【抜擢から4か月】イーロン・マスク氏がトランプ政権から離脱/「トランプ関税」差し止め“一時停止” 引き続き関税徴収へ/ベッセント長官「交渉への影響は無い」など2025/05/30
米国際貿易裁判所は28日、トランプ大統領の世界的な関税措置を巡り、その多くの部分について違法だと判断して差し止めを命じた。トランプ氏の主要経済政策にとり大きな打撃となりそうだ。
トランプ政権は判断を不服として控訴する旨の通知を提出した。最終的には連邦最高裁判所の判断に委ねられることも考えられる。この訴訟は世界貿易に数兆ドル規模の影響を及ぼすことになりそうだ。
現時点では、控訴審で裁判所がトランプ政権による関税再導入を認めない限り、対象の関税は恒久的に差し止めとされる。この判決はいわゆる略式判決で、正式事実審理なく原告側が下級審で勝訴したことを意味する。
国際貿易裁判所の3人の判事から成るパネルは、トランプ氏が一部の関税措置を正当化するために国際緊急経済権限法(IEEPA)を適用したのは不当だとする民主党主導の州や中小企業グループの主張を全員一致で支持した。
裁判所は政権に対し、今回の命令を「実行に移す」ため10日間の猶予を与えたが、関税撤回のために取るべき具体的な手続きの指示は示さなかった。
トランプ氏は大統領権限の限界を試すかのような勢いで一連の大統領令を発令。これに対し数多くの訴訟が提起されているが、今回の国際貿易裁判所の判断は政権にとってこれまでで最大級の痛手の一つと言えそうだ。
この判断により、トランプ氏の関税措置の大部分が停止される。対象には貿易相手国・地域に対する一律関税、中国などに対する高率関税、中国およびカナダ、メキシコに対する合成麻薬フェンタニルに関連した関税が含まれる。
一方で、通商拡大法232条や通商法301条など異なる権限に基づいて鉄鋼・アルミニウム、自動車に賦課された関税には影響が及ばない。

トランプ氏が大統領令で広範な関税措置を正当化するために根拠とした国際緊急経済権限法は、特定の緊急事態下でさまざまな金銭取引に関する権限を大統領に付与する。トランプ氏は、米国が抱える「大幅で持続的な」貿易赤字が国家安全保障および経済に対する「異例かつ並外れた脅威」に当たるとして、同法を用いて関税を導入することが許されると主張していた。
国際貿易裁判所判事は、トランプ氏が世界的な関税措置を打ち出した大統領令と、対米報復措置を講じた国々に追加関税を課すとしたその後の大統領令のいずれも、同法で大統領に認められた権限を超えていると結論づけた。さらに、麻薬密輸への懸念を理由にメキシコとカナダに関税を課した大統領令についても、最終的に密輸問題の解決を目的としていないとして違法と判断した。
ホワイトハウスのデサイ報道官は声明で「国家の緊急事態への適切な対処を判断するのは選挙で選ばれたわけでない判事の仕事ではない」と指摘した。
ニューヨーク市マンハッタンにある国際貿易裁判所は、連邦裁判所制度の一部。関税を含む貿易に関する専門的な紛争を扱うために連邦議会が設立した。裁判所判断への控訴は、地裁判決の場合と同じ手続きで行われる。トランプ政権が異議を申し立てた場合、連邦高裁を経て連邦最高裁へと進むルートをたどる。他の連邦裁判所と同様、判事は大統領が任命する。
この判断を受けて、米株価指数先物が上昇し、ドルも買われた。S&P500種株価指数先物は一時1.7%高、ナスダック100指数先物は2.1%高となった。29日の東京外国為替市場の円相場は対ドルで一時2週間ぶりに146円台に下落した。
ブルームバーグ・ドル・スポット指数は一時1週間強ぶりの高水準を記録。米10年債利回りは2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇した。
林芳正官房長官は29日午前の記者会見で、判決が日米交渉に与える影響について問われたが、予断を持って回答するのは控えるとした。その上で、内容や影響を「十分に精査しつつ、適切に対応する」と述べた。
原告の一角であるニューヨーク州のホークル知事(民主)はSNSへの投稿で裁判所判断を高く評価した。
トランプ氏が4月2日に広範な関税措置を発表して以降、世界の市場は大幅変動に見舞われてきた。中国をはじめとする貿易相手国・地域に対する二転三転する方針に振り回され、数兆ドル規模の時価総額が吹き飛んだり、回復したりする展開となっている。
原題:Trump Global Tariffs Deemed Illegal, Blocked by Trade Court (4)、Stock Futures Jump, Dollar Gains on Tariff Ruling: Markets Wrap(抜粋)
(国際貿易裁判所の判断内容や最新の相場動向、官房長官発言を追加して更新します)
