【空港検疫の謎】なぜ唾液PCR検査よりも陽性者一致率の低い唾液抗原定量検査を選んだのか❓ | ☆Dancing the Dream ☆

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2020年7月17日、厚労省は、
調査の結果、無症状者に対し、
唾液を用いたPCR検査、LAMP検査及び
抗原定量検査を活用できると発表。

そして、2020年7月29日以降、
空港検疫において、鼻咽頭ぬぐい液によるPCR検査から
「唾液による抗原定量検査」に変更した。

この空港検疫の検査方法の変更は、
防疫上、問題はなかったと言えるのだろうか?
なぜ、「唾液によるPCR検査」ではなく、
「唾液による抗原定量検査」を選んだのだろうか?
この唾液による検査の調査結果を報告した、厚生労働科学研究班の
北大の豊嶋班の豊嶋崇徳教授は、
「唾液によるPCR検査」を使った検査拡大を行うよう提言していた。
「唾液による抗原定量検査」は、
「唾液によるPCR検査」よりも陽性者一致率が、16.2%も低い。

○陽性者一致率
・唾液PCR:91.9%
・唾液抗原定量検査 :75.7%

2020年12月21日、英国が、
感染力の高い変異種が制御不能となったと発表し、
世界各国では英国からの航空便の乗り入れや旅行者の入国禁止したが、
同日のTV番組で菅総理は、
「特別の方に限りですよね、日本に入って来られるのは。
日本人の方でイギリスに住んでいらっしゃる方とか。
1日1人か2人だそうです」とコメントした。
実際には、1日の入国者は約150人だった。

日本政府は、やっと12月24日以降、
日本国籍者以外の英国からの新規入国を一時停止。
12月25日 日本国内でも空港検疫で初めて英国変異株感染者が確認された。

政府は、28日午前0時から来年1月末までの間、
全ての国・地域からの外国人に対して条件付きで認めていた新規入国について
原則として一時停止するとした。
ただし、中国や韓国、台湾、タイ、ベトナムなど11カ国・地域の
在留資格のあるビジネス関係者や留学生等は、
例外的に新規入国を認めるとした。

2021年1月7日、緊急事態宣言、
1/8~2/7(31日間):埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県。
1月13日、追加を発表。
1/14~2/7(25日間):栃木県、岐阜県、愛知県、京都府、
大阪府、兵庫県、福岡県。菅総理は会見の際、福岡を静岡と言い間違えた。
11都府県(対象都府県)に緊急事態宣言が出された。
全面的な外国人の日本への入国制限は、1月14日からとなった。

2021年1月22日、厚労省は、
英国滞在歴のない東京在住10歳未満の女児が
英国変異株に感染していたことを発表。
市中感染したとみられるという。
https://mainichi.jp/articles/20210122/k00/00m/040/343000c

英国変異株と名づけられているが、
英国ではゲノム解析技術が進んでいるから、
たまたま英国で発見できたということではないのか?
https://www.miyoshin.co.jp/entry/2020/12/26/181236


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 抗原検査試薬「ルミパルス SARS-CoV-2 Ag」(提供:富士レビオ)
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/report/t344/202006/566125.html

<抗原定量検査>
・6月19日には、富士レビオ株式会社から新たな新型コロナウイルス抗原検出用キットである「ルミパルスSARS-CoV-2Ag」の薬事承認が得られ、6月25日から保険適用となりました。当該製品は、専用の測定機器を用いることにより、従来の抗原検出用キット(抗原定性検査)よりも感度が高く、抗原の定量的な測定が可能であることから、PCR検査と同様に、鼻咽頭ぬぐい液による検査は有症状者、無症状者問わず確定診断に用いることが可能です。
・また、唾液による検査は、当初、症状発症から9日以内の者については可能とされていましたが、7月17日より、PCR検査と同様、無症状の方に対しても、唾液を用いた検査を活用できることとなりました。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00132.html


無症状者の唾液を用いたPCR検査等について(案)
https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000649737.pdf



✔︎唾液を用いた「PCR検査」及び「LAMP法検査」について、
鼻咽頭ぬぐい液を用いたPCR検査と比較し、
90%程度の陽性者一致率・陰性者一致率ならびに一致率が確認された。

