魔女メルヴィンから逃れて一週間が経過した。
ラパスギアの 学校の裏の小高い丘〜渓流が流れて倒壊した 橋の近くに 墓地があり
そこでジェイは今日も お墓の前で 己の無力さ残忍さ欲望などがきっかけで 今回の事件が起きたんだと自責の念で苛まれていた。
そして泣き妻や ジェイを愛したヒロイン雅の墓の前で一人涙を流していた。
しかし それから何ヶ月も魔女メルヴィンが コズミックファンタジアの どこかで 暴れているとか 目撃したとは 聞かない日が続いた。
もしや あの姿で異世界に 行ってしまったのだろうか?
仮に異世界に行ってるなら異世界も ドラゴン化した魔女メルヴィンに滅ぼされてるかもしれない。
様々な不安が コズミックファンタジアの各地で噂されるようになっている。
何ヶ月も経つうちに ラパスギアも 徐々に復興して行った。
魔物の軍に滅ぼされ 別の土地に移住してた元ラパスギアの民も 再びラパスギアの仮設住宅を建てて 住むものも多かった。
「お嬢ちゃん 助かるよ。すげ〜力持ちだなぁ
オラあ たまげたわ。」
「フッ そうかい?」
アンドロイド美玲は 近未来型アンドロイドなので土地を建て直す場所から素材から 瞬時に計算できるので復興のための 大きな木材や煉瓦の運搬作業では 大いに街の人に重宝されていた。
「萌え映えインスタ映え に近い雰囲気のログハウスメイド喫茶も もうすぐプレオープンできるんじゃないかなあ」
にゃん汰は テーブルなど 運んだり 器を眺めたり しながら 中途半端に整理された
簡易ログハウスの建物を見渡しながら言った。
「そだね〜。」
「それだけかよ!」
「そだね〜。」
常に 淡々としか 言葉を発しないカンナに ツッコミを入れながら 新たなお店の準備をする にゃん汰。
そして
猫戦士は ひたすら能天気という事で 仲間からもムードメーカー的なマスコットキャラだったが 今は ストイックさが滲み出てる猫戦士として 皆の目に映っているようだ。
なぜなら 異世界での ムカデキングを倒した時は英雄のように扱われ先のバトルでは 単なる足手まといにしかならなかったと 自分の無力さを痛感しているからだ。
えいっ! にゃあ! ふぎゃあー
ラパスギアの裏山の標高500mの 足場の悪い 伸びた草木も多い 遊歩道の先にある 無人の倒壊して荒れた神社の広場で 猫戦士サムは鍛錬を重ねていた。
神社の雰囲気は 神々しいまでの 世界観がある。
冬場になっても ラパスギアは雪が降るほど気温も冷え込むが この神社は 雪も降らない。
それどころか 不思議な 温かい風が吹いてきて
鍛錬には もってこいの場所だった。
寝ぐらに使える 茅葺き屋根の座敷の間と 暖炉や囲炉裏もある部屋で 日々 修行の日々をサムは送っていた。
ジェイは 亡くなった雅を復活させたいという気持ち、復活させたら今はニュートラルな状態なのに また心が悪に染まることが怖くて雅を復活させまいとする気持ちと 常に葛藤していた。
もちろん 素材は揃っている。
再びネクロマンサー秘術を使って またラパスギアを混乱に自分のせいで陥れる事は避けたいと思っていた。
さらに一カ月が経過した。
着々と ラパスギアは復興を遂げていた。
「Tik Tok cafe」として
にゃん汰とカンナは 「萌え映えインスタ映え」というメイドカフェの流れをくむカフェを 新たにスタートさせていた。
外観もログハウス使用だ。
内装はアトリエを構え 観葉植物も 適度に置いたようだ。
ミサンガなど 無口担当のカンナが ひたすら 黙々と作り上げている姿も見える。
メニューは 日々増えていく感じだが
今は「Tik Tok特製ブレンド」「神のハーブティー」〜これは ラパスギアの 今 サムが鍛錬を重ねてる山道に生える輝く草木〜薬草を ふんだんに使ってるようだ。
香りも良いし、何より飲むと活力になる、ビタミンC誘導体やコラーゲン、プラセンタエキスまで入っているという。
肉体疲労や美容に気をつけている お客様には もってこいのメニューみたいだ。
フードメニューは「カンナ特製カレー」があり 海の近くに現れる魔物〜鬼蟹という巨大な蟹の魔物を仕留めていた。
カンナは その蟹のエキスを野菜と調合させてニンニクも加えて カレーを作っているようだ。
これが 辛さの中に コクと苦味があって ご飯に合うと評判のようだ。
スイーツ系は「にゃんけーきたべたいにゃんけーきたべたい」
ツッコミ所満載の にゃん汰特製パンケーキが食べれた。
注文すると かつて生前「雅」が 異世界の日本ってとこで当時 雅が好きだった 芸?ゲイ? の ネタならぬ セリフをTik Tokという 珍妙なリズムを 踊りながら お客様に提供してるようだ。
もちろん にゃん汰も カンナもTik Tokって 雅の世界では有名だったという事しか知らないようだ。
