幼虫姫 続 | 全国No. 1短編小説家ー中国地方の観光&グルメレポ

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るるぶとかタウン情報おかやま、winkなどに載ってるスポットばかりアップしてます。メディア記載の場所に実体験したレポかな(笑)

良太と 強面の男が目にしたのは おぞましい人間ほどの身体の緑の大きな いも虫だった。

「ぐわわーっ!出たーーっ。」

強面男は 思わず 腰を抜かした。
良太は 「気持ちいいなぁ〜夢か幻か どっちなんだ??」
どうやら まだ酔ってるようだ。

しかし
みきの 幼虫に変化した姿を見て
やはり 酔いも覚めてしまったようで
「み、みき? まさか お前 みきなのか?」

興醒めしたような瞳で みきを見つめた。

みきは アゲハチョウの幼虫の姿ながら悲しくなって涙が流れた。

その涙は アバハチョウの幼虫特有の 黄色い臭い触覚が出て 周りに 心地よいアロマのようなフルーティーな香りが充満する。

その香りと不思議な感覚で 深い眠りについた良太。

それと同時に みきは かつての良太と付き合い始めた頃の自分、モデルだったという事なども 思い出した。

良太と みきは 同じモデルとして 共通の知り合いを通して知り合ったのだ。

どちらもテレビ出演やラジオに雑誌の出演などで 多忙だった。

いつの間にか 無理し過ぎて みきは 胃腸を壊し
過敏性大腸炎かと思って検査したら 大腸ガンであった。
肛門の排便障害など 若い女性としては あってはならない困難、忘れてしまいたい 闘病生活を思い出した。

今の 幼虫の姿について なんて 自分は おぞましいんだ
0時から6時なんて 来なくていい
人間にしてくれーーと心の中で叫んだ。

そんな時
あの妖精🧚‍♀️が みきの前に現れた。

「みきさん 前言撤回できないって契約覚えてるよね?
蝶々に🦋なって空を飛びたいんだよね。なんか いかにも迷いがあるぞオーラしてるけど、なんかあったの?」


「うん、こんな姿なのに 、さすが妖精さん🧚‍♀️ 
よくわかってるね。私 もう嫌! この キモい蟲の姿なんとかしてよ!蝶々になるなんて 余計嫌!あれ すぐ死ぬでしょ!空飛ぶとか もうどうでもいいの。」

「ダメよ〜ダメダメ」
妖精🧚‍♀️は どこかで聞いた事があるような セリフを 冷たい笑顔で みきにしてみせた。

「妖精界の契約なのねコレ。
あなた 本当は とっくに末期ガンで死んでるんだから。
生きてるだけで奇跡と思わないの?
妖精界のサプライズなのよねコレ。
いも虫になっても 好きな人とかと また会えてるのに感謝の一つも かけてもらえないわけなのね」

「感謝なのかもしれないけど なんで いも虫なのよ!年頃の私が、蟲だなんて
どうかしてる 悪夢だ
死んだほうがましだわ。」

「とかなんとか言っちゃって、もう あなたは人間に恋してるので契約違反してるかもよ。これからの あなたの運命 私も どうなるかわからないけど なんか末路が見えてきたわ。 前言撤回できないだけに 蝶々🦋になるからね あなた。 それは いつなのか未定ですけどね。

いも虫も嫌だが 蝶々🦋になったら 長く生きられない

どっちも地獄という末路が見えていた。
これなら まだ 末期ガンで死んでた方がマシだったかもしれない。

翌朝

プルンルン🎶
スマホのLINEに ペンギンさんの おはようスタンプが 送られてきた。

良太からだ。

昨日、酔ってたのか 私が幼虫になってたの覚えてないのかな?
もしくは 夢と思ってるのだろう。

おはようございます。と 絵文字も合わせて送った。

今日の夜ー僕の テレビのロケが終わったら 中野ブロードウェイの 1番大きな「まんだらけ」前に来てくれないかな?20時に。
とメッセージが来た。

なにやら意味深な感覚だ。
なぜに「まんだらけ?」

そして 色々不安を抱えてファミレスで過ごしたり考え込んでたら夜が来てしまった。
20時ジャスト

「着いたよ!」
のLINEが届いた。
水玉のスキニーに 金色ヘアーにバンダナ、ハーフ顔にチーク付けた 洋風な濃い顔、しかし なぜか髭がいつもより青く濃い

「どしたの?なんかあったの?まんだらけに呼び出されたり 良太 ちょい様子変だし。」

「あのさあ 僕 最近 おかしくなったのかも 撮影中、ウンウン我慢してたら 
すかしっぺするつもりが、柔らかくなりすぎてたのか、少しだけ漏らしてもうたのね(恥笑)
昨日、君が化け物になる夢も見たし。」

天然なのか なんなんかわからない空気で なんとか 昨日の事はつっこまれなくて良かった。

しかし 記憶が戻ると 本当に楽しいもんだ。
自分が0時になると いも虫になるなんて信じられない。

中野ブロードウェイってこんなに楽しかったのだろうか?