○陽性者一致率
・唾液PCR:91.9%
・唾液LAMP:86.5%
○陰性者一致率
・唾液PCR:88.9%
・唾液LAMP:92.6%
○一致率
・鼻咽頭PCR検査と唾液PCRの一致率: 90.1%
・鼻咽頭PCR検査と唾液LAMPの一致率: 90.1%


✔︎ 唾液を用いた「抗原定量検査」について、
鼻咽頭ぬぐい液を用いたPCR検査と比較し、
陽性者一致率は約76%、陰性者一致率は100%、一致率は約90%であった。

○陽性者一致率 75.7%(=28/37)
○陰性者一致率 100%(=54/54)
○一致率 90.1%(=82/91)





●(参考) けやき倶楽部 千葉大学 「PCR検査拡大を」
報告者:森山泰文 報告日2020年5月21日
http://chibadaikeyaki.com/200527PCRHirayama.pdf
↪︎提言3 唾液を使ったPCR検査を 北海道大学大学院教授 豊嶋崇徳(血液内科学分野)




●厚労省 無症状者の唾液を用いたPCR検査等について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_12488.html
本日より、無症状の方に対し、唾液を用いたPCR検査、LAMP検査及び
抗原定量検査を活用できることとしますので、お知らせします。
令和2年7月17日(金)
【照会先】厚生労働省 新型コロナウイルス感染症対策推進本部 
課長補佐 :上田 真琴


●厚生科学審議会感染症部会 7/17から
無症状者(空港 検疫の対象者、濃厚接触者等)に対して唾液を用いたPCR検査、LAMP法検査及び抗原定量検査を活用することを可能とする。

https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000649879.pdf


  ⬇︎  ⬇︎


Press Conference on COVID-19 on July 17, 2020 /【厚生労働省】新型コロナウイルスに関する記者会見(2020年7月17日)
(抜粋)…3点目は、検査に関してであります。本日より、無症状の方に対する唾液を用いたPCR検査及び抗原定量検査を活用できることとしております。唾液を用いた検査は、これまで発症が9日以内の有症状者について認められていましたが、無症状の方で用いることができるかどうか確認作業を行ってまいりました。
 鼻咽頭拭い液を用いたPCR検査と、唾液を用いた検査を比較する調査研究を行ってまいりましたが、両者において高い一致率を確認することができました。唾液による検査はこのような容器に唾液を大体2,3cc出していただく。実はこの容器は、必ずしもこういう形ではありませんが、滅菌されていて封が出来れば良いという容器ですから、既にいろいろなところで使われています。ここに2、3cc出していただいて、そこで処理をする場合、あるいはこのまま検体を分析機関に送っていただく、いくつかやり方がありますが、それによって対応できるということで、これまでの鼻咽頭から拭い液を取るという作業と比べると、これは唾液だけということですから、現場の負担も相当軽減できるものと考えております。
実際の機器は試薬も含めて現在の鼻咽頭拭い液における試薬がこれにおいてもそのまま使えるということであります。また、抗原定量検査では、専用の分析機器がある場合、迅速な診断が可能です。分析そのものは30分程度と承知しています。今、ビジネストラックなどの国際的な人の往来再開に向けた段階的措置の中で、唾液PCR検査などの代替的な検査方法の導入等を始め、検査能力・体制を拡充するとされていたところでありますが、今回これでやれるということになりますから、そうした検査能力の体制拡充にも資するものと考えております。早速、検疫等において活用していきたいと考えております。


日テレ 羽田で新型コロナ検査能力倍増(2020年7月29日)

空港での検査能力を高めたことを明らかにしました。
海外からの入国者に対する新型コロナウイルスの検査について加藤厚生労働大臣は羽田空港の検疫での1日の検査能力が2,000人から3,800人に上がった事を明らかにしました。
今日から症状がない人への唾液を使った抗原検査を導入したためで今日から8月初旬にかけて成田空港と関西空港でも導入します。
政府は空港での検査能力を9月中におよそ1万件にまで増やす方針です。


NEWS 無症状者の新型コロナ検査、唾液PCRも活用可能に─厚労省が取り扱い変更
日本医事新報社2020-07-20
https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=15136