いちおう そのTik Tokメロディを 口ずさんで にゃんけーきたべたい にゃんけーきたべたいと にゃん汰がパフォーマンスする姿は コズミックファンタジアや 他の世界からの来訪者にも 喜ばれた。
さらに にゃん汰や カンナは 密かに 次に魔女に攻め込まれても いいように 魔法の訓練を お店の閉店後に定期的に行っていた。
最近 ようやく復興した カラオケボックスで 色々な道具を使って 手品のような魔法を鍛錬していた。
炎属性や氷属性、雷属性も いちおう研究を積んだが ジェイや雅のように その 当たり前な魔法は なかなか上達しなかった。
代わりに カンナは「無属性ー俊敏の極意」という魔法を身につけた。
これは魔法をかけられた側は 本来の何倍もスピードが速くなる 不思議な魔法だった。
Tik Tokカフェでは お客様が多い時には重宝するが 魔物が攻めて来たり 魔女との再戦で役に立つとは 到底思えない魔法だ。
にゃん汰は「無属性ー転移の極意」を 覚えた。
これは 遠方の道具を 脳内でイメージして再生する事で その遠方にある道具が にゃん汰の手元に届くという 日常においては 便利な あらゆる手品より 素晴らしい魔法である。
ただ、便利なだけが取り柄なので
vs魔物とかとなると 全く役に立たない魔法でしかなかった。
しかし、Tik Tokカフェでは お客様を 毎日 にゃん汰と カンナは おおいに沸かせていた。
ある日の Tik Tokカフェの様子……
「はい どうもーー にゃん汰でーす」
カンナ「…………」
「なんか 喋れやーーっ!」
カンナ「だって あたし 喋る事ないもの……」
ステージ始まったと思ったら
なぜか 10人ほど 集まっている お客様の方の椅子に 座ろうとするカンナ。
「お前 カンナ、パフォーマンスする気はあるのかーーい!」
ワハハハ(観客の笑い)
再びカンナは のそーっと ステージに戻った。
「あの〜カンナ 今の狙ったの?それとも天然なの?どっち?」
それを にゃん汰が言うと
カンナは めっちゃ無表情で ボール?投げるとか 避けるとか 変な挙動不振な感じで動き出した。
「何やってん?」
「狙ったの?天然なの?どっちと 言われたから ドッチボールの練習してます。」
「なんでやねーん。 シャルマ!」
シャルマの にゃん汰の一言で どっから出てきたのか 大きなハリセンが 出てきて パシッと カンナの頭を はたく。
ワハハ(観客)
「それでは Tik Tok 愛しのにゃん汰を 踊ります。」
いい感じに20秒ほどは にゃん汰は 踊っていたが
にゃん こいつ おせえ
にゃん こいつ おせえ
なんか U S A みたいな ノリで カンナがつぶやき出した。
すると カンナの「俊敏の極意」が 発動して
にゃん汰の Tik Tokの にゃん汰なりのステップとメロディで踊っていたのに、急にメロディが光速となり 曲が めっちゃ速くなる。
と同時に あら不思議?
にゃん汰の動きが 恐ろしいほど 速くなる。
にゃん汰は あまりの突然の俊敏な動きの魔法に対処出来ず 「あわわわわわ」
思わず 声を上げた。
にゃん汰は 急な高速スピードでTik Tokを踊ってしまったので顔面真っ青になって はぁはぁゼェゼェ言っている。
それを見てカンナは「いつの間に 青いメイクを 入れたの にゃん汰? お芝居の途中に メイクするなんて 無礼者めーーっ!」
音響装置の スタンドに 置いてあった ハリセンを 取って にゃん汰の頭を 叩くつもりだった。
しかし
見間違えたの?カンナは?
ハリセンの横にあった 花瓶を、 にゃん汰の頭に向けて バシーーッと 叩いてしまい
にゃん汰は そのまま伸びてしまった。
ワハハ(客席の笑い)
カンナ「どうも ありがとうございました〜」
マジで パフォーマンス事故を やらかして にゃん汰を 倒してしまったカンナだけど 笑いが 起きたので そのままステージを 強制的に 終えるのだった。
もちろん そのあと 水を かけて にゃん汰を 起こせば良いものを またも天然? カンナは テーブルに置いてあるウイスキーを にゃん汰に かけてしまい
うえっぷ!
と言って にゃん汰は また 立ち上がった。
そんな愉快なショーは連日のように Tik Tokカフェで 繰り返されていた。
ご飯食べに行くよりも カンナや にゃん汰のトーク目当てでもなく ステージがある日に やってくる 客も多かった。
一方 その頃
猫戦士サムは 鍛錬に 疲れて 己の技が まだまだ だと知り 干支の動物が 水墨画で 飾られてる 畳の部屋で うたた寝をしていた。
しかし
その夢は 凄いメッセージ性の強い夢となった
夢の中で サムは何を取り戻したのだろうか
次回は 不思議なサムの夢〜
魔女再び〜
急展開を迎えるであろう。
次回 予告 画像。



