なぜ、夏に過去問はNGなのか
夏の段階での過去問演習
二月の勝者では黒木先生はこのように述べています。
中学入試を経験したことのない方の多くが誤解しているのですが、ご自身の受験での経験は中学入試では役に立ちません。それどころか、変に経験則を持ち出したりすると足かせにさえなります。
高校受験や大学受験は「曲がりなりにも」入試で出題される内容について扱っています。入試とはほとんど関係ない事柄をたくさん扱う先生もいらっしゃるようですが、一応は入試に出題される事柄を中心に授業は進みます。ですから塾に通えば、入試に向けて厚塗りができるということになりますよね。だから夏から過去問を使って勉強をできる子がいるわけです。特に大学入試だと顕著ですよね。大学入試だと有名校や難関校は夏に過去問演習に入れないようでは浪人確定ですよね。
ところが中学入試は違います。学校で習うことは基本過ぎてほとんど出題されません。入試に向けて別次元の訓練を受けないと解答ができない内容の出題です。
つまり、学校で習う勉強は入試においては役に立ちません。つまり、塾で習うことは入試にむけての厚塗りにはならず、一つ一つの事柄が子供にとっては「初めて習う」ことに他なりません。
では、どこで入試にむけての厚塗りをするのか。9月以降入試までの5ヶ月間です。
夏は、中学受験生にとっては入試の範囲を一通り終えた状態にすぎません。高校受験生や大学受験生に例えると、塾には全くいかず、学校の授業だけを受け終えた夏という状態に近いでしょう。学校の授業だけを受け終えて、いきなり復習もせずに過去問を解くという行為に近いですね。
入試問題の良問選別問題集の功罪
過去問の良問選別型の問題集は使う時期が非常にデリケートです。単元別とか目的別の問題集に比べて、やらせる時期を間違うと子供のやる気を奪うだけということにもなりかねません。
使う時期は過去問演習が軌道に乗ってきた11月辺りからでしょう。やってることは過去問演習と変わりませんので、どうしてもという方を除いて私はおすすめしません。
特にこの手問題集の中には、単に入試問題をかき集めてきて切り貼りしただけのようなものも混ざっています。また、合格体験記型のブログなどで紹介されているものも「たまたま、その子にフィットしただけ」ということもありえます。
そもそもが、夏から入試問題ベースに受験勉強を組み立てるのは大学受験のやり方です。ここをお忘れなきようにお願いします。
過去問演習は10月からが基本
大きな方向性として中学受験大手塾は
1 夏前の7月までに入試範囲を終えます。
2 夏期講習期間と9月で入試頻出の重要単元の厚塗りをします。
3 10月から過去問演習しつつ、入試範囲の細かいところを拾い、入試範囲の厚塗りをします。
科目間に多少の時期的な差異はあっても、概ね、このような進み方で入試まで行きます。
過去問の国語の読解記述の添削
基本的に家で保護者が診てください。
担当クラスの生徒全員の国語記述問題の添削をすると莫大な時間がかかります。
受験校が1人1人違うので読む文章の数が多くなるのと、きちんと読解の指導を小学生にできる講師が希少であることが原因です。
そして、過去問の記述添削に時間をかけることを塾側が良しとしません。まず残業の申請は通りません。
他の科目担当が定時で上がれても、校舎の運営業務などを変わってくれることもほぼありません。
そもそも過去問の記述添削については「安易に保護者の方と約束をするな」「過去問の添削での残業は禁止」と職員に指示を出しておきながら、保護者には明確にせず、果ては「過去問のチェックをするのでノートを作って担当に提出してください」という話までしている始末。
まあ、進捗状況のチェックするので、嘘は言ってないですが、これだと記述添削もしてくれると誤解する保護者がいるのは当たり前です。
で、「過去問を提出しているのに担当の先生が添削してくれません」というクレームにつながることがあるわけですこれも責任者や会社はかばってくれません。「保護者と話して穏便に解決しろ」と言われて、だいたいが面倒になって無償で添削をするという流れになるわけですが、国語講師の多くがこういう事案を経験して嫌な思いをしているので、添削のクレームをつけられたら、残業を会社が認めるまでは一切対応をしない心積もりと理論武装をしている人が結構います。
過去問の添削は業務の範囲外にあたる行為なので、基本はご家庭でやる。塾には家庭での添削指導については助言を求める程度にとどめておく方がいいと思います。塾業界全体に広がる闇の部分です(笑)