新型コロナウイルス感染症対策分科会(第3回) 議事概要
令和2年7月22日(水)13時15分~16時11分

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/bunkakai/corona3_gaiyou.pdf
<加藤勝信厚労大臣 挨拶>
(抜粋)……また、先週17日には無症状者に対し唾液を用いたPCR検査、抗原定量検査は可能 という判断をいたしました。これにより、空港検疫といった検査現場などにおい て検査手法の選択肢の拡大につながっているところであります。これも検査の充 実につなげていきたいと思います。

新型コロナウイルス感染症対策分科会(第4回) 議事概要
令和2年7月31日(金)10時30分~13時31分

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/bunkakai/corona4_gaiyou.pdf
<加藤勝信厚労大臣 挨拶>
(抜粋)……なお、空港検疫においてPCR検査に代わる唾液による検査、抗原定量検査による 仕組みに切替えをさせていただき、先日、羽田空港でその現場を視察いたしまし た。今回の切替えをすることによって、検査結果が判明するまで、これまでは場 合によっては1泊、どこかで待っていただいたということになっておりましたが、 スムーズに流れれば1時間程度で検査が終了するということで大幅な時間の短縮、 また、円滑な流れをつくっていくことができるというように認識をしております。……

厚生労働省、日本入国時のコロナ検査方法を抗原検査に変更 
唾液を採取し検査
Tracy 2020年7月30日
https://www.traicy.com/posts/20200730177082/
厚生労働省は、7月29日以降、日本入国時の新型コロナウイルスの検査方法を、抗原検査に順次変更する。

●例〉 日本入国時の検査方法の変更(令和 2 年 7 月 29 日) 
在チェンナイ日本国総領事館

https://www.chennai.in.emb-japan.go.jp/files/100078415.pdf

●実体験ブログ〉羽田着 新検査方法での一連の手順と注意点。
コロナ禍での日本一時帰国

しろくろめがねさん2020-08-24
https://hama-sush-jp.pro/erimachoco/entry-12619692499.html

唾液でコロナ検査、高まる期待 空港「すり抜け」懸念も
朝日新聞2020年8月20日
https://www.asahi.com/articles/ASN8N6KX1N8LULBJ00B.html
日本に入国時の空港検疫で導入が進む唾液(だえき)を使った新型コロナウイルスの「抗原定量検査」は速やかに検査結果が分かり、ビジネス関係をはじめ海外との人の行き来の制限緩和に役立つと期待されている。しかし、精度がPCR検査より低く、水際での検査をすり抜ける感染者の増加を懸念する専門家もいる。
 無症状の人への唾液による抗原定量検査は7月17日に認められ、成田、羽田、関西などの空港で順次導入されている。PCR検査は結果が出るのに少なくとも数時間かかるのに対し、抗原定量検査は約30分で判明する。簡易検査キットの抗原検査と異なり専用機器が必要だが精度がより高い。
 検査精度について、加藤勝信厚生労働相はこの日の会見で、「PCR検査と比較して高い一致率を確認できた」と述べた。無症状の人に唾液を用いたPCR検査や抗原定量検査を認めた同日の報道発表も同じ旨が書かれている。
 しかし、その2日前に非公開で開かれた厚労省感染症部会の資料によると、鼻の奥の粘液を検体に使ったPCR検査で陽性だった無症状者37人のうち唾液の抗原定量検査で陽性となったのは28人。陽性者一致率は76%だった。PCR検査で陽性の4人のうち、唾液の抗原定量検査だと1人が見落とされる可能性があることを示している。


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唾液PCR検査、無症状者にも 空港検疫に限定―厚労省
時事通信2020年07月01日10時33分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020070100497&g=soc
 新型コロナウイルス感染の有無を調べるPCR検査について、厚生労働省が唾液を使った検査を無症状の人にも認める方針を決めたことが1日、関係者への取材で分かった。空港での検疫に限定し、近く運用を始める予定。入国制限の緩和が進む中、検査の迅速化を進めるのが狙い。
 症状がある人に対するPCR検査は、発症から9日目以内なら唾液を使うことが認められている。一方、症状がない場合は、医療従事者が鼻の奥から粘液を採取する必要があるが、粘液を採取する際に綿棒の刺激を受けた患者がくしゃみをしてウイルスが飛び散る恐れがあった。
 同省研究班が空港で無症状の人を対象に唾液と鼻粘液の両方を使ってPCR検査したところ、結果はほぼ一致したという。

