無視して構わん。 あばよーっ!」
中途半端に カッコいいセリフを吐いて太郎は消えた。
そして その日の 16時に ベンガラ屋根を左右に見立てて ベンガラ屋根が なくなつた小高い丘の上にある 大きな大きな一本の柿の木の下に 良太郎は たどり着いた。
「なんか ドリフのズンドコ節とか あったりまえだのクラッカーとか 流行のギャグに僕は影響されすぎたかな〜。 最近のトレンディドラマ風に 花子を唐突に手紙で呼び出しちゃったよ。
でも 多分 来てくれないだろうなあ〜?
いや来る?きっと来る?
てか、あんなに笑われて来てくれなかったら ぼっけえ おもれえよ僕はーー」
1人 柿の木の下で 独り言を あきらかに 怪しい人?おかしい人風に ボソボソ言いながら 妙に 落ち着かない良太郎がいた。
16時03分
「やはり 来なかった 花子さん……
僕 滑った芸人みたいじゃわ マンモスかなぴー」
ビューー
春なのに 切なさを物語るかのような強い風が吹いてきた。
人は誰も ただ人生〜を ふりかーえる
はしだのりひことクライマックスの「風」というBGMが
脳内 流れてくる 良太郎。
なんと「中野レイナ」ばりに 驚いた顔と声をした
花子が 柿の木の近くの 洞穴から 現れた。
良太郎「ひぃーー びっくり‼️ マジかーー
ぼっけえ おもれえことしてくれんじゃなあ。
」
思わず 意表を ついた 花子の登場に 尻餅をつく良太郎。 ガタガタ震えながら 穴から出てくる 花子を見つめる良太郎。
花子「なにさ、ようやく君は勇気出して私の コンサートに来てくれたって嬉しかったのに その ヘタレっプリでがっかりだわ」
良太郎「えっ?えっ? これ?なに? ドッキリ? 僕 どうすればいいの?」
花子「私は 私のコンサートに あなたが 来る前から あなたのことが気になってた。 でも 約束をすっぽかし その後もコンサートに来てくれない あなたに うまく対応できかねてたんだ。
でも あなたは 今日、勇気を持って 私のコンサートに来てくれたよね めっちゃ嬉しかった💓
そう、私の 心の中で 「バラが咲いた」
バラが咲いたを 花子が歌い出したので良太郎も ハモり出した。
そして 良いムードになったので
良太郎は花子に 改めて告白した。
「僕とーーっ 僕と 付き合ってください。」
花子「もちろんー 君といつまでもー 2人が夕凪をー
常に歩いていけるよう 君といつまでも 笑顔に希望に 満ち歩んでいきたい。
2人で虹を越えよう OVER THE rainbow🎵」
良太郎「ええーっ はぐらかさないでよ〜いじわる〜」
花子「いじ、いじ、いじいじ いじわる花子〜🎵💓
その 告白 ありがたく受け取ります。
末永く よろしくお願いします。」
良太郎「やったーー😊🎵」
こうして良太郎と花子の交際は
始まった。
「君といつまでも」
ではないけど このまま2人はゴールインできるのか⁉️
乞うご期待です。
続く