「見て見て〜 鉄人26号だよ。みき  知ってる〜」
「それを言うなら鉄人28号だよーーっ!」

「キン肉マン専門ショップ?キン肉マンってドラクエや るろうに剣心、ソードアートオンライン、黒執事、マギらが流行っている昨今だからこそ 温故知新として 世にアピールしてる漫画だと僕は思う!温故知新としてね」
「んん?うんこ知新? ウンウン漏らしたのは良太よね?」
思わず ボケる みき。
「やだー笑 もう みきったらぁ〜」

従来の モデル業から知り合ったノリノリカップルに戻ったようだ。

やはり記憶が戻ると いも虫だったのが信じられなくなった。
「今日は 綾瀬にある 居酒屋こたんで 飲もうよ 僕がご馳走するから」

「マジか〜あざーっす!」

北千住で乗り換えて 綾瀬まで行き 綾瀬の商店街裏にある「串カツとか サワーとか付けても2000円以内で お腹いっぱいになる こたん に到着した。」

「ここって綾瀬では1番有名だし 予約しなくちゃ入れないのに 今日 すんなり入れたね。僕達 ついてるね。」

「しかし それが (僕達の失敗)に ならなければいんだけどね」
みきは 冗談半分で 言ってしまった。
まるで未来を予測してるかのように。

串カツだけでも うずら、アスパラ、梅しそなど多彩な串が ずらーって出てくる 
それが 安い!安すぎ!

おまけに サワーもビールもカクテルも 進む進む。

時間は22時だし まだ食べたい まだ飲みたい
いも虫になるのが 怖いからか 精神的に追い詰められているのか 
腹の虫が収まらない。

そう 腹の虫が

腹の虫が

みきが 突然

「おぐげっ!」

腹に秘孔を突かれたかのような 顔になって苦しんだ。

「どうした !みき。」
良太は ほろ酔いから一気に覚めて 片手に持っていたグラフを ガシャンと テーブル下に落とし 
眉間にシワを深く寄せて叫んだ。

みきが 腹をめくると妊婦のように腹が膨れて 緑色に変色し

腹の虫が収まらないかのように
みきの心とは裏腹に いも虫オーラが
みきに混ざり
まだ22時過ぎなのに
人間大の 巨大なアゲハチョウの幼虫に みきは変身した。
「ごめんね ごめんね  ほんとに ごめん 良太。」

それしか 言葉が出てこない
他にも伝えたい

うっ うわーーーっ!

良太は店から飛び出すように出た!

この様子を見た 店内の客らは 箸が🥢ぱたっと落ちたり
アゴが猪木みたいに外れて 動けない人がいたり
そのまま気を失う人がいたり
酔ってるだけだ そんなの関係ねぇ!と
ある芸人風に ほんとに関係なく飲んでるサラリーマンもいた。

動きたい 動きたい

動けない 動きたい
じゃない

動くんだ

動かないと 良太には 二度と会えない

動くぞ みきーーー

なんと奇跡が起こった。

蛹になる過程を、飛び越して

黄色や黒のアゲハチョウ特有の美しい羽根が生えて
本来の みきの姿に戻り
いや 本来の姿を 一層 キラキラオーラと羽根で装っている姫のような みきが そこにはいたのだ。

まさに「幼虫から成虫に変わった姫」

流れ的に「幼虫姫」と言った方が良いだろう。

羽根の力で 
良太のところまで なんとか飛んでいけた。

ハァハァハァ  み、み  みき
お前  お前 化け物になったんだね。
ひどいよ ひどいよ どうしてなの


その夜 
色々 良太に あの妖精の事など じっくり語った。
末期ガンからの復活も 納得する良太だった。

「羽根を隠したら もう人間と同じなんだから これからは 僕達 結婚しても うまくやっていけると思う。みきも そう思うだろ?」

「私は  私は もう もう 天に召される そんな予感がするの」

「何言ってるんだ 羽根を隠しつつ ひっそりと島で暮らすってのも悪くないよね?」

死期を悟ったのか
「そうなると良かったけど もう身体が…」

時に 透明になってる みきを発見した。

み、みき  みき……
僕を残していかないでおくれ

「良太  最後に この背中に乗って!」

ワザと笑顔で 良太を背中に乗せて
大空を自由に飛んで
良太と共に過ごす最期の空の時間を楽しんだ。

私のこと いつまでも忘れないでね

そして
良太は この空のように 自由に生きてね。

夕焼けの赤からオレンジ、黄色に変わる オーラカラーのような 鮮明な色彩が
みきの 黄色と黒の縁の羽根を 妖艶に光らせる。

海を越え
山を越え
どれくらい時間が たっただろうか

新宿御苑の 木陰に隠れて
大きな神木が新宿御苑には あるのだ

そこに 良太を誘って 
こう言った。

あ、ありがとう
君と会えて
良かった。
君は きっと 空のような自由に
蝶のように美しく生きるのよ。
私のぶんまで。

夕焼けの空が闇に落ちて 三日月が🌙夜空に浮かぶ頃

みきは 星になった。


良太は この出会いに感謝した。
末期ガンからの病室で亡くなるはずの みきと 最期に こうして上空を楽しんで
新宿御苑で
迎えられたのだから

一生 忘れないよ みき

END