抗原検査、唾液も可能に 厚労省が試薬承認、「第2波」に備え
時事通信2020年06月19日12時05分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020061900575&g=soc
 新型コロナウイルス感染の有無を短時間で調べる抗原検査について、加藤勝信厚生労働相は19日、唾液による診断が可能な高感度の検査試薬を薬事承認した。近く保険適用される見通し。厚労省による抗体検査の結果、大半の人が新型ウイルスへの免疫がないことが分かり、同省は、PCR検査に加え高感度の抗原検査を活用することで、感染の「第2波」に備える。
 従来の抗原検査では、患者の鼻の奥から採取した粘液に含まれるウイルス特有のタンパク質(抗原)の有無を調べていた。ただ、医療従事者が綿棒で粘液を採取する際、患者のくしゃみを浴びるリスクがあった。
 承認されたのは、「富士レビオ」(東京)の検査試薬。同社は鼻の粘液を調べる簡易検査キットについて既に承認を受けている。同社はPCR検査と同程度の高感度試薬を開発し、唾液を使う場合には発症から9日目以内の有症状者に使用できる。検査時間は約30分で、PCR検査の4~6時間より大幅に短縮できるという。

新型コロナ抗原検査を効率化 陰性時のPCR不要に―厚労省
時事通信2020年06月16日10時49分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020061600424&g=soc
 厚生労働省は16日、新型コロナウイルスの感染の有無を迅速に判定できる抗原検査について、陰性だった場合に確認のため実施していたPCR検査を不要にすると発表した。発熱などの症状が出てから2~9日以内の人が対象で、より効率的な検査が期待される。
 抗原検査は30分程度で感染を判定できる一方、陰性の判定では精度が劣るため、これまでは追加でPCR検査をしていた。厚労省によると、研究の結果、発症から2~9日以内であればウイルス量が多いため、確定診断に使用しても問題がないと判明したという。

NEWS◎厚労省がガイドライン改定、抗原検査陰性でも追加PCR検査は不要に
抗原検査、発症2~9日は陰性でも確定診断可能に

日経メディカル2020/06/17
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/report/t344/202006/566077.html
厚労省は「SARS-CoV-2抗原検出用キットの活用に関するガイドライン」および抗原検査キットの添付文書を改定した。
※令和2年5月13日 令和2年6月16日改訂 厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策本部
本部長:(当時)安倍内閣総理大臣

1万人規模の抗体検査、6月にも 結果には誤差も
新型コロナウイルス
朝日新聞2020年5月15日 11時08分
 新型コロナウイルスに感染することで体内にできるたんぱく質(抗体)から過去の感染歴を調べる抗体検査について、厚生労働省は15日、来月にも1万人規模の調査を実施すると発表した。東京と大阪、東北地方の自治体で調整している。また、検査キットの性能評価のために4月下旬に東京都と東北地方で計1千検体を検査したところ、5検体が陽性だった。結果には誤差があることから、より大規模に調査するという。
 抗体は、血液中にできるまでに時間がかかるため、PCR検査や抗原検査のような感染の診断には適さないが、短時間に検査でき、免疫がある人の割合から感染がどれくらい広がっていたかを調べられる。
 厚労省は複数の検査キットの性能を評価するため、東京都と東北地方6県で4月下旬に採取した献血1千検体を調べた。その結果、東京で最大3検体、東北6県で最大2検体が陽性だった。一方、新型コロナによる感染症が発生する前の昨年1~3月に採取した500検体でも2検体で陽性とでた。厚労省は、誤検出の可能性が高いとみている。
 加藤勝信・厚労相は会見で「専門家から、今回の調査だけでキットの性能や抗体保有率について言及することは適切ではないとの指摘があった」と話した。

