常岡氏:
「本人は、たぶん楽しんで知ると思います。」
「捕まっている状況下での情報収集をやっていると思いますね。」
常岡さんの以前の「オムカエ」ツィートで、
ちょっと、そんな気もしていました。
安田さんの最後の音信(6/23)以来
20日ほど経って、常岡さんが発信したツィートは、
おどけていて、余裕を感じられるものでした。
「オムカエ」って~f^_^;
☪常岡浩介容疑者☪ @shamilsh
安田純平をオムカエに行ったものの、イスタンブールで入国拒否されて、
強制送還されて、今、仁川…21:42 - 2015年7月12日
私が頻繁に拝読していた、
常岡さんのISルポの著書『イスラム国とは何か』の
インタビュアーとして共著もしている高世仁さんのブログでも、
この常岡さんのツィートの後、
「イスラム国ではなくすぐには殺されないだろう」と記されており、
また、安田さんが拘束されていると言われるヌスラ戦線については、
常岡さんも同著の中で、ご自身がシリア取材をしていたときに、
ヌスラの支配地域に迷い込んでしまい困ったと思ったら、
意外にも食事を振る舞われ、礼拝を共にさせてもらうなど、
親切にしてもらったというエピソードを書かれていました。
私もこんなことを書きました。
――アルヌスラに拘束されていると言われる安田純平氏は、
最後のツィートで、
安田純平 @YASUDAjumpei 6月20日
これまでの取材では場所は伏せつつ現場からブログやツイッターで現状を書い
ていたが、取材への妨害が本当に洒落にならないレベルになってきているの
で、今後は難しいかなと思っている。期間限定の会員制で取材経過までほぼリ
アルタイムで現場報告することも考えてたが、危険すぎてやっぱり無理そう。
こう言っていたことを思い出しました。
彼は、もしかすると、
ヌスラに捕まっても取材を続けている可能性も
あるのかもしれません。――
なにしろ、安田さんは、2004年に
イラクで、ムジャヒディン(*普通の地域農民による地域ぐるみの自警団)に
拘束されたときも、
農家の子供と仲良くしたり~
クフィーヤの巻き方を教わっておどけたり~
停電の夜には絨毯を広げて星空を仰いで涼んだり~
米軍に虐待を受けた経験のある強面の人と、
日本のイラク派兵について議論したり~
人間対人間としてコミュニケーションをとり、
アメリカのスパイなどではないということを彼らに悟らせ、
解放されたのですよね。
*ファルージャはイスラム教のスンニ派の住民が住んでいる地域。
スンニ派は、フセイン政権と近い関係にあるといわれ、
米軍は当初から厳しい扱いをして いた。
2003/4月、小学校を占拠した米軍に抗議デモをした地元住民が、
一斉射撃を受けて大勢が死亡した。
この事件がファルージャでの米軍と地域住民との対立の始まり。
これが、普通の地域住民であるファルージャのムジャヒディンが、
武装して自警するようになった経緯。
日本でただ漫然と広められていた
恐ろしいイスラムというイメージを払拭するような、
彼らの実際のファルージャの普通の人々の暮らしぶりを、
帰国後、「外国人記者クラブの会見」などで伝えてくれていました。
この時の動画は、もう消されているようですが、
文字起こししてあるものが残されていましたので、
貼っておきます。
http://www.asyura2.com/0401/up1/source/720.htm
帰りたてホヤホヤのこの会見は、
イラクの現場を見てきた日本人ジャーナリストの言うことと、
政府側に立つ日本の大手マスコミが報じてきたことのズレっぷりが、
笑いを誘うほど 政府サイドの陳腐な嘘と過ちを露呈させています。
実際、その場にいた外国人記者と、安田さんと渡辺さんは、
日本政府や日本のマスコミが仕掛けていた「人質バッシング」を
同じ理解で可笑しいほど筋の通らない陳腐なものとして
笑っていました。
これが、私たちが初めて見た
「作られたイメージ」と「現場」の
驚き、呆れるほど、ズレた断層の境界面です。
安田さんが、
この2004年の拘束事件から巻き起こった現象とイラク取材を
著書にまとめられたのが、こちらの
『誰が私を「人質」にしたのか
―イラク戦争の現場とメディアの虚構』です。
「現代の政治の嘘は、秘密でないどころか
実際には誰の目にも明らかな事柄を効果的に取り扱う。
このことは、歴史を目撃している人々の目の前で
現代史の書き換えを行う場合に、はっきりしている。
しかし、それは、あらゆる種類のイメージづくりにも
同様に当てはまる。
イメージづくりの場合、いかなる周知の既成事実であろうと
それがイメージを傷つける恐れがある時には、
やはり否定するか無視される。
こうした嘘は、
全て嘘の張本人が気づいているか否かに関りなく、
暴力の様相を潜ませている。
組織的な嘘は、否定しようと決断した全ての者の
破壊へと常に向かう。」
――ハンナ・アーレント