イーロン・マスクがトランプ政権を離脱...「正直に言ってがっかりした」
2025年5月29日(木)13時41分
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2025/05/553563.php
米実業家のイーロン・マスク氏がトランプ政権における特別政府職員としての役割を終えることになったと、ホワイトハウス高官が28日に明かした。高官はロイターに、マスクが政権を去ることは事実で「退任は今夜から始まる」と語った。
政府効率化省(DOGE)を率いてきたマスク氏は同日、「特別政府職員としての任期が終わりに近づいているが、無駄な支出を削減する機会を与えてくれたトランプ大統領に感謝したい」とXに投稿。「DOGEの使命は、政府全体のあり方となるにつれて時間とともに強化されるだろう」と語った。
マスク氏の任期は130日以内とされており、今月30日ごろに終了する予定だった。トランプ政権は、DOGEが行ってきた連邦政府の再構築と縮小の取り組みは今後も継続されると述べている。
トランプ氏とDOGEはこれまで、230万人の連邦政府職員の約12%に当たる26万人を削減した。
一方、マスク氏は27日放送のCBSとのインタビューで、トランプ氏肝入りの税制・歳出法案が米国の財政赤字削減に向けた取り組みを阻害すると批判し、「正直に言って、この巨額の支出法案を見てがっかりした」と述べていた。
[ロイター]
ドナルド・トランプ米大統領に近い実業家のイーロン・マスクは政権に加わって以降、政府機関を骨抜きにする試みが失敗に終わり、政府の役職を退任する意向を表明したが、人気は著しく低下している。各種世論調査から明らかになった。
マスクは28日、X(旧ツイッター)で、行政の無駄を省く新組織「政府効率化省(DOGE)」の役職を正式に退く意向を表明。「DOGEの使命は時間とともに強まる一方だ」と投稿した。この約1カ月前、マスクは政治献金を大幅に減らすと発言していた。また数日前には、トランプ大統領の看板施策を盛り込んだ法案について、連邦政府の赤字を増やすものだとして公に批判していた。
マスクは昨年7月13日、トランプ大統領候補(当時)が東部ペンシルベニア州で演説中に銃撃を受けた日に同候補への支持を表明した。米統計学者ネイト・シルバーの報告によると、それ以降、マスクを支持する人の数は横ばいである一方、支持しない人の数が大幅に増加した。マスクの支持率は昨年7月中旬時点では41%だったが、DOGEの役職を退くと表明した翌日の5月29日には39%に後退。一方、不支持率は40%から54%へと上昇した。
米データ分析企業モーニングコンサルトが5月23~25日にかけて実施した、マスクに関する最新の世論調査では、回答者の40%が非常にまたはやや好意的に見ており、52%は非常にまたはやや好意的ではないと回答した。
マスクがDOGEで最も精力的に活動していた3月に実施された米CNNの世論調査では、回答者の大多数が、マスクにはトランプ大統領の連邦政府改革を実行する経験も能力もないと考えており、歳出削減が行き過ぎになるのではないかと懸念していることが示された。ただし、結果は回答者の支持政党によって大きく分かれた。
今後、誰がDOGEを率いるのかは分かっていない。マスクは事実上のトップだったが、トランプ政権は、医療業界での幹部経験があるエイミー・グリーソンがDOGEの実質的な管理者を務めていると説明している。だが、グリーソンは対外的な役割を担っておらず、DOGEの活動にどの程度関与しているかは不明だ。
マスクはトランプ政権時代に政府支出の削減に強硬な姿勢を取り、米国際開発庁(USAID)など一部の機関を完全に解体し、連邦政府全体で数万人に及ぶ職員を解雇した。それにもかかわらず、1兆ドル(約140兆円)の削減という目標には遠く及ばず、解雇の多くは裁判所によって覆されたり、誤りであったことが認められたりした。
フォーブスは、マスクの資産を4309億ドル(約62兆円)と見積もっている。マスクは昨年7月以降、当時のトランプ候補の大統領選挙運動に2億5000万ドル(約360億円)を寄付した。マスクはトランプ大統領の私邸、マールアラーゴでの週末や外遊にも同行し、時にはホワイトハウスで夜を過ごすなど、大統領の傍らに欠かせない存在となった。だが、トランプ大統領のマスクに対する親近感は共和党全体に広がることはなく、マスクが行った歳出削減について公に疑念を表明した共和党議員も多い。
トランプ政権からイーロン・マスクがガッカリしてついに離脱。安冨歩東京大学名誉教授。一月万冊
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