厚労省HP 
新型コロナウイルス感染症に関する検査について

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00132.html
抗原検査について
<抗原検査キット(抗原定性検査)>
・ 2020年4月27日に富士レビオ社の抗原検査キット「エスプラインSARS-CoV-2」の薬事申請が行われ、同年5月13日に我が国初の新型コロナウイルス抗原検査キットとして承認されました。
(参考)
抗原を用いたイムノクロマト法の検査キットが5月13日に薬機承認を得られたことから、同日、第40回厚生科学審議会感染症部会で議論しました。
第40回厚生科学審議会感染症部会(5月13日開催)
・承認後当初は、抗原検査キットで陽性の場合は確定診断となる一方、陰性の場合は確定診断のために再度PCR検査が必要でしたが、調査研究の結果、発症2日目から9日以内の有症状者については、抗原検査キットとPCR検査の結果の一致率が高いことが確認されました。
そのため、6月16日に「 SARS-CoV-2 抗原検出用キットの活用に関するガイドライン」の見直しを行い、鼻咽頭拭い液による検査は、発症2日目から9日目までの患者について、検査結果が陰性でも確定診断が行えるようになりました。
・定性抗原検査キットの供給については、当初、患者発生数の多い都道府県における帰国者・接触者外来等から供給を開始し、徐々に拡大し、現在は検査施設や医療機関の類型を問わず広く全国に供給されるようになっています。
<(参考)定性抗原検査キットを活用した検査フロー>
(参考)使用方法のガイドラインはこちら
「 SARS-CoV-2 抗原検出用キットの活用に関するガイドライン」
https://www.mhlw.go.jp/content/000630270.pdf
ーー
抗体検査について
・現在、イムノクロマト法と呼ばれる迅速簡易検出法をはじめとして、国内で様々な抗体検査キットが研究用試薬として市場に流通していますが、期待されるような精度が発揮できない検査法による検査が行われている可能性もあり、注意が必要です。
・また、現在、日本国内で医薬品・医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)上の体外診断用医薬品として承認を得た抗体検査はありません。WHOは、抗体検査について、診断を目的として単独で用いることは推奨されず、疫学調査等で活用できる可能性を示唆しています。
【抗体保有調査について】
・厚生労働省が実施する抗体保有調査(一般住民調査)では、世界的にみて一定の基準を課している国において、既に使用が認められているなど、一定の評価がなされている抗体検査機器を活用することとしています。
抗体保有調査概要(一般住民調査)概要 (5月29日掲載)
・厚生労働省では、我が国の抗体保有状況の把握のため、東京都、大阪府、宮城県の3都府県について、それぞれ一般住民約3,000名を性・年齢区分別に無作為抽出し、6月第一週に血液検査を実施いたしました。その結果、各自治体における抗体保有率が判明しました。
抗体保有調査結果(6月16日掲載)
・上記記載の令和2年6月16日に公表した抗体保有調査について、国立感染症研究所で実施した中和試験の結果が判明しました。
抗体保有調査における中和試験の結果について(7月14日掲載)
・5つの自治体を対象に、第2回抗体保有調査(一般住民調査)を行うことを決定しました。
第2回抗体保有調査(一般住民調査)概要
(参考)抗体検査キットの性能評価について
・AMED研究班が、日本赤十字社の協力を得てとりまとめた「抗体検査キットの性能評価」について公表しています。
抗体検査キットの性能評価(5月15日掲載)



厚労省が実施した抗体検査の性能評価、業界関係者から相次ぐ指摘
「そもそも研究のデザインからしておかしいのでは」

日経バイオテク2020.05.18
久保田文
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/20/05/17/06936/
厚生労働省は、2020年5月15日、日本医療研究開発機構(AMED)の研究班が日本赤十字社の協力を得て取りまとめた「抗体検査キットの性能評価」の研究結果を公表した(表1)。しかし、今回結果が公表された性能評価の研究については、複数の業界関係者から「そもそも研究のデザインからしておかしいのでは」と根本的な指摘が幾つも出ている。

「性能については、なかなか一概には判断できないことが分かった」

 まず、公表された「抗体検査キットの性能評価」の研究結果について振り返りたい。厚労省が公表した結果によれば、今回研究で使用された抗体検査は、A社からE社まで5社のキットや試薬だ。うち、4社は、イムノクロマト法(ICA法)を使って、新型コロナウイルスに対する抗体の有無を調べる定性のキットであり、1社は、化学発光免疫測定法(CLIA法)を使って、新型コロナウイルスに対する抗体の有無を調べる定性の試薬だった。いずれも、社名は開示されていない。
 研究対象となったのは、2020年4月に献血に訪れた、東京都内の献血者500例と東北6県の献血者500例。それぞれの献血時に検査に回した残りの血液を用いて抗体検査を実施した。また、対照群(陰性の検体)として、新型コロナウイルスが出現する前、2019年1月から3月に献血に訪れた、関東甲信越の献血者500例の残余血液を用いた抗体検査も行われた。ちなみに、計1500例を対象に抗体検査が実施されたのはC社とE社の2社のみで、残りのA社、B社、D社の3社は東京都内の献血者のうち45例、東北6県の献血者のうち45例、計90例について抗体検査が実施された。
 その結果、計1500例を対象に実施された、C社の抗体検査では、東京都内の500例のうち2例、東北6県の500例のうち1例、2019年の500例のうち1例が陽性となった(検体番号のaとa'、a"には関係は無い)。同じく計1500例を対象に実施された
、E社の抗体検査では、東京都内の500例のうち2例、東北6県の500例のうち1例、2019年の500例のうち2例が陽性となった。また、計90例を対象に実施されたA社、B社の抗体検査では、東京都内の45例のうち1例のみが陽性になった。D社の抗体検査では陽性は出なかった。
 今回の結果について、厚労省は東京都内では、最大3例の0.6%(検体番号のaとbとcを陽性と捉える)が、東北6県では、最大2例の0.4%が陽性であったと説明(表1の下)。その上で、新型コロナウイルスが存在しなかった2019年の検体から出た陽性は偽陽性であることから、2020年の結果にも偽陽性が含まれる可能性が高いとしている。本誌の取材に対して、厚労省健康局結核感染症課の担当者は「性能については、なかなか一概には判断できないことが分かった」と話していた。
 言い換えれば、「抗体検査キットの性能評価」を行った結果、「性能には課題があると分かった」というところだろうか。ただ、今回の研究については、複数の業界関係者から「そもそも研究のデザインからしておかしいのでは」と根本的な指摘が幾つも出ている。

「性能評価なのに性能が評価されていない」「献血者では結果にバイアス」

 1点目は、「性能評価と言いながら、抗体検査の性能が評価されていない」という指摘だ。
 抗体検査の性能の評価指標には、「感度」と「特異度」がある。そして現状、抗体検査の感度は、陽性(だと考えられる)検体、具体的には、直近にPCR検査で確定診断され、新型コロナウイルスに感染したことが明確な患者の発症後の血液を用いて、「陽性」だと判定できるかで評価されている。また、抗体検査の特異度は、新型コロナウイルスが流行する前など感染していないことが明確なヒトの血液を用いて「陰性」だと判定できるかで評価されている。
 しかし、今回の研究で用いられた抗体検査については、理由は不明だが、患者の発症後の血液などを用いた感度の評価は行われていない(特異度の評価は、2019年の検体を用いて可能)。厚労省健康局結核感染症課の担当者も、「それぞれの企業が収集した感度や特異度のデータが、製品情報などに掲載されている」として、公表された結果が全てであり、別途感度の評価などは行っていないと認めている。つまり、「今回の研究は、性能評価と言いながら、感度を評価しておらず、抗体検査キットの性能を評価するデザインになっていない」(ある業界関係者)ということだ。

 2点目は、「抗体検査の検体に献血者の血液を用いるのは適切ではないのでは」という指摘だ。
 今回の研究結果から、「東京都で0.6%、東北6県で0.4%が陽性と判定された」といった一部報道も見られた。しかし、「献血に行こうという人は日ごろから健康に気を使っている。なので、仮に感度や特異度が認められた抗体検査を用いて、陽性者が数%と出たところで、それは、東京都内の市中感染の状況を表しているとは言えない」(ある業界関係者)。別の業界関係者も、「そもそも抗体検査の対象は、一定の地域から無作為抽出しないとバイアスがかかって意味が無い」と指摘する。

 結局、今回の研究結果からは、「(献血者が対象ではあるが)思っている以上に、抗体保有率が低そうだということが示唆されたので、より大規模な検体が必要だということになった」(厚労省健康局結核感染症課の担当者)という。厚労省は、2020年6月にも、東京、大阪、宮城などで1万例を対象に抗体検査を実施する方針だ。ただ、その際に、どの抗体検査を使うのかについて、現時点では未定。対象者の選び方など、研究デザインも明らかになっていない。業界関係者からは「性能が認められた抗体検査を用いて、一定の地域から無作為抽出するなどして対象者を選別して実施すべきだろう」という意見が出ている。